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認知科学コーチングの理論をご紹介

はじめに

こんにちは、南日です。
今回は、私が実施するコーチングはどういうことをするの?ということを説明していきます。

これまでに2つ、志に関する記事を書きました。

こうした志(コーチングではゴールと言います)をコーチからどのように見ているの?ということで記事をまとめてみました。

本記事について

認知科学をベースにしたコーチングセッションって何をしていくの?という全体感と、認知科学の基本的な考え方を理解できると思います。

認知科学のコーチングは再現性が高いため、コーチングのセッションをすることへの活用は勿論ですが、コーポレート全体が組織のミッションに対して向かっていくために、組織のメンタルモデルを作りこんでいくことにも活用ができたりします。

※よく皆さんが耳にする「答えはあなたの中にある」という共感系のスタイルではありません

では、以下興味がある方は是非とも!

コーチングとは?

みなさんは、コーチングとはどのようなものだと考えていますか?

多くの人がまず想像するのは「スポーツコーチ」です。

甲子園に出るため何をしたらいいのか、レギュラー獲得をするために何をすべきなのか、時には厳しくも寄り添ってくれる存在ですよね。

そのために必要なスキルやノウハウ等の方法論を教えてくれます。時には競合の情報も教えてくれます。今回はこうした方法論を提供するものではありません。

もう1つ想像されるものがあります。それがコンサルタントです(前職では、私は経営コンサルタントをしていました)。

コンサルタントは経験や知識・スキルを貸し出してくれるものです(クライアントの代わりにやってくれる)。これも、今回提供していくものとは異なります。

今回のコーチは、あなた自身が人生において心から実現したい目的地(コーチングではゴールと言います)に連れていくために「認知科学をベースにしたマインドの上手な使い方」をお渡ししていく役割を担っていきます

科学に基づいているため再現性があり、誰にでも適用が可能なものです。

コーチングを受ける人は目的地があることが大前提です・・・!でも安心してください。目的地が無い場合は、一緒に考えていくのもコーチの役割なのです!

ただ、目的地そのものは自分自身で決めるものであり、コーチが創るものではありません。人から与えられた目的地では、心からやりたいことには繋がらないからです。

本記事では、マインドにおける理論を理解してもらいたいたいので、根拠となる大事な5つの言葉をご紹介していきます!

1)ゴールに必要な3つの条件

目的地・ゴールを設定することが大切だと話しました。最初にゴールの定義についてご紹介をします。今の段階では「なるほど、こういう条件があるんだね」と、概念として理解ができれば大丈夫です。

大きく3つの条件があります。

1つ目が「本音のwant toと紐付いていること」、
2つ目が「現状の外であること」、
そして3つ目が「複数の領域で設定すること」

1つずつ説明していきます。

└①本音の"want to"で設定する

本音の本音で、やりたい!と思うことってありますか?誰かの期待に応える!とかそういう話ではなく、本当に自分がやりたいことです。

社会人を10年とか20年やっていると、会社からの期待が自分のやりたいことになっているケースが非常に多いと感じています。

誰しもが恋をしたことがありますよね?その時は自分のハートドリブンで、本音の好きと言う気持ちがあったはずです。これに他人軸とかないですよね。イメージ的にはゴールに恋ができますか?ということです。

自分が心からやりたいことでゴールを設定することが必要不可欠、と理解をしてください!

これを一人で考えていくのは最初は難しいかもしれません。セッションでワークをしていきますので、じっくりと考えていきましょう!

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(図1:本音のWant toでやろう)

└②現状の外側のゴール

続いては現状の外、という考え方です。本コーチングでは「現在の状態のままいけば十分に起こりうると予測される未来」は、現状としています。

例えば社会人10年目くらいの人が、「年収を800万円→1,000万円にする」、「新規事業を成功させて取締役になる」といった類は全て現状です。

では、現状の外とはどういったものか?これはゴールを達成するためには既存のビジネスモデルや組織構造を変えないと達成ができないようなものです。

したがって、ゴール設定時点ではプロセスが全く見えないし、想像すると怖くなるものだし、周囲の人間が止めてくるようなやつです。

例えば、「事業開発として、不動産業界の常識を変え得る新規事業を創り業界シェアNo.1の事業を創る」、みたいな感じですね。

ゴールは過去の経験から考えるのではなく、未来に旗を立てるイメージで「作る」という感覚です(ゴールは「探す」ものではない)!

ただ、いきなり作れ!と言われても難しいので、一度ご自身で考えた上でコーチと一緒に作っていけると良いでしょう。

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(図2:現状の「外」でゴールを作ろう)

└③複数の領域で設定する

最後の条件が複数領域で設定する、ということです。仕事・趣味・人間関係・社会貢献・知性・家族・健康・ファイナンスと、8つの領域でゴールを作っていきます。

もちろん全ての領域で本音のwant to かつ現状の外側で設定をしていきます。

1つ1つの領域が少しずつ繋がってくるともっと面白い変化が起きてきますので楽しみにしていてください。

1つのゴールだけではその他の領域とうまくバランスが取れないことがあります。例えば、仕事が好きでめちゃくちゃ働いてしまい、健康や家族を犠牲にしてしまうなど、皆さんにも経験ありませんか?

