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【読書記録】スマホ脳

こんにちは、ますみつです。

今回ご紹介する本はこちら↓


「スマホ脳」です。
アンデシュ・ハンセンさんという、スウェーデンの精神科医の著書です。
スマホをはじめとしたデジタルデバイスの出現が、人類にどのような影響を与えたかが書かれています。

人類の脳は狩猟生活から変わっていない

画像1

画像はスマホ脳に挿入されているものです。
・が1万個書いてあるのですが、この点1個が20万年前に人類が出現した以来の一世代を表しています。この点を全て表すと人類の歴史となります。

このなかで、車や電気、水道やテレビが出現したのが
・・・・・・・・点8個

コンピューターや携帯電話、飛行機が出現したのが
・・・点3個

スマホやSNS、インターネットが当たり前になったのは
・点1個

と言われています。
今では当たり前となったツールの出現はつい最近のことで、人類の歴史上の大半(点9500個分)は狩猟時代でした
人類を含めた動物は環境に適応して進化していきますが、進化はすぐに起きるものではなく何世代も後までかかるものなのです。

そのため、人類の脳もまだスマホを初めとしたデジタルデバイスに適応しているわけではなく基本的には狩猟時代の時と大きく変化していないのです。

スマホに反応してしまう脳

人類の脳は狩猟時代と大きく変わっていないということを書きました。
昔は今とは違って食べ物も手に入りづらく全人口の半分が10歳になる前に亡くなっていました。
そのため、脳の機能も食べ物を探すための意欲を出したり命に関わるリスクを察知する能力に長けるようになっているのです。

そこで脳の働きとしてあげられるのが「ドーパミン」「HPA系」です。

ドーパミン
・脳内から分泌される伝達物質
・食料を手に入れるなどの報酬を得るときに分泌される
・何かが起きるかもしれない(食べ物が手に入るかも)という時にも分泌される
 →人間に行動する動機を与える
HPA系
・脳の視床下部、下垂体、副腎系と呼ばれる場所で構成されている
・緊急性の高い(命に関わるような)脅威に遭遇したときに働く
 →闘争か逃走かという選択をする
・現代ではストレスや不安を受け続ける時に働く

これらのシステムが働くことで昔は食料を探そうとしたり、命の危険を素早く察知することができたのです。

そして、これらのシステムはスマホを触る時にも働いてしまうのです。

新しい情報が手に入るかもといった期待感を持つためスマホのページをめくるたびにドーパミンが分泌されます。
また、SNSのいいね機能といった通知を報酬として受け取るため、これもドーパミンが分泌されるのです。

この状態が持続すると依存症状が始まります。
この時にスマホがない状態になると、ストレスを感じてHPA系が働くのです。
HPA系は「闘争か逃走か」という選択をします。
これは最優先に今起きている問題を解決しようとするシステムのため、
細かい部分まで気を配ることができなくなります。
その結果、些細なことで苛立ちを感じるようになるのです。

これらが続けて起こる事で、うつ病や睡眠不足、記憶力や集中力・学力の低下などを引き起こすのです。

このような弊害はアップルの元CEOのスティーブ・ジョブスをはじめとしたIT業界のトップも気付いており、自分の子どもにはデジタルデバイスを渡していないそうです。

対策はスマホの制限と運動

対策としてあげられる一つ目がスマホの制限です。

・スマホでなくてもいい機能(目覚まし・時計など)は別のものを使う
・集中力が必要な作業時はスマホを別の部屋に置く
・プッシュ通知をオフにする
・スマホの表示をモノクロに
 →色の少ない画面のほうがドーパミンの放出量が少ない
・眠る1時間前はスマホやタブレットを使わない
・スマホを寝室に持ち込まない

仕事や勉強などの集中力を必要とする作業や人と会う時に
テーブルの上にスマホを置いている場合と
別の部屋に置いたりカバンの中にしまっている時では
テーブル上にスマホを置いている時のほうが集中力が
低下することがわかっています。

二つ目の対策が運動です

・運動の種類はどんなものでもOK
 →心拍数が上がるもの(早歩きの散歩など)だとなお良い
・推奨の時間は週に2時間程度
 →1回45分を週3回

運動の効果としてはストレスの軽減と知能的な処理速度の改善です。
運動を行うと頭の回転も速くなるということになります。

推奨は週に2時間程度ですが、1日6分間の運動でも集中力の向上や処理速度の改善が良くなることが分かっています。
運動は少しでも良いので行ったほうが良いといえるでしょう。

感想

人類の進化の過程や脳科学の観点からスマホの弊害を解説しているため
なぜそうなるのか、腑に落ちやすい本でした。

スマホをはじめとしたデジタルデバイスは現代社会では使わないというのは難しいことだと思います。
だからこそ上手く付き合う術を覚える必要があると思います。

本日はこの辺りで失礼します。

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