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インディーズバンドでの活動を経て、生活期リハビリテーションで10年の作業療法士。発想力…

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インディーズバンドでの活動を経て、生活期リハビリテーションで10年の作業療法士。発想力は誰にも負けない。アイデアが湧き出る音が煩くて夜も眠れない。この経験と現場で得た生きたニーズと湧き出るアイデアを役立てようと思う。新しいテクノロジーを本当に使えるものとして社会実装させよう。

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  • リハビリテーション思考

    リハビリテーション思考を様々な事柄に応用する

最近の記事

メタバースでのバリアフリー

疑似現実と仮想現実 疑似現実は本物のコピーで仮想現実は想像の世界。 たまに鉛筆で書いた写真みたいな絵とか見るけど、それって写真でいいんじゃないかなって思う。 せっかくなら現実ではありえない景色なのにまるで写真みたいな方が価値があると思う。現実とは違うから意味があるんじゃない。 現実世界では、元のバリアだらけの状態から少しずつバリアフリー化してきたから、実用性に乏しいものも多い。 これからデザインされるメタバースのバリアフリーはどうか。 高齢者も障がい者も置いてけぼりにな

    • メタバースが実装された場合の社会課題予想

      メタバースが社会実装されて、自宅に居ながらにして仕事をしたり遊んだりする人が増えた場合、社会的に問題になるのは身体機能低下だと思う。 間違いなく運動量は低下する。 のめり込みすぎて、気が付いたらトイレに行こうとしてふらついたり、お風呂で転んで骨折したりと、まるで今の高齢者の問題が若年層に起こるようになるのではないか。 ジムに通ったり適度に運動すりゃいいんだけど、きっとやらないもんね。 Tarzanなんかで「まだ間に合う、アバターに負けないカラダづくり」なんて特集組まれたり

      • フレイル予防に必要なこと

        フレイルとは、健康と要介護状態の中間の虚弱状態のこと。 原因は身体的、精神・心理的、社会的な要素があるといわれている。 身体的は【低栄養、口腔機能、運動器障害(筋、骨、関節)など】 精神・心理的は【認知機能低下、うつなど】 社会的は【孤立、孤食、閉じこもりなど】 運動機能が落ちると外出が億劫になって、適当に食事を済ませて、うつうつと家に閉じこもりがちになる。社会とのつながりが希薄になって刺激のない生活で認知機能が低下。こんな生活が続くと更に運動機能が落ちて・・・という具合

        • 介護業界×テクノロジーで何をするのか

          介護テクノロジー関連企業について検索してみて気づいたこと。 介護記録、見守りセンサー、職員間のコミュニケーションとか、職員の業務負担を軽減させるものがほとんどだということ。 それで介護の人手不足の解消を狙っているけど、そこなのかい? 視点が違う 利用者を良くするテクノロジーはないのか? 主役は職員じゃなくて利用者だ。 誰のための介護なのさ。 これからは介護業界だ! 目下の課題は人手不足だ! ってなるんだろうな。 テクノロジー分野の人は介護分野の素人だもんね。 利用者

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          高齢者施設に閉じ込めない方法

          身体的な課題や介護負担はテクノロジーでなんとかなる気がする。 でも認知症の問題はなかなか難しいと思う。 センサーとかコミュニケーションロボットとかで、今よりも楽になるかもしれないけど、それは家や施設の中で何とかしようとする作戦ですよね。 認知症になると、ちょっと外に出るだけで徘徊とか離設とか言われちゃう。 一人にしておくと危ないからって施設に閉じ込めちゃう。 その反面、認知症を自分事と捉えて地域社会で見守っていきましょう!みたいな運動もある。 それが上手くいかないから施

          高齢者施設に閉じ込めない方法

          これからの医療従事者に必要なスキルを考察する

          近い将来、診断はAIがするようになるらしい。圧倒的なデータ分析で症状から考えられる疾患を割り出して、薬も処方してくれる。 そうなると医師をはじめとした医療従事者の役割はどうなるのか。 病気のことがちゃんと伝わっていない 生活期のリハビリテーション現場で感じることは、利用者も家族も自分の疾患の事や予後について全然知らないということ。 片麻痺も認知症もパーキンソン病も、運動をすれば良くなると思っている人が多い。 麻痺が残存することや、進行する病気であることをちゃんと伝えな

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          量ではなく質をデータ化するテクノロジー

          加齢や疾患で歩行に問題が生じた時に、歩いている様子をカメラで撮ると、AIがその人の現時点での最適な歩行を再現した動画を作成してくれる。 さらにどこの筋をどのタイミングで程度使って歩いているのかが表示される。それも再現された最適な歩行と比較ができる。 そうすることで、より具体的に歩行練習でのアドバイスが可能となり、体に負担の少ない現状で最適な歩行を目指すことができる。 みたいな技術はもう間もなく登場するんじゃないかな。 今までは歩行の速度や距離を計ったり、筋力や関節の動

          量ではなく質をデータ化するテクノロジー

          「多様性を受け入れる」というインクルーシブ社会へ

          落合氏は「障がい」を「身体の多様性」と呼ぶようにしているとのこと。 上記の引用部分を読んで、「障がい者が障害受容をするには、社会が障がいを受容することが不可欠」というこの論文と同じ議論だと思った。 自分も今までは障がい者本人に対して、障害受容を含めてリハビリテーションアプローチを行ってきた。最近になってリハビリテーション思考を社会に広めて、障がい者が住みやすい社会にするソーシャルイノベーションを起こせないかと考えるようになった。 リハビリテーションの職域をさらに広げるこ

