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ミスチルが聴こえる(短編小説)

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Mr.Childrenの曲を聴いて浮かんだ小説を創作します。 ※歌詞の世界観をそのまま小説にするわけではありません。
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#過去

しるし(短編小説『ミスチルが聴こえる』)

しるし(短編小説『ミスチルが聴こえる』)

 初めて食べた君の手料理。ポテトサラダ。イモ感強めで、きゅうりとハムが入っている。
 初めて君と出掛けた場所。水族館。君は様々な魚の中で、クラゲをじっと見ていた。クラゲを見ていると不確定な未来でも大丈夫だって思えるの。僕には理解できなかったが、君はそんなことを言っていた。
 初めて君と喧嘩した日。些細なこと。僕が苛立っていたからつい言い返してしまった。全部僕が悪かった。だから翌日きちんと謝った。誠

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タイムマシーンに乗って(短編小説『ミスチルが聴こえる』)

タイムマシーンに乗って(短編小説『ミスチルが聴こえる』)

 豪快なエンジン音と共に、僕は光の中を走っている。眩しくて裸眼では目が開けないから、分厚いゴーグルを装着している。
「まるで星になった気分だよ」
 隣に乗っているエイジは語尾を弾ませ、光の世界を楽しんでいるようだ。
「どういう仕組みなんだい?」
「それは俺にもわからない。ただ一つだけ言えることは、このマシーンに乗れば過去にも未来にも行けるってことくらいだ」
「もはや、現代科学では説明できない代物だ

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