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新生WANDSの上原大史に衝撃を受けて「ジグザグ」の沼に落ちるまで時間は掛からなかった、という話

普段はビジネス系の書籍やWEB記事などの執筆ばかりしていますが、もともとバンド経験者(ギター)ということもあって、音楽コンテンツにも興味があるわたくしです。

これまでにも嵐のコンサートで気づいたことメモやらセカオワがいかに優れたアーティストかということを書いたりしてきましたが、今回は、先日テレビでみた『音楽の日』がきっかけとなる話を書こうかと。

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『音楽の日』は毎年チラチラ見ていますが、深夜帯に出るマニアックなアーティストを探すのに適した番組でした。

しかし、今年は午後から夜までのオンエアでしたね。そうなるとさすがに無名のマニアックな人はいなくて、聞いたことがある著名なアーティストたちがずらりと並んでいました。

個人的に特に興奮したのがZIGGYWANDS。まさに盛り上がっていた90年代前半は自分の学生時代だったので懐かしいったらありゃしないです。WANDSは当時広まりはじめた「カラオケ」でよく歌いましたし、ZIGGYは高校の時のバンドでコピーしてました。

ノスタルジックになりながらWANDSの『世界が終るまでは…』を聴いていると、「うおー、懐かしいなあ……ん?」と少し様子がおかしいことに気がつきます。ボーカルがすごく若い。

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そういえば、初代の上杉昇さんはとっくに抜けているし、2代目の和久さんも2年くらいだった気がする。そこから活動休止していたものの、20年振りくらいに新しいボーカルが入って再始動したというのはTwitterだかネットニュースで見た気がしていました。

「この人が新しいボーカルか…」
その歌声に、軽く衝撃を受けていました。

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WANDSらしい雰囲気はしっかりと踏襲しつつ、新たな力強さが感じられる歌声。声に独特なディストーションが掛かったりもしていて、相当な熟練度合を感じます。ただのポッと出の若者ではないと思うのですが、どこで見つけてきたんだろう。

ちょっと気になって公式サイトを見に行きました。

https://wands-official.jp/

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どうやら、この爽やかイケメンボーカルは上原大史さんというようですね。

そして、WANDSはもう「第5期」という扱いになるのだとか。
両サイドのメンバー、木村さんと柴崎さんは昔にも見覚えがあるので、変わっていないのかなーと調べてみると、色々と出入りがあったようです。

なるほど、少しずつ入れ替わりながら現在の形になっている様子。

こういうバンド形式も珍しいですよね。一般的なバンドというのは脱退とか解散が多いし、そうでなければ同じメンバーで10年20年とやっていくわけです。で、長年やるとどうしても「あれ、声が昔ほど出なくなってるな」とか「見た目が老けたなあ」と思う部分も出てきてしまう。

もちろんその変化も含めて楽しむことも十分あるでしょう。サザンとかミスチルなんてもう渋みが増して国宝級ですから。ただ、その年月経過を「劣化」としてとらえられてしまうとツライですよね。カッコよさとか美しさを売りにしていたりするとなおさらです。

その点、このWANDS形式は、メンバーを入れ替えて形を変えながらもWANDSの良さを次世代に残しているわけですから、ビジネスっぽく言うとゴーイングコンサーン的な発想であり、継続しながら役員や社長が入れ替わる上場企業みたいな感じでもありますよね。

まあそんなことはいいとして、公式のティザー動画があったので見てみると、WANDSらしいモノクロトーンの雰囲気のなか『もっと強く抱きしめたなら』『時の扉』を歌っていました。やー、どちらも名曲ですよね。

やはりWANDSらしい雰囲気は継承しつつも、伸びやかな歌声とビブラート、そしてクールな感じが素晴らしい。

おっと、新曲も出しているようです。

『真っ赤なLip』という曲。これは名探偵コナンのオープニング曲にも使われているのか。知らなったです。ごめんよ、コナン。

そしてもう1曲。『抱き寄せ高まる君の体温と共に』。いいですね。こういう長めのタイトルがWANDSっぽくて。

『愛を語るより口づけをかわそう』とか『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』とか長めのタイトルは昔もありましたが、こちらもいい曲ですね。メロディもWANDSらしさをしっかりと漂わせています。

…と、よく見ると、新曲の2曲はどちらも「作詞:上原大史」ということで新ボーカルの上原さんが書かれている様子…!

