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お別れの手紙

義理の祖父が亡くなった。夫の実家の2つ下の階に居を構えていたので、年に2.3回の帰省の際には、いつも顔を合わせていた。元刑事で、おそらく色々とあった人生だろうと思う。だが、そんなことはおくびにも出さず、いつも穏やかな表情で、のんびりした口調で話してくれる、優しいおじいちゃんだった。

コロナを気にして夏は帰省をしなかったので、今年の正月に会ったのが最期になってしまった。車で2時間、何かあれば飛んで行ける距離なのに、看取れなかったのは悔しい限りだ。明日、夫だけでお別れを言いに行く。可愛がってもらったひ孫の想いも届けるべく、息子たちは手紙と折り鶴を用意して、持って行ってもらうことにした。

兄はもう10年近い付き合いがある。4年前に私の祖母を見送っているので、死の意味もよくわかっている。どんなことを書くのだろうかと思いながら、手紙を受け取って見てみると、シンプルな文面に胸を打たれた。

おじいちゃん今までありがとう!
いっしょにいた時間はとても楽しかった!
本当にありがとう!!

おじいちゃん、私からもありがとう。大好きでした。おかげさまで、ひ孫は心も体もグングン育っています。安らかにお眠りください。


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