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法事

祖母の一周忌の法事は、クリスマスイブに行った

故郷にへと向かう新幹線。
うたた寝をして、ぼんやり目を覚ますと、
窓の外は、眩しいくらいに真っ白。
雪景色がひろがっていた。

お寺に着くと、祖父を取り囲むように、アメリカに住む大学生の従姉妹や、韓国在住の叔父さんが賑わい会話をしていた。また、地方に住む高校二年生の従姉妹が輪の少し外れたとこで寒そうに、スカートから出る足を震わせ立ち尽くしている。

久しぶりに親戚たちが遥々と、勢揃い。
来れなかった従兄弟もいたが10人で法事を行った。

祖母はよく笑う人だった。
ラム肉が好きで、歳を召してもジムに通い、
自身で車を運転し、パチンコをうち、
私が、父と逢いに行くと、
いつも脳トレドリルに鉛筆を立てていた。
また、若い頃につかっていたブランド物のバックやアクセサリーを見つけ出しては
"そろそろ似合う頃ね"と私にくれた。

お話が好きで、けど親身にいつも話を
聞いてもくれる人だった。

芯があって、思いやりを強い人。

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住職の法話が終わり、お墓へ向かおうとしたが、
墓場辺り一面雪がこんもりと積もっており、
僅かながら誰かが歩いた足跡があったが、
すぐにとだえてしまっている状態であった。

私は呆然とし、
住職もお参りは諦めようと提案したが、
私の父は先陣を切って、道無き雪道を歩き出した。

"道ないよ??本気で行くの?"

と私が問いかけたが、親戚もみな、笑いながら
道無き道を歩き出した。

おじさんや、祖父、父、兄が先を歩き、
道を少しずつ作り、
私たち女性軍は、その後ろをついて行った。
"もう少し、小股で歩いて!"
"足元、ここ段差あるよ"
などと、互いに声をかけあった。

無事に、お墓までたどり着いた。
お墓参りを行い、お寺に戻るときには、
そこにはもう道ができていた。

私は、嬉しかった。
祖母の偉大さを再び、思い知った。
みんなが、祖母の事をこんなにも愛している。

祖母には、他界した現在もなお、
人を動かす、感動させる力を持っているのだ。

"思い出に残る、クリスマスイブだね"
というと、皆、笑いあった。

祖母が亡くなって1年経った今、
祖母のような愛に溢れた人になりたいと
改めて強く思う。

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