          「多様性を受け入れる」というインクルーシブ社会へ

          仮想現実での未来体験が介護予防になる

          若いうちから老後の事を考えた方が良い。 そりゃそうだけど、普通は考えられないですよね。 山登り、ゴルフ、マラソン、自転車、旅行、ドライブ・・・ 多趣味なのはいいけど、歳をとったりなんらかの病気になったらどれも満足に出来なくなる可能性が高い。 だから若いうちに、机上の趣味も作っておいた方がよいと最近思う。 仮想現実で自分の未来を体験してみる 運動をした方がいいとか、お酒を控えた方がいいとか、 いろいろ言われても、簡単には改善できない。 言葉や数値で未来予想を伝えられても

          仮想現実での未来体験が介護予防になる

          医療従事者の「もう少し良くなります」とクライアントの「良くなる」の感覚の違い

          例えば脳梗塞片麻痺の場合、回復は6ケ月がプラトーと言われている。例外はあれど、一般的には6ケ月を過ぎると著しい回復はなかなか見込めないのが現実。 すでに発症から数年経っているクライアントにPTやOTが「もう少し良くなると思いますよ」と伝える事って良くある。 この時の”もう少し良くなる”というのは、『硬くなった足首の関節が、ストレッチを継続することで数センチ可動域が広がり、今よりも若干動かしやすくなると思います』のレベル。 だけどクライアントの”良くなる”は「元の状態にな

          医療従事者の「もう少し良くなります」とクライアントの「良くなる」の感覚の違い

          難病患者を救うのはIPSだけじゃない、テクノロジーでの自立支援にも期待しよう

          リハビリテーションの本来の意味は「再び適した状態になる」です。 つまり「社会復帰のための最適化」 先日リハビリテーション会議で、難病の利用者が「IPS細胞で病気が治せるようになるまでは、何としても生きたい」と仰っていた。 ほとんどのADLが一人では行えない状態。家族が何とか介護をしてる。 家族は「もちろん本人の希望を叶えられるように頑張りたいと思うけど、現実を考えるとこのままでは難しい・・・」と。 家族の介護力にも限界があり、使えるサービスも限られている。 金銭的なとこ

          難病患者を救うのはIPSだけじゃない、テクノロジーでの自立支援にも期待しよう

          テクノロジーは障がい者を救えるが、障がい者を生み出す可能性もある

          段差とか階段とか見つけやすいバリアの他にスピードのバリアがある 信号付きの横断歩道は制限時間内に渡りきらなければならないし エスカレーターは完全にあっちのペースで乗り降りしなければならない 社会のスピードに合わないことによる障がいは結構ある それも新しいテクノロジーで解決できる未来はすぐにやってくると思う でも、そこにまた一つスピードの障がいが生まれる テクノロジーは日進月歩だが 人の気持ちはそんなに早く変えられない スマホにしたって高齢者はいまだにガラケーを持って

          テクノロジーは障がい者を救えるが、障がい者を生み出す可能性もある

          日中の風呂屋を介護事業に活用できたらいいよね。

          以前ラウンジ特化型デイサービスを作ったらいいよねって記事を書いた。かっこつけて一日を優雅に過ごすことに特化したデイサービス。 さらにカフェが併設されてるから老人施設感はゼロ。カフェの店員の若い子たちとも仲良くなった。 そんな素敵なデイサービスを構想していると、通所サービスの利用で高いニーズのある入浴はどうする?ってことになる。 お風呂を作るとなると、スペースや金銭面となにかと大変だ。 餅は餅屋、風呂は風呂屋。 そこで「商店街の風呂屋をデイサービスの浴室にする」というのは

          日中の風呂屋を介護事業に活用できたらいいよね。

          健常者は便利なものを使いたがるのに、障がい者は使いたがらない

          健常者ほどなるべく体を使わずに楽をしようとする 階段じゃなくてエスカレーターを選んだり ちょっとそこまで電動キックボード使ってみたり 障がい者ほど自分の体でやりたがる 車いすより杖、杖よりフリーハンド 電動車いすは使いたくないとか ぜったいにそっちの方が安全で楽なのに リスクがあろうと大変だろうと時間がかかとうと 自分の体を使うことにこだわる 使っていないと機能が落ちるかもしれない不安もあるけど まわりの目が気になるってのが大きいように思う ”障がいは社会の中にある”

          健常者は便利なものを使いたがるのに、障がい者は使いたがらない

          ケアが余計なお節介にならないように

          「困っていそうだから手伝ってあげなきゃ」ってするケアは必要ない。 だってそれは自分目線のケアです。大きなお世話です。 大事なのは「される側」目線。 「される側」どう思っているのか聞いてみると ほとんどの方が「一人でやりたい」と思ってる 時間がかかっても、上手くできなくても とにかく自分でやりたいと思っている 手伝って欲しくない 人の手を煩わせたくない だから必要なところだけを介護することが大切 何が必要かをちゃんと聞けること そして気づけることが大事 いかに介助され

          ケアが余計なお節介にならないように

          必要なのは一周回って第三者。介護業界で働くための寄り添い術。

          「落合陽一34歳、「老い」と向き合う 超高齢社会における新しい成長」を読んでの感想その2。 序章が養老孟司氏との対談になってるんだけど、その中で『介護はきわめて「二人称」的』という話があった。 それは介護の外側の感覚だと僕は思った。 介護される人を「一人称」とすると 自分と親しい人を介護するは「二人称」 赤の他人を介護するが「三人称」 だとしたら、プロの介護はどれか。 僕は、「一人称」をしっかり想像できる「二人称」的関係性を持った「三人称」だと思うんです。 介護士に専

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