数学花壇 〜放物線編④〜
エピソード4:ケーキはみなで分けよ!
急になんだ?ケーキ?点とケーキに何のつながりが?!
好きですが・・・
「それはよき。おぬしはいつもケーキを1人で食べるかのう?」
いつも1人でってことはないです。みんなで食べることの方が多いです。
「それはよき。みなで食べるケーキを誰も食べないってことはあるかのう?」
さすがにそんなことはないです。
「それじゃ!目の前にケーキがあるのにずっと分けない。誰も食べない。そんなことはなかろう。」
は、はい。おっしゃってることは分かるんですが、つまりどういうことでしょうか?
「わしはケーキの0等分はできないと言っておる。」
0等分?0等分なんてこと自体発想としてないけど。0等分ができない・・・
そうか!どこかで0で割ってしまったところがあったのか!どこだ?(放物線編③参照)
「何か気づいたかえ?」
そうか。接線の傾きを求める導関数を求めるときにy=0である可能性を見落としていたんだ。y=0のとき、接線の傾きを求めることができない。y=0のときは別に考えなければならなかった。y=0ってことは点(0, 0) における接線か・・・接線はy軸、つまりx=0で、これは求めた接線の方程式を満たす?・・・満たす!
えっと、点(0, 0) における接線のことを気にすることができていませんでした。
「うむ。ケーキはみなで食べる方がよかろうて。」
そうですね。ありがとうございます。直します。
「うむ。せっかく直すのなら、別の解き方で示してみよ。」
もっと簡単な方法があるのか?それとも単に別解を聞かれているのか?
別の解き方というのは、全く違う解き方ということでしょうか?
「全く違う解き方ができるならそれもよい。接線を使わずに示すならどうかのう?」
接線を使わずに?!・・・そういえばなぜ僕は接線を使った?・・・接線が求めやすいと思ったからだ。接線を使わないとなると・・・
「反射の法則かえ。」
反射の法則?・・・反射の法則は、入射角と反射角を点Pにおける法線に対して考えるから・・・そうか!接線ではなく法線を使えばいいんじゃないか?
接線を使わないということで、こんな風に求めてみました。いかがでしょうか?
「よき。これならケーキの心配をしなくても済む。そして光の全反射も登場する。よきよき。」
言われてみれば、法線を使って求めてみると、全反射のことを気にしなければならないことがわかる。接線を使って解いた解き方を直すだけだったら気づけなかったかも。面白い。
「さて、おぬしは求めた点を何て呼ぶか知っておるかのう?」
は、はい。理科で出てくる焦点ですよね?
「うむ。焦点ってどんな点かえ?」
光が集まる点です。虫メガネで太陽の光を集めて、紙を焦がす実験をしたことがあります。
「よき。焦点を、レンズを使って確かめることができることは、実感として素晴らしい。今は、焦点を、数式を使って確かめることができた。これは体感として素晴らしい。」
実感?体感?言葉を使い分けたけど何か意味があるのかな?・・・
「おぬしはparabolaについて他に知っていることはあるかのう?」
他に知っていること?・・・放物線・・・いやいやparabolaは、点Fと、点Fを通らない直線Lから等しい距離にある点Pの集まり(放物線編①参照)で、点Fのことを焦点、直線Lのことを準線というくらいしか思い出せないなあ。準線という言葉を使っていいものか。ここは正直に・・・
点と直線から等しい点の集まりを考えるときに用いる直線のことを、準線ということは知っています。
「ほう。準線とな。準とはどういう意味かえ?」
準?!準じる?基準?
基準って意味でしょうか?
「ほう。何の基準かえ?」
Parabolaの基準です。
「何?!おぬし、今なんと言った?」
えっ、えっ、このくだりは危険だ!ちゃんとparabolaって言ったはずだけど、何がまずかった?!
P、Parabolaの基準です(泣)
「けしからーん!」
エピソード5に続く。
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