見出し画像

[3000円ワイン]別れの季節に飲むワイン〈日本/ケルナー〉

年末年始はベトナムにいました。

やむことのないクラクション、夜中まで続く大音量のカラオケ、すれ違えないほどの人混み。「作戦名、勇気!」でしかない道路の横断に、英語の喋れないタクシー運転手とのカタコト交渉――

いやあ・・・・疲れました。(東南アジア疲れ)

ほんと、どんなに愛があろうとも、というか、その雑多さをこそ愛していようとも、疲れるものは疲れます。とにかく日々、体力がごりごり削られていく。
だいたい思わぬことが起こるし、かえってくる返事は適当だし、英語は思ったように通じないし、気は抜けないし、ベッドは固いし、

は~~~~~あたし、日本に帰ったら「いつも」通りをやるんだ……ッ!

と、強く心に誓って帰国した日の夜。

わが家にとって、もっとも「いつも」通りである「いつも」のワインショップにうかがったところで、衝撃的な事実を知らされることとなります。

「うち、2月でいったん閉店することになったんです」

えッッ?!?!?


実は、我が家が行きつけのワインショップは、とある商業施設のなかにテナントとして入っています。そしてその商業施設が、本年の2月に閉業することが決まっているのです。

そのお知らせが出たのが、昨年の2月。このニュースを聞くやいなや、いてもたってもいられずほとんど半泣き状態でワインショップに駆け込んだわたしに、馴染みのソムリエが「だーいじょうぶだよ、うちは閉めないから。みんな慌てて連絡してくるんだからさ~」と笑ったのを見て、ようやくほっと胸をなでおろしていたのです。

それ以降、新しいテナントを探しているとは聞いていました。実際に、出張販売をしながら街の様子を見に行くこともあったようです。

「あそこは、客層がうちとは違うかな~」「ここみたいに若い夫婦がいないんだよね」「場所はいいんだけど、テナント料が高くてさぁ」

「いっそ東京に出ちゃうかな?!」

そんな雑談を、半分冗談、半分本気で、聞いていました。

わたしたち夫婦がワインと出会い、そしてワインを愛するようになったのは、このお店のおかげ。
ここで聞くワインの話が楽しくて、ここで買うワインが美味しくて、本当にただそれだけで、こんなにワインが大好きになりました。

『できれば、ずっとこの街にいてもらいたい』

そう思いながら、それでも、新しい門出をお祝いできる日がもうすぐそこまで……と、思っていた矢先の衝撃。いやぁ、そうかぁ。閉店かぁ。まじか~…

「めったにやらないけど、閉店セールするから。今のうちに買っといて」

あまりのショックでぼんやりしてたら、ワインがリュックに入っていました。・・・・・誰が買ったの!(あたし)

というわけで、突然の別れの季節です。ほんと「推しは推せるうちに推せ」はオタクの鉄則。今後も、推し残しのないよう、閉店まで通い詰めようと思います。

ああ、でも、正直まだ気持ちの整理がつかない。寂しくて泣いちゃうよぉ…

北島ヴィンヤード No.7 ケルナー 2019 【¥3740】

<ワインdata>
国:日本 種類:白ワイン 品種:ケルナー ヴィンテージ:2019 生産者:北海道ワイン インポーター:ー

<バランス>
酸味★★★★☆ 糖度:★★☆☆☆ 香り:★★★☆☆

さてこちらのワインは、うちの妹氏からの北海道旅行土産でもらいました。

ところでうちの妹氏は、全国どこにでも行く転勤族です。これまでも、神戸、広島、名古屋と各地を転々として、2020年から東京に来ていました。

妹氏とは飲み友達なので、東京に来ると聞いたときには「やったー!飲み仲間増えた!」と喜びました。実際にわたしのワインタイムにもよく付き合ってもらって、今では旅に出るとこうしてワインを買って来てくれる、素敵なレディに育ちました。最高。

ところが、そんな彼女もいよいよ今月、次の新天地、群馬に行ってしまうんだそうです。そっか~群馬か~…なんだか寂しい別れが続くな~~…!

でも、寂しくても、悲しくても、わたしはワインを飲みます。
だって、ワインが、好きだから……!!!

外観はやや色づいたイエロー。若干とろんとした雰囲気も感じます。

北海道のケルナーって、北海道のなかでは糖度を感じやすく、ややふくよかめになりやすい印象があります。ブドウの性質なのかな?わたしは結構、「推し」品種です。

とはいえこのワインは、どちらかというと「スッキリ」め。柑橘系の香りと北海道らしい酸が楽しめる、軽やかなテイストでした。余韻に苦みが残っていくので、お魚を使った和食にも合いそう。

温度をあげてふんわりめに楽しむのもよし、冷やしめで酸を楽しむのもよし。どちらにしてもほっとひと息つける、穏やかな味わいだったと思います。

ああ、ようやく日本のお正月だ。「いつも」通りっていいな。こうしてワインのおかげで、ようやく「いつもの」食卓を、ほっと楽しむことができました。ワイン、ありがとう…!

スシローで寿司をテイクアウト。日本食、大好き!

わたし自身も3月の退職をひかえて、たくさんの「お別れ」をしている真っ只中です。新しいスタートには、別れの寂しさはつきものなんだなぁ。

もうしばらく続くこの別れの季節ですが、ワインに寄り添ってもらおうと思います🍷

それでは、2023年もどうぞよろしくお願いいたします!今年も変わらず元気いっぱい、ワインのことをお伝えしていきます♪
3000円台のワインをこよなく愛する、3000円ワインの民ますたやでした(^○^)ベトナムワ旅編も、引き続きお楽しみください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

▶ 詳しいプロフィールはこちら!TwitterやInstagramもフォローお気軽にどうぞ♪

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サポートでいただいたお駄賃は、バッカスへの課金に溶かしていきます!