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雨は“悪い天気”じゃない

今朝、雨の音で目が覚めた。

「ああ、今日は雨か…。」

雨だと分かった途端、私は必ずと言っていいほど毎回こう呟いている。


雨の音が好きだ。
夜、枕元にBGMとして雨の音を聞きながら寝ていた時期もあったくらいに。

ただし、台風の時のような強風と共に降る土砂降りの雨はあまり心地よい音には感じない。むしろ、心がザワザワ、ドキドキしてしまう。


雨の日を、“天気が悪い日”と呼ぶようになったのはいつ頃からだろう。

そんなことをふと思い…
果たして私は、雨の日のことが好きなのか、嫌いなのか。
考えてみると、よくわからなくなった。
…というわけで、書き出してみよう。

雨の日の嫌いなところ。


太陽の光が優しすぎる。
外出時、濡れる。
足元が汚れる。
服装に悩む。
頭痛がやってくる。
湿度が高く、ジメジメ。
髪の毛が意思を持ち始める。
朝日、夕陽、月が見られない。

雨の日の好きなところ。


傘をさす楽しみ。
窓に当たる雨の音が楽しい。
傘に当たる雨の音も楽しい。
雨の匂いを楽しめる。
室内から窓越しに見る、雨降る景色。
雨が止み、晴れた瞬間が美しい。
“虹”が見られるかもしれない。
“天使の梯子”が見られるかもしれない。


…こんなところかな。
予想以上に、好きなところが出てきたことに驚いている。

雨の日が好きだった


小学生の頃までは、雨のことが全く嫌いではなかった。もはや、天気のことなど、遠足や運動会の時以外、気にしたことがなかったのだ。

「今日の天気は雨か!」程度にしか思っていなかった。

レインブーツを履くのが楽しみで、
水たまりで遊ぶのが好きで、
自ら、雨に打たれるのが好きで、
お気に入りの傘を持って出かけるのも好きだった。
学校で“黄色い傘”という指定があったため、雑貨屋で初めて自分の好きな色とデザインの傘を買った時には、とても嬉しかったのを今でも覚えている。

どちらかといえば、雨の日が好きだったように思う。

台風の日でさえ、強風によって傘をひっくり返されながら、果敢に風に挑んでいた。

“天気が悪い日”と呼ぶようになったきっかけは忘れてしまったけれど、
雨の日に、自分に起こる不都合な出来事が重なり、いつからか、雨の日をあまり好まないようになってしまったのかもしれない。

中でも、頭痛や、服装、髪の毛など。
おそらく、日常生活に支障をきたす出来事や、仕事や人に会うときなど…休めない、絶対に行かなければならない場面で、雨によってうまく行かない出来事が起きていた。そういったことが積み重なって、雨の日に対して「今日は、雨か…。」と、テンションが下がってしまうようになったのだろう。


しかし、今、改めて雨の日について考えたとき。

雨の日の好きなところもたくさんあることに改めて気づいた。

嫌いなところもあるけれど、
好きなところもある。

ならば、好きなところもしっかり見つめて、
また、小学生の頃のように
雨を楽しんで行きたいなと思った。
雨の日に毎回落ち込んでいるよりも、雨の日には雨の日の楽しみ方があるはずだ。

今はレインブーツの種類が豊富で、パンプスや、可愛らしいヒモ履仕様のものもある。
傘も服装に合わせて選んだり、
部屋の中から雨が降る様子をただぼーっと眺める時間も良いな。
少し、ワクワクしてきた。

おそらく、今挙げた以外にも、雨の好きなところはたくさん見つかる。
それを探していたら、もはや“悪い天気”じゃなく、“良い天気”のように思えてくるような気がする。

天気が“悪い”のではない。
“雨が降っている”だけだ。

曇りの日は、曇り。
晴れの日は、晴れ。
雨の日は、雨。

良いも悪いも、ない。
そういう天気、なだけで。

“悪い”と呼び続けていたために、雨による都合の悪い出来事ばかりが頭を埋めつくし、雨のことを“嫌い”だと思ってしまっていた。


晴れている日はもちろん気持ちがいい。

しかし、雨の日があるからこそ、
晴れの日が気持ちよく感じられること。

雨が降る雲があるからこそ、
雲の切れ間に光が刺したら美しいこと。
空に虹がかかること。
忘れないように、思い出すようにしてみようと思った。

台風のような強風や雷の音などは苦手だけれど、
シトシトと、静かに降る雨の日は、そこまで嫌いじゃない。

しかし、体調や髪の毛に影響があることには変わりないので、
私にとっては、そこそこ“良い天気”である。

私は今日、
嫌いなものがひとつ、減った。
好きなものがひとつ、増えた。


2023.11.10


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