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「企業変革のジレンマ」を読んでイイ感じでモヤモヤしました

「他者と働く」「組織が変わる」に続く宇田川先生の著書3冊目を読了。
内容のサマリっぽくまとめようと思ったのですが、既に色々な方がとてもわかりやすくまとめているので、今回はベースとなる考え方の部分のみシンブルに図表化するだけにして、内容を踏まえて日常の業務に関連しそうなこと、感じたことをつらつらと書くことにしました。 (トップ画像はcopilotにて作成)

ますは著書の中で示されていたベースとなる考え方(3つ)

企業経営、特に組織運営を進めていく上で、HRとして意識しておくべき点

  • 人によって同じ事象を見ても認知が違う、前提が違う。

  • 問題は複雑に絡み合っている。

  • 変革する側、される側の構図になった瞬間にゲームオーバー。

  • コーポレート部門は事業部門が本当に困っていることに気づいていない(ことが多い)。

  • エンゲージメントを高めよう、といったきれいごとだけでは現場は動かないし、ドライブされない。

  • そもそも課題が何かがわからない。でもなんか問題が起きている気がするし、それが起きている兆候を感じるときもある。

  • だからといってほっておくと「慢性疾患」のような状況になり、最悪何かがトリガーで合併症に繋がる恐れもある。

  • 一方で、経営は問題を単純化しがち(特に人や組織の問題)。そしてそれを一つの方法で解決できると思いがち。

なお、最も印象的だったくだりは、"「ケア」の反対語は「選択」"という部分。
どういうことかというと、例えば、目の前に困っている人がいたとして、その人をケアするつもりで、解決の選択肢を与えた時点で、それはケアではなくなるということ。ケアとはその人にとって今一番必要なことを一緒に考える、という視点が本当のケアであるということ。
HRが現場とのかかわりの中でやってしまいがちなことだなーとドキッとした内容でした。

やや飛躍しすぎかもですが、少し前に読んだ「不正はいつも正しい」の内容(一人ひとりは自分の中の正義に従い行動しているのに、それが組織という枠組みに入ったことで、時に外部からは「不正」というものに変化?してしまうこともある)を想起させる点も多かったです。

HRとして何かできるか

ここまでは単なる感想なので、じゃあHRとして何ができるのか?何をすべきなのか?が一番大事なのですが、私自身、具体的にHRとして何ができるか、これまでの取り組みとして何を変えていくべきか、という点がまだまだクリアにイメージできていないというのが正直なところです。

複雑性の中での問題(適応課題)の解決のキーとなるのは「対話」であるということは、改めて宇田川先生の著書を読んでひしひしと感じたことなのですが、単に経営や現場との「対話」を増やせばいい、といった単純な話ではないとも思っています。
一方で、今置かれている自分自身の役割にもまさにフィットしている問いなので、簡単に何かの解決策に飛びつくのではなく、あせらずにじっくり今の状況の本質を常に向き合っていくべきことを意識させてくれた内容でした。
「変革に取り組んでますよー」というHRのアリバイ作りではない、地に足をつけた企業変革を進めていくためには、もしかするとこのモヤモヤ感がまさにこの本の伝えたいことなのかなとも思ったりもしています。

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