増井真也

増井真也

最近の記事

ミクロの文化は個人によって作り維持することが可能であるということを裏千家の活動を通して知った

今日は裏千家の淡交会青年部という会で出会った仲間と共に七夕の茶事を行なった。12時席入りということで、9時過ぎには席主と水屋のメンバーがますいいリビングカンパニーのモデルハウスに集まった。席主、料理担当、半東とともに前回の茶事で指名されたメンバーである。高価な道具組を競うようなものではなく、手作りの茶事を楽しむ、そんな嗜好で続けている会である。 11時40分ごろ、お客様到着。12時席入。前回はかまどのご飯の水の量を間違えてしまい硬いご飯を柔らかくすることに苦労した。今回は席

    • 土壁の美はランダム、アバウト、ノープロブレムな出来事の中にある

      土壁の仕上げは千利休が草庵を作ったところから始まる。利休以前の土壁は、縄文時代の竪穴式住居の土間、荒壁、泥小屋、版築、土塀、竈門・・・それらは土地に住むものの用としてただ存在していた。利休は初めて土壁の中に美を見出した。それは内面化された美として侘び寂びの世界の鑑賞の対象ともなった。 土壁の美はランダム、アバウト、ノープロブレムな出来事の中にあることを小林澄夫さんから聞いた。 ランダムとは土壁を形成する自然素材にはバラツキがあること。 アバウトとは土壁は水仕事で風によって固

      • 住宅設計は面白い

        住宅設計とはなんだろう。建築というのはその土地に建つものだから、まずは敷地の状況を確認する訳だけれど、僕のように埼玉県や東京都の仕事が多いと周りにはなんらかの建物が建っていたりするわけで、やっぱり自分が設計した建物が建った後にその町の雰囲気が良くなるような住宅を作りたいというのが一番ではないかと思う。そしてやっぱり住宅設計を考える時には、そこに住まう人のことを一番に考える。そこに住まう家族が幸せに暮らすことができるような家は一体どんなものだろうかの思考がとても大切であると思う

        • この協働事業は高見林業さんが丹精込めて育てた木を伐り、田村材木店で製材して、ますいいリビングカンパニーの家づくりに使うという取り組みである

          今日は埼玉県さいたま市にて進行中のOさんの家の木を伐りに、栃木県鹿沼郡にある鷹見林業さんを訪問した。家の木を伐りに山に行く、そんな取り組みができたらいいなあと23年前にますいいリビングカンパニーを作った時から考えていた。中学、高校と山岳部に所属していたから山には親しみは感じていたけれど、伐採の現場というとまた話は別である。登山道を歩いていても伐採を見ることはほとんどない。山の仕事というものを肌で実感する機会というのは都会人にはなかなか得ることはできないのだ。だからこそ家づくり

        ミクロの文化は個人によって作り維持することが可能であるということを裏千家の活動を通して知った

        • 土壁の美はランダム、アバウト、ノープロブレムな出来事の中にある

        • 住宅設計は面白い

        • この協働事業は高見林業さんが丹精込めて育てた木を伐り、田村材木店で製材して、ますいいリビングカンパニーの家づくりに使うという取り組みである

          そして身近なところから土壁などの伝統的構法の実践をしてみようと試みている。

          現存する遺構から判断して、左官構法の起点は法隆寺金堂の壁画の下塗りである。飛鳥時代から続く長い歴史と伝統を持つ左官であるが、左官工事量は工事の絶対量、相対量のいずれも減少している。建築工事全体に対する左官工事業の完成工事高が占める割合は、近年は概ね1%前後で推移している。業種別の就業者数に関しても令和3年で27634人と全体に対しての構成比で0.6%、前年度比では-23.5%と大幅に減少した。 左官はこのまま滅んでもよいのか。いやそうではない。 住宅の壁仕上げとして左官仕