いいですねー。単に誰かに作られた曲を歌っているだけでなく、新しいWANDSの曲を自らどんどん作っていって欲しいものです。

で、このMVとかみてると上原さんって稲垣吾郎さんのような雰囲気も感じるのですが、性格や話し方も吾郎ちゃんみたいに落ち着いたクールな雰囲気の人なんでしょうかねえ。

なんだか上原さんが普通に喋っている様子を知りたくなりネットサーフィンしてみたところ、FM愛知のラジオ番組に出演されている音声を入手したので聴いてみました。

すると、やっぱりすごく落ち着いた雰囲気で、低くて渋い声
「ああ、WANDSのボーカルっぽいなあ」と思いました。

しかしです。
トークの中で驚きの発言が。
「あの……サンリオの……マイメロが好きなんです」という謎のカミングアウト。

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いや、マイメロて!
イケメンで落ち着いた雰囲気なのにマイメロて!

驚いている間もなく、続けて「好きな食べ物はなんですか?」という質問に対して恥ずかしそうにボソリ。

「えっと……『フルーチェ』ですかね。特にイチゴ味が……」

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いや、フルーチェのイチゴ味て!

ギャップ萌えが過ぎるだろ!(笑)

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こんな綺麗な顔して「マイメロ」に「フルーチェ」って、ずるいなあ~

他にも、趣味を聞かれると「写実的な風景画を描くこと」だとか「映像を作ったりするのが好き」と答えていて、なんともマルチクリエイターな様子。

「え、なにこの人。実はすごい人なんじゃない…?」ということで、俄然この上原大史さんという人に興味が出てきました。

そもそもなんでWANDSが再開されたのかを探ってみると、BREAKERZのDAIGOさんがきっかけだという説がチラホラ。

DAIGOさんが2018年12月に同じ所属会社であるBeingのWANDSやZARD、T-BOLANやDEENといったアーティストのカバーアルバム『Deing』をリリースしたんですよね。

そうしたところ、活動が停止していたWANDSの復活を望む声が多数寄せられたのだとか。

そして、この曲のサビでもDAIGOさんの声の後ろでWANDSっぽい声が聴こえてくるのですが(1:20~)、調べてみるとアルバム全曲にコーラスで参加しているのが灰原大介さんというボーカリスト。

アー写を探すと、こんな人でした。

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これは……完全に上原大史さんですよね。

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灰原大介上原大史って、名前の「原」と「大」も一緒だし、「名前、少し変えておこうか」って感じだったのでしょうかね。

そうか、つまりWANDSの新生ボーカルに抜擢される以前にすでにWANDSの曲にコーラスで参加していたわけですな。

そしてさらにネットサーフィンを続けていくと、すごい情報を発見。

同じBeingのインディーズレーベル「CRIMZON」に所属するインディーズバンド『ジグザグ』のボーカルも務めているらしい、という噂が。

なるほど、WANDSだけでなく他のバンドもやっていて、兼任しながら活動していくというわけでしょうか。

そういうのって昔はあまりなかったけれども、最近だと例えば「ゲスの極み乙女」「indigo la End」+ときどき「ジェニーハイ」を兼任している川谷絵音さんとかいますし、全然ありですよね。

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※画像は「FANCLUB」および「renote」より引用

そして、上原さんが『WANDS』と兼任する『ジグザグ』というのはどんなバンドなのかなあ、と公式サイトを見ると…

https://zigzag.asia/

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……え?

……え、なに?

し、しんてんちかいびゃくしゅうだん……?

この中央のボーカルが上原さんってこと?

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ボーカルは「命(みこと)」という名前で、命様と呼ばれていると…
ライブのことは「禊(みそぎ)」と呼び……
ライブに来るファンのことは「参拝者」と呼ぶ、と……

(軽いパニック)
と、とりあえず、きょ、曲を聴いてみよう。
曲を聴いてみないと分からないですからね……

死んだ婆ちゃんも「人を見かけで判断してはいけませんよ」って言ってたし。。

……いや、おい、めちゃくちゃいいじゃないか!
こういうの好き!いいぞ!

