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どんぐり鉄砲とかわいい男子たち

水曜日、弟は公園遊びの日である。今日はひとりの男の子が持ってきたエアガンに、男子たちの注目が集まった。エアガンと言ってもBB弾ではなく、発泡スチロール製の大きめの弾を込める機種だと思われる。もちろん弾は持参しておらず、ガンを構えて戦いごっこをやりたい、ということのようだ。

母たちは、気が早い卒園対策の話に花が咲いてしまい、茂みの中で行われていた戦いごっこの全体像は把握していなかった。なので、ここからはすべて弟談である。

持ち主の男の子は、借りたいと群がる男子たちに、エアガンを順番に貸してくれたとのこと。なんて優しいんだ! 貸す貸さないで、揉めてもいいところなのに。それから、エアガン担当を順々に変えながら戦いごっこを行っていたところ、空想の弾では物足りなくなったらしい。突然、持ち主くんが、足元に落ちていたどんぐりを込めて打ちはじめた。すると、なかなか良い感じに飛んだようなのである。

こいつはいいぞと、男子たちは次々にどんぐり弾を込めた。みんなで順繰りに打って、どんぐり鉄砲の戦いごっこが始まった。

どんぐり弾がどのくらい飛ぶのか、当たった痛みがあるのかなど、ちゃんと監督していなかったのは反省である。弟曰く、全然痛くないとのこと。でも、当たるくらいには飛んだってことだ。反省。

一巡してエアガンが持ち主くんに戻り、再度どんぐりを込めて打とうとしたところで、どんぐりが出てこないハプニングが起きた。子どもの指でも届かないほどの奥に挟まり、ガチャガチャ振っても出てこない。持ち主くんは泣き出してしまった。

そこで、弟のご登場だったそうだ。組み立て好きなので、解決できる自信があったのだろう。エアガンを手に取り見てみると、弾を込める箇所に渡された棒に引っかかっていたとのこと。細い木の棒をゴシゴシ突き刺したら、どんぐり弾はポロリと転げ落ちてきた。

笑顔になった持ち主くん。どんぐり鉄砲には満足したらしく、これにてエアガン遊びはお開きとなった。お次は、公園内ランニング8周(本当に8周して、汗だくになっていた)へと、遊びは移っていった。

どんぐりを弾に見立てて、実際に入れてしまう持ち主くん。どんぐりを弾にすることに疑問を抱くことなく、盛り上がった男子たち。友だちのピンチに意気揚々と登場した弟。みんな微笑ましいよ。かわいいな、男子。

何がともあれ、監視の目が光ってこその楽しい遊び。以後、気をつけていかねばと、自分に言い聞かせた母なのだった。




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