こうなってしまうと、結果として仕事のゴールを邪魔してしまうこともあったりしますよね。これをコンフリクトと呼んでいます。だからこそすべての領域で作るのが大切です。

本コーチングで扱うゴールについて理解出来てきましたでしょうか?

少しずつで大丈夫です!実際はセッションでやっていきますので安心してください。

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(図3:オールライフで人生を変革していこう)

2)ゴールに対する謎の自信(エフィカシー)

次に、ゴールを達成していくために最も必要なものをお伝えします。それが「エフィカシー」です。

聞きなれない言葉かもしれませんが、エフィカシーとは「未来に対して自分であれば成し遂げる能力がある、という自己評価」のことであり、言い換えると根拠のない"謎の自信"のことです。

よく耳にするものとして「過去の実績や経験・スキルがないから私には難しい」といった、目線が過去にあるものです。この考え方は今この瞬間捨ててください!捨て去りましょう

なぜか?このコーチングでは未来のゴールを設定してもらうからです。先ほどの通り、未来のゴールはビジネスモデルや組織構造を変えないと達成しえないようなものです。

だからこそ「私なら出来そう」という”謎の自信が必要になってきます。

エフィカシーの事例を紹介します。例えば野球選手のイチローです。

イチローは小学生の頃から「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」と言っています。これがエフィカシーの高さです。当時ドラフト4位でオリックス入団でさほど注目をされている選手ではありませんでした。しかし、彼は結果的に日本人野手で初のメジャーリーガーに、そしてメジャーリーグで大活躍するまでの選手になりました。

ちなみにこのエフィカシーの高さは人にも伝播します。

彼が野手として日本人初のメジャーリーガーになると、新庄・松井・川崎と多くの野手がメジャーリーガーを目指すようにものあり、日本人の野手もメジャーリーガーを目指すようになります。

これをコレクティブ・エフィカシーと言ったりもしますが、集団として「私にはできる!」と未来に対して自信が湧いてくる状態です。

未知な世界に行くときに、自分の中で使えるリソースだけでは太刀打ちできないでしょう。でも、それでも出来る!と思えること。

これがエフィカシーが高い状態です。

ちなみに真逆の概念が「セルフエスティーム」です。これは「私は大企業の部長である!年収〇千万円である!」といった、過去から現在の自分の実績や能力に対する信頼で、日本語で言うと自己肯定感というものですね。

セルフエスティームは未来のことを指していないので、本コーチングではスコープ外の概念となります。

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(図4:未来の現状の外のゴールにはエフィカシーが必要)

3)未来への道筋は「無意識」に任せる

じゃあ次に、その現状の外のゴールはどうやってプロセス設計をしていくの?という話です。

結論を先にお伝えすると、自分の無意識に任せる(果報は寝て待て)!という話です。

人には「未来のゴールへの道筋が見える脳の仕組み」が備わっています。これをご説明していきます。※スピリチュアルではありません笑

人間の脳は、普通に過ごしていると大量の情報を知覚してしまい脳が処理できなくなってしまうのです。

そのため無意識の優先順位に従って、インプットすべき情報を脳が判断しています。この機能をRASと言います。

RAS(Reticular Activation System:脳幹網様体賦活系)というものは、脳幹に当たる部分で誰しもが保有している脳の機能です。

私たちは日常で様々な情報に触れていて、誰しもが無意識的に日常的にRASによって入ってくる情報を取捨選択しています。

(例えば・・・)
ランチするために街に出るとレストランが多く目に入り、宝石店などは目に入らなくなります。メルセデスを買う!を目標にすると、街中でメルセデスがたくさん飛び込んできます。

赤ちゃんを持つと、街中でやたら赤ちゃんが目に飛び込んできます。カクテルパーティー効果やカラーバス効果も実はRASが機能したからなんです!

逆に、RASによって情報が入ってこなくなる対象を「盲点」と言います。これをスコトーマと呼んだりもします。

元々は眼科医の医療専門用語です。先ほどのメルセデスの例でいうと、恐らくトヨタのプリウスは情報として入り難くなるためこれがスコトーマになるということです。

では、RASは何に従っているのか?それが未来のゴールです。先ほどのランチ・メルセデス・赤ちゃんという目的地が変わることでRASが発火する対象も変わってきます。だからこそインプットする情報も変わってきました。

このように、ゴール変わるとRASが機能しスコトーマが外れ、必要なリソース・道筋が見えるようになる仕組みが脳にあることを理解頂ければと思います。

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(図5:ゴール設定でRASが発火→価値基準が変わる→行動も変わる)

