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【私信】私との対話

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自己分析・思考の整理のために書かれた私の話。
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#考え事

輪郭のない世界

ぽたぽたと音がして気付いた。雨が降っている。
雨自体は思っていたよりしっかり降っていて、ベランダが濃い色に染まっていた。梅雨が来る。

ベランダの窓に目隠しシートを貼った。
雑貨屋で買った刺繍入りのレースカーテンは、気に入っているものの薄さが問題だった。二枚重ねて使っているものの、外の景色がぼんやりとわかる。布の性質上、伸び縮みもしやすい。結果、閉めても隙間ができる。そんな理由で、カーテンを開ける

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違う人間だから

百聞は一見にしかずと言うけど。
本当にそうだと思った。

私が知っていると思っていたことは、
知るに留まったままで、理解しているとは言えない。
そして更に、見ただけでは経験をしたとも言えない。
なんて未熟な人間だろう。

自分を律していたいけど、周りにはノイズも多い。
先入観や立場というのは、人の本質を見失いがちになる。
人から与えられた責任や肩書きというものはとても目立つ。
私がどんなに白い布を

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願いとしぬこと

どんなに切に願いを持って掲げていても、その手に力が入らなくなり、涙が視界を覆い、自分の無力さに打ちのめされる。そんなことが人生で幾度となく訪れ、その度に私は歯を食いしばりながら道端で立ち尽くしてしまう。早く家に帰らなきゃ。

自分が持つ信念や願い、希望をどんなに口で語ったとしても、それはいつかへの期待であって、現実を生きているだけでは叶わないこともある。それに伴う行動や意思表示や、常にそれを忘れな

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内にあるもの、記憶と痛み

記憶とは厄介なものだ。
忘れたくないことほど零れ落ち、忘れたいことほどこびり付いて離れない。
時間が経てば薄れるはずのことも、なぜか体の中が痛むほどまでに。

たった今、私の目の前にいてくれる人が、直接耳の鼓膜を震わせ言葉を伝えているというのに。勝手に記憶から呼び起こされた過去の誰かの言葉が、私の脳内を駆け巡りキレイに掻き消してしまうのだ。

そのうち気にならなくなるよ。
自信がつけばどうってこと

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