見出し画像

学び多き、コーヒー留学~ベトナム渡航2022(2)~

ベトナムの2 日目。
この日から、今回の旅の目的であるベトナムのコーヒー研究・教育機関であるStoneVilliageLab&Eductionでの研修が始まります。1日10時間のトレーニングを、合計3日間行います。

画像8

この研修の大きな目的は、焙煎士である僕が一番おすすめしたいと思っているコーヒー豆「FINE ROBUSTA(ファインロブスタ)」FutureCoffeeFarmのローストを極めるためです。僕は、東京・国立でTHE MIDFLOW coffee roastというコーヒーショップを開業予定です。そこでは、そのFINE ROBUSTAの100%のエスプレッソ、それを使ったドリンクの提供を一番の推しにしたいのです。

画像2

FUTURE COFFEE FARMは、僕にとって人生を変えてくれた場所であり、そこの農園主Toi Nguyenさんは、僕のリスペクトする憧れの人の一人です。彼の作るコーヒー豆は、とてつもなく品質が高く、その栽培、精製過程には一切の妥協はありません。僕は、それを目の当たりにして、ぜひそのコーヒー豆を扱わせてほしいと思ったのです。ただ、そんなふうに、最高の品質を目指して作られているコーヒー豆を、僕の拙い技術で台無しにしてしまうなんてことはあってはならないことです。それに、ロブスタという品種のコーヒー豆は、アラビカという品種のコーヒー豆に比べて、肉厚であることから焙煎技術がそもそも難しいのです。

画像9

そこで、僕は、Toiさんの弟的存在であるベトナムでNo.1の呼び声の高いQグレーダー(国際鑑定士)Hoa Nguyenさんの主宰するStoneVilliage Coffee Labでの研修を希望したのです。以前から、Hoaさんとは面識があり、Hoaさんは快くOKしてくれました。

そんなこんなで始まった研修は「厳しい」の一言でした。
Hoaさんはベトナムのコーヒー業界を背負っていると言っても、過言ではないほどの人物です。「絶対にベトナムのコーヒー業界をサステナブルに光輝かせ、そして発展させる」そんな彼の仕事への情熱は、誰と比較するまでもなくとても熱いです。農園主Toiさん同様、その仕事に一切の妥協はありません。

画像3

彼は僕に言ってくれました。

「僕が愛しているベトナムのコーヒー豆を学ぶために、わざわざ日本という遠い国から来てくれたあなたにとても感謝している。短い時間だけれど、僕はできうる限りの知識をあなたに渡したい。」

画像4

1日10時間のトレーニングはあっという間に過ぎていきました。
彼はとても親切でありながら、そうはいっても厳しく僕を指導してくれました。コーヒーに関すること以外で、彼に教えられたことで、とても耳が痛くも勉強になったことがあります。それは、2日目の研修を終えたあとのこと、僕が使った道具を片付けたり、使ったカップなどの洗い物をしていたときのこと。彼は、僕に少し苛立っていました。

「あなたは、ここに研修をしに来ているんだ。掃除や片付けをしに来ているわけじゃない!あなたはここに知識を得に来ている。トレーニングをしにきれている。それに集中すればいい!掃除や片付けは、うちのスタッフがする!」

StoneVillageのスタッフの女性は、とても親切で、僕をたくさんサポートしてくれていました。コーヒーのトレーニングは、一日中コーヒーを飲むので、身体への負担が半端ないのです。コーヒーのカフェイン成分は、心拍数をあげるし、利尿作用によって水分不足になりがちになります。そこで、女性スタッフさんは、僕のために毎日、ベトナムの果物をたくさん買ってきてくれて、僕のために用意してくれました。僕は、そこまでやってくれている彼女の仕事を少し手伝いたいと思ったのです。

画像10
画像11

でも、彼にそう言われたことで、「たしかにその通りだな」と思いました。
Hoaさんは、続けて僕にこう言いました。

「僕は、日本人がどういう性格がわかっている。思いやりがあって、とても親切な人が多い。だから、あなたの行動も理解ができる。でも、今は間違ってる。例えば、サッカーに例えるとゴールキーパーが、フォワードの仕事を奪って相手側に、攻めに入ったりしないでしょ?そんなことしたら、チームはグチャグチャになってしまう。あなたは今は、学ぶ人、彼女はあなたのサポートをする人。そういう役割分担なんだ。」

本当にそのとおりですよね。Hoaさんは僕よりちょうど10歳下なんですけど、本当にしっかりしているし思慮深いし、自分の考え方がしっかり定まっています。正直言って、僕はとても恥ずかしかったけれど、とても勉強になりました。そんなふうに諭してもらったことで、僕は研修に集中できるようになりました。

画像7

当初の予定では3日間の予定でしたが、4日目の午前中もHoaさんは研修のために時間を割いてくれて、僕は徹底的に学ばせてもらえることができました。東京に戻ってから、実践のトレーニングがしやすいように、基礎的なことを徹底的に学ばせてもらえたと思います。

1日10時間を3日間、コーヒーの焙煎の基礎を覚え、そしてトレーニングを続けました。座学でたくさんの知識を授けてもらって、たくさんのコーヒーを飲みました。そして最終的にはこんなふうになりました(苦笑)。

画像5

苦笑いするしかありませんが、でも、僕なりに一生懸命に取り組みました結果です。人生がかかっているんです。かつては、趣味として大好きだったコーヒーが、今では仕事になりました。そして、今では、そのプロ中のプロ、一流の中の一流と関わらせていただいています。絶対に中途半端なことはしたくないし、できません。

でも、そうは言っても、正直に言って今回の研修では、自分の体力のなさ、英語力の低さに、自分自身に苛立つことが多かったです。「不甲斐ない」と思いました。でも、それが今の僕のレベルです。反省するだけなら簡単で、そんなことは誰でもできます。これをバネにしなければなりません。
ここからスタート!と思って、ここからさらに努力を重ねたいと思います。

Hoaさんは「これからもあなたをサポートし続ける!」と言ってくれました。こんなに嬉しいことはありません。

東京には、本当に星の数ほどのコーヒー屋があります。
誰でもできることをやっていては、勝てるはずはありません
Hoaさんが僕に教えてくれたことを、徹底的に自分に落とし込み発展させていかなければなりません。

僕はそのモチベーションに、今溢れかえっています。

なぜなら、僕はHoaさんのことが大好きだからです。
あんなに真っ直ぐに純粋な人で素敵な人と出会えたことに感謝しています。
そして友達になれたことを、本当に嬉しく思っています。

画像8

大好きな仕事で、大好きな人たちと関われる。
こんなに幸せなことはありません。
そして、それはこれからずっとずっと続いていくことでしょう。

画像6

コーヒーに関する学びだけでなく、他にもさまざまなことを学ぶことができた超濃密な4日間でした。Hoaさん、本当にありがとう。

東京・国立 THE MIDFLOW coffee roastは、
7月上旬の開業を目指し、絶賛準備中です!
最高のベトナム産スペシャルティ・コーヒーをご提供します!
最新情報はぜひInstagramをフォローしてください!
https://www.instagram.com/the_midflow_coffee_roast/?hl=ja

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?