          そして身近なところから土壁などの伝統的構法の実践をしてみようと試みている。

          設計の力、生産に関する見識、素材を学ぶこと、資格、・・・このいくつかの条件を自分を信じて身につけること

          今日は関西学院大学の2年生インターンシップ最終日、今回は二人の大学生が1週間の体験をしてくれた。今回のテーマは、とある住宅設計の温熱環境シュミレーションと1/30の模型作成である。3回目と2回目の参加ということもあって、だいぶ慣れてきているようで作業もだいぶスムーズに進んでいる。 将来の仕事として住宅設計をやりたいという学生はたくさんいる。でも工学部建築学科は必ずしもそれに対して前向きは教育をする人たちばかりで構成されているわけではない。これは仕方がないことである。そもそも

          設計の力、生産に関する見識、素材を学ぶこと、資格、・・・このいくつかの条件を自分を信じて身につけること

          左官の聖地

          一泊二日での社員研修旅行で伊豆の松崎町に行った。この場所は伊豆の長八美術館がある、いわゆる左官の聖地である。美術館は建築家石山修武氏によって設計され、来年40周年を迎えるのだが、内容としては江戸時代にいた入江長八という左官職人を記念する美術館だ。館内には長八だけでなく様々なコテ絵作品が展示されている。ちなみに今でも街の中には長八が作ったコテ絵を見ることができるので街歩きをしていても面白い。 入江長八という人は、いわゆる今でいう壁塗りだけをする左官屋さんではなく、まるで浮世絵

          左官の聖地

          茶室談義

          茶室というと、茶道を習っている人でもあんまりよく知らないという人が多い。たった数畳の小さな空間だが、ここにはとてもたくさんの仕掛けが作られている。 日本の国宝茶室というのは3つ、そのうちのひとつが「密庵」だ。京都にある大徳寺竜光院というところにあるが、このお寺は慶長11年に黒田長政が建立したものだ。龍光院の開祖「江月宗玩」(こうげつそうがん)という安土桃山時代の僧が、小堀遠州らと親しかったため、江月宗玩の在世中から草庵や茶室が作られ、小堀遠州が茶室を営んでいたとも言われてい

          今回はますいいリビングカンパニーの作品が2点優秀賞に選ばれた。

          先月の30日は住まいのリフォームコンクールの表彰式に参加した。40年も続く老舗のコンクールということで、今回はますいいリビングカンパニーの作品が2点優秀賞に選ばれた。一つ町田分室の作品で、手狭になったマンション暮らしから、祖父母の住んでいた一軒家に移り住んだご夫婦と4人の子供のための住宅である。6年前に行った引っ越し前のリフォーム(一期工事)では、予算の都合上、主に一階の水回りとLDKをのみを改修。水回りからキッチンへ続く動線を整理し、最低限の断熱改修と構造補強を行った。6年

          今回はますいいリビングカンパニーの作品が2点優秀賞に選ばれた。

          モルタル研ぎ出しのキッチン

          今日は東京都新宿区にて、「一戸建て貸家と自分たちの住まい」を作りたいというKさんとの打ち合わせを行なった。初めての顔合わせということもあり、ますいいのモデルハウスである「暮らしを楽しむ作り場」についてのご説明をさせていただいた。 この作り場では7つの左官仕上げに挑戦している。7つの仕上げを並べてみると ・木ずり下地の土壁仕上げ(茶室) ・ラスボード下地の本漆喰仕上げ(リビング) ・石膏ボード下地の既調合漆喰仕上げ(廊下、2階) ・木ずり下地の並大津仕上げ(トイレ) ・モルタ

          モルタル研ぎ出しのキッチン

          土のソムリエ、と呼ばれる人がいる。

          土のソムリエ、と呼ばれる人がいる。東京都中野区にある富澤建材さんの富澤さんだ。自然素材や伝統工法を愛し、全国各地の土を左官屋さんに教えてもらいながら仕入れてきた。ここに来れば京都の土も土佐漆喰もある。有明湾で作られている田嶋さんの貝灰もある。藁もすさも揃っている。こんな店は全国でも少ないだろう。今日はますいいのスタッフと一緒にお店を訪問したのだが、塗り見本やさまざまな素材を見てとても勉強になったと思う。 写真に写っているのは砂である。砂?そんなもの違いがあるのと思うだろうが

