Massteryを運営しているフォルシアについてご紹介します！ 商社・メーカー編#2

お読みいただきありがとうございます。高速検索の会社、フォルシア株式会社でデータクレンジングツールMassteryの開発を担当している伊藤です。

本記事は、以下の記事の続編です。

 Massteryを運営するフォルシアの強みである「膨大かつ複雑なデータの高速検索」について、商社・メーカー様のECサイトでの導入事例に焦点をあてて、より詳しくご紹介させていただきます。

主なお客様

一口に商社・メーカーといっても様々な業界がありますが、フォルシアのお客様は、主にMRO・部品・工具・試薬・理化学機器・医療機器など、商品数が多く、専門性が高い分野のお客様が中心です。まさにフォルシアが得意とする「膨大かつ複雑」な検索をECサイトで必要とされるお客様です。

※表記の便宜上、以降では、上記の業界を代表的に「MRO業界」と呼びます。

 MRO業界の商品の特徴は、とにかく商品の数と種類が多いことです。その中で「ユーザがECサイト上で求める商品にたどり着きやすくする」ためには、単純な検索機能だけでは不足があり、高度な検索機能が求められます。

 以下では、MRO業界の商品検索の特徴とノウハウについて、ご紹介します。

MRO業界で求められる、高度な商品検索機能

シリーズものの類似商品を、まとめて検索

MROでは商品の数と種類が多いとお伝えしましたが、とくに、同種商品のサイズ・容量・材質・色ちがいがたくさん存在します。ネジを思い浮かべていただくとわかりやすいですが、同種のネジの「20本入と10本入」「長さ9cm, 11cm, 14cm, …」といった入数・規格違いを、メーカーでシリーズものとしてまとめて展開販売していることも多いです（以下、シリーズ品と呼びます）。

 このとき、ありとあらゆるメーカーの膨大なネジの検索結果をただそのまま表示すると、ユーザは所望のネジにたどりつくのが大変です。検索結果数が多すぎますし、最初のネジと2番目のネジがどう違うのか、目を凝らして判断するのも大変です。

 この問題を解消するために、シリーズ品は結果をシリーズ単位で表示するということを行います。まずシリーズ品（＝商品数より少なくて済む）を選び、そのあとシリーズ品の中での差異を比較して必要な商品を探しだすフローにすることで、ECサイトのユーザが商品を探しやすくします。

商品分野ごとに異なる商品スペックで検索

シリーズ単位で表示したとしても、それでも膨大な数の商品が存在します。検索結果を所望の条件を満たす商品だけに絞り込むためには、「商品スペックによる検索」機能があると便利です。

 商品スペックとは、たとえばドライバーであれば「先端の形状（プラス／マイナス／六角）」、ネジやボルトであれば「穴の形状・材質・長さ・直径」といった、商品を特徴づける属性のことです。

 商品スペックで検索できることで、商品の説明に目をこらさなくても、所望の条件（たとえば、穴の形状が十字、材質が木、長さが5cm、直径5mmのネジ）にあてはまる商品があるかどうか・どれなのかを素早く判断できます。また、初めてその商品を買う人や、その商品分野に精通していない人でも、必要な商品を探しやすくなります。

 ただMRO商品でポイントとなるのは、さきほど例にあげたドライバーとネジのように、商品分野ごとに商品が持つスペックが異なり、さらにそれが膨大であるということです。

- ドライバー、ネジ、その他ありとあらゆる商品それぞれについて、指定可能なスペックはどうするのか
-  多数の商品スペックを検索画面上でどのように見せるのか
-  多数の商品スペックを商品データ上でどのように管理するのか

こういった工夫やプロセスが求められます。

セミオーダータイプの商品の検索

セミオーダータイプの商品（切削加工品など）も、ECサイト上で販売されます。

 ユーザーが加工内容を指定して購入しますが、指定可能な加工には制約があります。たとえば棒状の金属であれば「長さをNmm以上にするのであれば、太さはMmm以上でなければならない」といった、強度や加工作業にあたっての制約（禁則条件）が存在します。棒状の金属であればシンプルですが、もっと複雑な構造を持つ商品も存在します。

 フォルシアでは、「長さをNmmに指定したら、太さはMmm, M+1mm, M+2mmから選べるように」といったように、「発注可能な選択肢だけを指定可能にする」検索機能にも対応しています。

 指定可能な範囲が「検索される（自動的に絞り込まれる）」ことで、ユーザや発注を受けた人が「注文された寸法が制約を満たしているか」をチェックする必要がなくなります。とくにユーザは、直観的に注文内容を指定することができます。

会員ごとの価格の出し分けに対応

定期的にたくさんの商品を購入してくれる得意先のお客さんには、お得な価格で商品を販売したいものです。MRO業界では、得意先かどうかによって、取引価格を変更するということがあります。

 たとえば「ランクAの得意先にはランクBの得意先の90%の価格で販売する」というように、割合が一律であれば料金の計算はシンプルですが、この割合が商品種別によって異なったり、といったこともあります。

この料金設定の粒度が細かいほど、料金データのレコード数が多くなり、検索としては複雑・大量になっていきますが、フォルシアではこのような料金タイプに対応させていただいた事例がたくさんあります。

さいごに

商品の数と種類が膨大なMRO業界の商品検索の特徴とノウハウについてご紹介してきました。

 高度な検索機能の背景には、ECサイトのための「商品データ整備」のプロセスが存在しています。その内容と重要性については以下の記事で解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

私達がご提供している製品「Masstery（マスタリー）」は、 多くの人手が必要だったデータ整備を自動化する画期的なデータクレンジングツールです。フォーマットの統一、カテゴリーの自動分類、独自の変換、差分情報の取得等、データ整備に必要なあらゆる機能をご提供しています。
Masstery 公式サイト：https://mstr.forcia.com/(データクレンジング)　
フォルシア株式会社 企業サイト：https://www.forcia.com/ (高速検索）

Masstery