![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143772955/rectangle_large_type_2_6f96cb31b8fa6378b9624b72018a7221.jpeg?width=800)
【美術館の名作椅子#07】東京都現代美術館
東京都現代美術館
設計:柳澤孝彦 + TAK建築・都市計画研究所
開館:1995年
・PK80
![](https://assets.st-note.com/img/1718151727655-bziptdACyR.jpg?width=800)
デザイナー:ポール・ケアホルム
発表:1957年
メーカー:FRITZ HANSEN
価格:¥2,923,800(2024年5月現在)
多くの美術館で採用されている名作ベンチ。
国立新美術館や東京国立博物館本館などにも置かれている。
低い座面と固い座り心地が特徴。
6/29からパナソニック汐留美術館で行われるポール・ケアホルム展が楽しみだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1718151634250-Zo12POzv7n.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718151443332-9Wy6ET5bsN.jpg?width=800)
コレクション室では贅沢に4脚を用いて四角を作っている。
価格を知るとつい背筋が伸びてしまう。
![](https://assets.st-note.com/img/1718153782454-QbfYWtHX9s.png?width=800)
・Seven Chair
![](https://assets.st-note.com/img/1718152448265-48rtGHXJyW.jpg?width=800)
デザイナー:アルネ・ヤコブセン
発表:1955年
メーカー:FRITZ HANSEN
塗装仕上げ ¥78,980(2024年5月現在)
名作椅子業界の中でも代表的な一脚だがシンプルすぎてコピー品が溢れすぎなのが玉に瑕。
唯一FRITZ HANSENのみが正規品だが長い歴史の中で様々なバリエーションがあり、もはや全容は不明。
![](https://assets.st-note.com/img/1718153414610-Sjap6TWsfJ.png?width=800)
・Grand-Prix Chair
![](https://assets.st-note.com/img/1718152849926-0jOnC0C1sa.jpg?width=800)
デザイナー:アルネ・ヤコブセン
発表:1957年
メーカー:FRITZ HANSEN
塗装仕上げ ¥108,680(2024年5月現在)
アルネ・ヤコブセンのグランプリチェアが並ぶ。
ここのは脚部がパイプではなく成形合板仕様。
1957 年、コペンハーゲンの展示会で発表され、同年のミラノ・トリエンナーレでグランプリ獲得して以降グランプリチェアと呼ばれている。
![](https://assets.st-note.com/img/1718153283969-fUonomCBqF.png?width=800)
・Pot Chair
![](https://assets.st-note.com/img/1718154006720-L2fWMu1Gjk.jpg?width=800)
デザイナー:アルネ・ヤコブセン
発表:1959年
メーカー:FRITZ HANSEN
参考価格:¥338,800(2024年5月現在)
カテゴリーではラウンジチェアに分類されているが、小ぶりなサイズのため汎用性が高い。
主張はせずとも存在感が際立っているのはさすがアルネ・ヤコブセン。
ファブリックの仕様が定かではないので参考価格を。
![](https://assets.st-note.com/img/1718154198592-ucZisO5pKt.png?width=800)
・サイン什器・ベンチ
![](https://assets.st-note.com/img/1718238288355-IYK6W7rw6V.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718238290443-QX8mV9PWPl.jpg?width=800)
デザイナー:長坂 常/スキーマ建築計画
発表:2019年
2019年のリニューアルにあたり什器が一新された。
石やスチールとのコントラストのある素材ということでコルク素材が用いられているが、設置から数年が経って、その素材特性もあり汚れや色褪せ、劣化が目立つようになってきた。
今後、歴史に耐えうる「名作椅子」へと昇華することができるだろうか。
・Arnold Circus Stool
![](https://assets.st-note.com/img/1718238176775-m5SLwfNPl1.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718238180006-0jUm0cJONb.jpg?width=800)
デザイナー:マルティノ・ガンパー
発表:2006年
メーカー:Martino Gamper Studio
参考価格:¥26,400(2024年5月現在)
ポリエチレンプラスチック製のスツール。
スタッキング可能で、逆さまにしてゴミ箱にしたりと工夫もできる。
このようなプラ製スツールは各種あるが比較的安価で何かと使い勝手が良い。
我が家ではフィリップ・スタルクの《プリンス・アハ》や《bubu》を愛用している。
・木製スツール
![](https://assets.st-note.com/img/1718238320409-Jbykyhhudh.jpg?width=800)
木製スツール
デザイナー:柳澤 孝彦
発表:1994年
メーカー:桜製作所
美術館設計者でもある柳澤孝彦がデザインし、開館当初から使用されているスツール。
細部を見ると窪みがあって細工が入っていたり、無垢材がチギリ加工で連結されていたりと非常に凝った作りになっている。
![](https://assets.st-note.com/img/1718239533683-nxIbYLKIrH.jpg?width=800)
元々特注で製作されて一般販売はしていなかったようだが、2023年にギャラリーでの企画展のためにスケールダウンしたものが限定受注生産された。
・Stool60…?
・646 Chair…?
![](https://assets.st-note.com/img/1718238178235-GRi9I1XUyI.jpg?width=800)
名作スツールのartek《Stool60》とCassinaの名作椅子《646》が並ぶ。
…と思いきや、なんだかシルエットに違和感を感じたので裏を見てみたら、
![](https://assets.st-note.com/img/1718238178921-4eFqJYygaG.jpg?width=800)
某N社のシールが!
確かにartek製との価格差は20倍以上あるのだが、予算を少々上乗せしてでも美術館としての矜持を持ってここはオリジナルの《Stool60》にこだわってほしかった。
こんなシンプルなスツールなのだが、artek製はやはり細部のこだわりやバランス、美しさが全然違う。
我が家でも数脚愛用中。汎用性があり名作中の名作椅子のひとつだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1718278113862-k9nDZWC2XF.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718278217953-Rfkv1JoAmR.jpg?width=800)
だが、こうなると隣の《646 Chair》もはたしてCassina製か怪しくなってくる。
見た目や木目の雰囲気からCassinaのものだとは思うのだが、裏面にはタグもシールも見当たらなかった。
外したとか剥がれたとかの可能性もあると思うが…。
どちらとも断定はできず。
もしCassinaのものだとすれば、
646 Chair
デザイナー:ジオ・ポンティ
発表:1957年
メーカー:Cassina
参考価格:(張り地により変動)¥123,200〜(2024年5月現在)
東京都現代美術館はFRITZ HANSENの名作椅子とともにオリジナルの什器を多数導入しており、こだわりの選定をしているように感じた。
けれども唯一某N社のスツールだけが気になった。
いや、某N社が悪いわけではないのだ。
某N社はコストパフォーマンスに優れた品々を安価で世に送り出してくれる優良企業だ。
実は私も細かいものは色々お世話になっている。
なんならスマホにアプリだって入れている。
ありがとう某N社。
そしてこれからもよろしく。
…だが、東京都現代美術館よ。
あなたはそれで良いのか。
【美術館の名作椅子】まとめマガジン ↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?