4)コンフォートゾーンの特性をゴール達成に活かす

ゴールが設定できても人は現実に引き戻されてしまうものです。3日坊主とかよく聞きますよね?でもこれは人間の基本機能なんです。

先ほどのゴールでいうと、ゴールvs現状と言うお話です。

人には生体恒常性機能を誰しもが持っていて、それを「ホメオスタシス」といいます。

何か自分に変化が起こると、それを元の状態に戻そうとするために、様々な変化を起こしていきます

例えば、体温が下がると鳥肌が立ち体温の低下を防いだり、体を震えさせて強制的に運動を起こして体温を上げるなどしますよね。

このように、人は安定した状態を保つため、内分泌系、自律神経系、免疫系などに変化を起こしています

これは人体だけではなく脳の情報処理にも同じことが言えることが分かってきています。

日常を思い出してもらいたいのですが、自分のオフィス空間や部屋のレイアウトを頻繁に変えたりはしませんよね。同じ場所に座って、同じ画面に向かって電話をしたりしているはずです(無意識的に心地良いため)。

要するに、人は「変わらない」ために多くのエネルギーを割けるようにデザインされていると覚えておきましょう。

このホメオスタシスがあるからこそ、自分が心地よい状態を保つことが出来ています。心地よいと感じている領域をコンフォートゾーンと言います。

コンフォートゾーンとは人のパフォーマンスの限界を決めるものでもあり、このゾーンにいるときが人は一番力を発揮できるとも言われています(ホームグラウンドで勝ちやすい話と似ています)。

また、このコンフォートゾーンは2つ同時に持つことが出来ない特徴があります。例えば人は平熱は36.5度等、1つしか持てないということです。

例えばイノベーションのジレンマもこれに当たります。

社長がこれからは〇〇の新たな領域に行くぞ!というゴール設定をしたとします。そうすると、現状の課題に最適化された金のなる木である事業側は、カニばるだろ!等と様々な意見を飛ばしてきます。この議論をしていては新規事業は一切前に進めることができません。だからこそ子会社化等してサブマリン的に新規事業を推進するのはこのためです。

こうしたイノベーションのジレンマが1人の頭の中で起きているのが現状の外のゴールを設定した時のイメージです(ゆえに、そのゴールは辞めたほうが良いというささやきが発生する)。

実はこのコンフォートゾーンは、臨場感が高い方にズレるという特性があります。

そのため、現状の外側のゴール側が自分にとって快適であり慣れ親しんでいる(先ほどで言うと、新規事業を推進できる環境を創る)、という状態を作ることが何よりも大切です。

こう考えていくと、いかにして未来側のゴールの臨場感を高めていき、そしてそこが一番に居心地が良いと思えるかが大事な要件となります。

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(図6:コンフォートゾーンの特性を活かし、未来側を居心地良くしよう)

次に、コンフォートゾーンを未来に置くためにどうしたらいいのか?について考察します。その手段として「セルフトーク」があります。

5)セルフトークで未来への臨場感を高める

セルフトークとは、無意識的に自分自身に語り掛けている言葉です(心の中で思っても口に出さないことや、自分でも全く意識していないけど考えてしまっていることです)。

だいたい1日あたり数万語を自分に対して語りかけています。そのため、セルフトークはパフォーマンスを決定づけるものと定義されています。

言い換えると、自身に語りかける言葉で自らを縛っている、ということです。要は自己イメージを決めているものとも言えます。

人は、自らに語りかける言葉によって映像を映し出し、その映像に対して感情が生まれてきます。この感情が自らのアイデンティ・イメージを作り出しているのです。

Word→Picture→Emotionの順番で感情が生まれる特性があることから、Wordである言葉を変えていくことで、自らのアイデンティを書き換えることも可能と考えられますよね。

ゴールを達成した自分であればどういう言葉を使っているのか、ということを考え、未来側からセルフトークを作ることが大切になりそうです。

過去の古いセルフトークからはお別れして、未来からのセルフトークをし続けていくことが、コンフォートゾーンを未来に置き続けていきましょう!

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(図7:未来の臨場感を高めるセルフトーク)

ラップアップ:ゴール設定が最重要

まとめます。

自分自身を革命的にアップグレードしていくためには、現状の外のゴール設定が極めて大切です。そのためには、ゴール達成が出来るという謎の自信(エフィカシー)が必要。

更に、未来への臨場感を高めるためにコンフォートゾーンを未来側に置き、維持させるためにセルフトークを繰り返す。そうすればRASが機能しスコトーマが外れ、日々の行動が変わります(生活リズムが変わる)。

最初から一人でゴール設定し、エフィカシーを高め、コンフォートゾーンをズラしていくのは大変です。

だからこそコーチという存在がいます。コンサルタントのように解決策を提示するわけではないですが、未来側を誰よりも信じる存在、そして正しいマインドの使い方を伴走する存在こそがコーチです。

本当の自分自身に向き合い、Want toのゴールに生きる人生は最高に楽しいです。want toに生き、最高のパフォーマンスを出せる人生を送っていきましょう!

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最後に

ここまで読んでくれてありがとうございました。

人はゴールを決めれば何者にでも慣れる、そう信じています。だからこそオールライフの領域で本音のWant toでゴールを設定していきましょう!

私が提供するコーチングセッションセッションに興味がある方は、直接ご連絡をしてくださいませ!

【連絡先】
Twitter:https://twitter.com/MTNN_228
Facebook:https://www.facebook.com/masatoshi.nannichi

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