イチローだけじゃない!?メジャーリーグのとんでもないアンタッチャブルレコード
破られることのない記録
スポーツ界には、アンタッチャブルレコードと呼ばれるおそらくもう破られることがないであろう記録がたくさん存在します。
これは一つには競技の形や戦い方が変わってきたからこそ起きるものもあるし、一方でたった一人の天才が圧倒的な能力により後世誰も追いつけない記録を残したという例もあります。
例えば、前者で言えばプロ野球のシーズン勝利記録や通算勝利記録などの記録は今後まず破られることはないでしょう。これはかつてのプロ野球が連戦連投、勝っても負けても完投するような文化だったからです。
スタルヒンが残したシーズン42勝という記録は間違いなく破られることはありません。日本の金田正一さんが残した400勝という記録もまず破られません。
ボクシングでも通算で何百試合もやった選手がいたりしますが、これを現代の選手が破ることはまずありません。年間で10試合20試合戦うのが珍しくなかったかつてのボクシングと現代のボクシングは別の競技に近いかもしれません。
後者で言えば、100 M 走のウサインボルト選手の9秒58という記録もこれにあたるでしょう。王貞治選手の868本のホームラン、疑惑は残っていますがバリーボンズ選手のシーズン73ホームランその一つです。そして、今日の話題のメジャーリーグのアンタッチャブルレコードも主にこちら側に当たります。
メジャーリーグにアンタッチャブルレコードを残したイチロー
まずはご存知イチロー選手。彼がメジャーリーグで残したアンタッチャブルレコードは大きく二つ。一つはシーズン262安打。メジャーリーグでは200本安打を達成する選手が年間で5名前後ですのでこの数字がいかに途方もない数字なのか分かるでしょう。
もう一つは、新人から10年連続200安打。この記録もまず破られることはないでしょう。今後、他のリーグから移籍した選手が新人として扱われることについての議論は引き続き行われるでしょうがもし他のリーグから来た選手新人として扱わないとしても10シーズン連続の200安打だけでも十分にアンタッチャブルレコードと呼べるでしょう。
100年を超えるメジャーリーグの歴史において記録を打ち立てただけではなく、今後破られることがないと言われるまでの圧倒的な記録を残したイチロー選手がいかに偉大であるかが分かります。
アンタッチャブルレコード製造機~バリーボンズ~
そして、今日取り上げる一番の記録は先ほども出てきましたが”バリーボンズ”選手の記録です。 バリーボンズ選手の打撃は僕の中で歴史上の人間の中で最も素晴らしいと思っています。それくらい突出した技術とパワーと確実性を持っていました。
個性的でめちゃくちゃなフォームに見えるかもしれませんが、実際には非常に理にかなっている無駄のないスイングなのです。
彼はまさにアンタッチャブルレコード製造マシーンです。彼ほどのアンタッチャブルレコードホルダーはいないでしょう。長打率.869、出塁率.609、本塁打73、どれもゲームの世界の記録のようです。
ですが中でも注目すべき数字が232四球。この数字はアンタッチャブルというか、意味不明のレベルです(笑)。
四球とはご存じのように4球ボール球を見極めることで1塁まで出塁できるもの、しかしボンズ選手は敬遠四球ですら130個を数えたそうです。つまり、232本のヒットを打ったのと同じこと。しかもボンズ選手は身体が大きくなるにつれ失われていったものの実は非常にスピードのある選手なんです。通算500個の盗塁を決めていて、500盗塁500本塁打という史上初の記録も持っている選手なのです。
はっきりいって残した記録がほぼ全部チートです。ドーピングによりその記録にも?マークが付いて回ってしまっているボンズ選手ですが、クリーンな彼だったらどんな成績を収められるのか非常に興味深いです。それくらい、打撃の技術については筋肉うんぬんではなく突出していました。
妄想を加速させ、年々価値が高まるビンテージ
アンタッチャブルレコードは、その選手の偉大さを僕らに伝えてくれます。しかし、どこかでアンタッチャブルと言われた記録に挑む次代のスターを期待している気持ちがある。想像もしえなかったアンタッチャブルレコードは、僕らに次なる大きな”妄想”をさせてくれる夢の装置です。イチローの記録破られないでくれー!って思いながら、もし超えられそうになったらその時にメディアでイチローの偉大さが再び特集されるのをニヤニヤしながら見ている自分も、超えられた時にも笑顔で称えるであろうイチロー選手の大きさにもきっと感動する自分も想像できる、みたいな贅沢な悩みを僕らに提供してくれる。
彼らが残した記録は、時が経てば経つほど価値が出るいわば”ビンテージ”の記録です。
記録という財産をメジャーリーグに残してきた偉大な選手達に改めて尊敬の意を表したいと思いました。
PS
ボンズ選手の引退が2007年、それからメジャーリーグの価値はそんなに上がったのでしょうか?あれだけの成績を残していたボンズ選手の最高年俸は約22億円。今では25億を超える選手が10名以上居ます。テクノロジーの進化でたくさんの人に映像を届けることが容易になったため、放映権などでの収入が上がったのでしょうが、肝心の野球は、あの頃より面白いのでしょうか?
僕はそこに関して一抹の不安を覚えています。
7月に開幕が決まったメジャーリーグが、いつまでも全野球人の憧れでありますように。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?