          土のソムリエ、と呼ばれる人がいる。

          サイクリストのカフェ「ガラチコ」

          今日は相模原市に作ったカフェ「ガラチコ」さんにてチルチンびとの撮影に立ち合いをした。このカフェはサイクリングや高尾山周辺のハイキングを楽しむ方々に向けたもので、宿泊や食事を楽しむことができる拠点となる建築だ。主催するのは元々はサラリーマンをしていたAさんご夫妻で、とてもエネルギッシュなお二人だ。建築に当たっては土地の造成工事までもをセルフビルドで行った。つまりは工作機械の運転まで自分自身で行ってしまったという強者であるのだ。もちろん他にもたくさんある。外壁の焼杉を貼ったり、内

          サイクリストのカフェ「ガラチコ」

          どんなことがあってもこの国は僕たちが描く未来以上にもならないから、常に明るい未来を夢見続けなければいけないと思う。

          今日は衆議院議員の穂坂泰さんが会社を訪れてくれた。穂坂さんとは2012年に地域の異なる同じ団体で長を務めた関係でお知り合いとなったわけだが、同じ年代の人間が国のために真剣に汗を流している姿というのはなんとも嬉しい限りである。僕たちはすでに49歳になった。この国の子供達の未来を作る間違いなく責任世代だ。どんなことがあってもこの国は僕たちが描く未来以上にもならないから、常に明るい未来を夢見続けなければいけないと思う。 哲学者トゥインビーの言葉を大切に生きている。 ・理想を失った

          どんなことがあってもこの国は僕たちが描く未来以上にもならないから、常に明るい未来を夢見続けなければいけないと思う。

          今日は暮らしを楽しむ作り場にて初めての茶事を開催した

          今日は暮らしを楽しむ作り場にて初めての茶事を開催した。この場所はますいいの家づくりのモデルケースを実演した場所である。自然素材の家づくりということでベニヤ板などの建材を一歳使用しないで作ったことや、左官へのこだわりということで本漆喰や木ずり土壁の家づくりをしていることが特徴であるが、プラン的には1階のL DKに並んで茶室を設ていることが大きい。茶室を作ったのは僕の茶道の活動の拠点になれば良いという思いである。茶道の活動で最も基本となるのが茶事、今日はその茶事を初めてこの場所で

          今日は暮らしを楽しむ作り場にて初めての茶事を開催した

          学芸、信仰、芸術などに感興を失わず情熱を抱き続ける老人こそ不老の人であり、実は最も幸せな生き方であるような気がするのである

          師匠の石山修武先生に電話をしたら、取り組んでいる事業に関して情熱を持ってお話ししていただいた。大学を退官してすでに8年が経とうか。高齢者であるが、心は青春そのもの、とても刺激をいただいた。 知人から送られてくる便りによると、2022 年における 65 歳以上の就業者数が 912 万人(2021 年比3万人 増)となり、1968 年以降で最多となったそうだ。また、高齢者の就業率(65 歳以上人口に 占める就業者の割合)は 25.2%となり、前年に比べ 0.1 ポイント上昇した

          学芸、信仰、芸術などに感興を失わず情熱を抱き続ける老人こそ不老の人であり、実は最も幸せな生き方であるような気がするのである

          1000万円で家を作るという挑戦をした人の話をしよう

          1000万円で家を作るという挑戦をした人の話をしよう。この方は東京都で初めて新規就農者として認められたという人なのだが、ある時会社に1000万円で家を作ることができないかという問い合わせがあったのが初めての出会いであった。農家として作業をしているご両親はいつも広大な敷地で作業しているが、お子様たちは小さな公団のようなところでお留守番。ふとこの状況に疑問を持ったお子さんにどうしてお父さんたちはいつも広いところにいるのに私たちの家はこんなに狭いのと聞かれ、それなら家を作ろうと考え

          1000万円で家を作るという挑戦をした人の話をしよう