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苦しかったときの話をしようか
今日は最近読了した中でとても良かった本を紹介する。
森岡毅さんの「苦しかったときの話をしようか」である。
ビジネス書なのだが、何度か泣いた。
まさかのビジネス書で泣いた。
ビジネス書と言いつつも、これは父から娘へ送る愛情のこもった手紙だ。
まず、この本の対象は就活や転職をはじめとしてキャリアに悩む人向けだ。
これは基本的に就活が始まる森岡さんの長女のことを指している。
しかし、とっくに社会人になっているのにも関わらず、自分の仕事や人生について真剣に考えてこなかったわたしのような人生の迷い人にも刺さる内容になっている。
具体的にどうやって自分の適職を見つけていくかという話が森岡さん自身の経験をもとに娘さん宛にわかりやすくまとめられている。
正直なところ、森岡さんは頭が良いのでやはり凡人ではなく何か大きなことを成し遂げるタイプの人だ。
ただ、頭が良いと思うポイントは勉強ができるとかそういう話ではない。
この人は自分を正しく分析して、足りないものに気付き、軌道を修正し、どうすればうまくいくかを考えて実行に移すことができる。
本の内容的に子どもの頃からこれができるタイプの人なので、本当に頭が良い人だと思う。
凡人は違和感に気付けず、長いものに巻かれ、淘汰されていく。だから森岡さんのような人からアドバイスをもらうことで、気付く習慣を身につけて淘汰されない工夫をしていかなければならない。そんなことを思った。
けれどもこの本には森岡さんの苦しい経験や、娘さんの大変な話がちらほら出てくる。
わたしはこれまでの社会人経験の中で辛かったことを森岡さんの経験談に重ねてしまい、深く胸が傷んだ。また、仕事の規模が違っても人が悩むポイントは変わらないことを知った。
幼少期の娘さん自身のエピソードにも共感するポイントが多かった。その時の父親としての森岡さんの心境が綴られているのだが、わたしも幼少期に似たような経験をし、父から同じようなことを言われたのを思い出して泣いた。
わたしの父は森岡さんほどエネルギッシュではないが、考え方や言葉選びが似ている気がした。
また、娘さんと共通点がいくつかあり、本当に父親からアドバイスされているように錯覚しながら読んだ。
わたしは社会人になってから仕事の相談は父にしている。
具体的な仕事の話というより、主に愚痴だ。
最近仕事がうまくいかないとか、上司にこんなことを言われて凹んだとか、そんな話だ。
父と私の職種は全く違うので、100%分かり合えないこともあるが、わたしは父に相談する。毎回すごく役立つアドバイスをもらえるわけじゃないけど、最終的に「君なら大丈夫だよ」と送り出してくれるからだ。
今回の森岡さんの本にも「君は大丈夫だ!」という魔法の言葉が沢山登場する。
きっとこれはお父さん特有の安心感という魔力なのかもしれない。
今、仕事がうまくいかないなと思っている人は一度読んでみてほしい。
小説や手紙のようにスラスラと読めてしまうので、ビジネス書だからと敬遠せずに読んでみてほしい。
多分読み終わる頃には、ビジネス書を読んでいたことを忘れていると思う。
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