なんか、MALICE MIZERからソロになったGacktさんの楽曲を彷彿とさせるような雰囲気。ギターサウンドも重厚でいいですね。

もういきなり、重めのイントロからAメロに入るときの声、ちょっとだけWANDSの上原大史さんが漏れ出てますよね……いやあ、かっこいいなあ。

そして曲の中盤(2:39~)、サビの「忘却の彼方へ消えてゆけ 消えてゆけ 空虚な天(そら)よ」だけで2オクターブを使い分けている様子も分かります。いやあ、すごい音域の幅。これは鳥肌だわ。

(ちょっと冷静になってきた)
よし、もう1曲聴いてみよう。

おお、これも重いイントロの割りに全体はキャッチ―で良い曲!
サビ(1:09~)なんかすごく爽やかな感じで、アニメとかドラマの主題歌になってもいいくらいですね。しかもこっちはギターも弾いてるぞ!そっか、命様はボーカル兼ギターでした。それにしてもギターソロの音色が美しい!

さらにもう1曲。

こっちはライブでギターを弾きながらデスボイスも!
ギターソロ(1:38~)も上手すぎる…

V系っぽいダークな雰囲気そのままですが、ファルセットも多用しているのにデスボも出しちゃうなんてすごすぎるなあ。どんな喉をしているのやら。

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と、喉への水分補給は瓢箪(ひょうたん)でやっているようですね。
設定が徹底されているなあ(笑)

そういえば、動画をいくつか見ていて概要欄にサラッとすごいことが書いてあることに気づきました…

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ボーカル兼ギターだけじゃなく、全ての作詞作曲に加えてMovieも命様が作っている……?

いや、どんだけクリエイティブなのよ、と思いつつインスタの投稿を見ると実際に編集している画面があるので、どうやら間違いない様子。

そういやラジオで上原大史さんが「動画を作るのも好き」と言っていましたが、やはり噂通り同一人物ってことでしょうか…?

すると同じくインスタ投稿で絵を描いているのも発見。

やっぱり上手いな。上原大史さんが「写実的な風景画を描くことが趣味」と言っていた通りです。

うーん、衝撃だな。やはりこの人が上原大史なのか……。こんなにすごい人がWANDSになったのか……短時間に情報量がすごくて処理しきれん…

いや、やっぱり噂であって、事実ではないのでは?
動画制作をやっているってのはたまたまの一致では?

そんなモヤモヤとした疑問が頭をグルグルとしながら、ベースの龍矢さんの「誕生会生配信」があったので見てみると、命様が完全にマイメロの被り物をしながらマイメロの瓢箪を使っているという(笑)

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そしてさらに、関西テレビの鶴瓶さんとももクロの番組『桃色つるべ』にゲスト出演したVTRをみると「サンリオが好き」と発言(笑)

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はい、完全に同一人物ですよね(笑)

いや、同一かどうかはもうどうでもいいとして、命様は相当な歌唱力を持っていると思うんだけど、そのことがもっと分かりやすく確認できるものはないかな、と探していると……

ありました。
「鬼滅の刃」のテーマ曲、LiSAさんの『紅蓮華』をカバーしてる動画を発見!

これは色んな人のカバー動画があるので命様のボーカルの上手さ、そしてジグザグのすごさが分かりやすいですね。

命様は原曲キーで歌ってるし、ベースの龍矢さんはカワイイし、ドラムの影丸さんも上手い。いやあ、このバンド痺れます。

やはり既に82万回再生され(2020年8月3日現在)コメントでの反響もすごいですね。

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そりゃ衝撃を受けますよね。わかるわかる。さらに歌ってるのもギター弾いてるのも動画作ってるのも命様だっていうんだもの、ヤバいですマジで。

そしてさらに曲を探していくと、なにやら雰囲気が変わってきました。
見た目によらずポップな曲も結構多いことが分かってきたのです。

きちゅね…コンコン言ってる…

こっちはメイドの恰好してる…メイドカフェ…?

いや、もう訳が分からなくなってきました。

久しぶりのWANDSに衝撃を受けて、気が付いたらキツネコンコンとかメイドカフェの曲を聴いている自分がいるのですから。なんなんですかこの振れ幅の大きさは。もう振り落とされる寸前です。

先ほどはGacktさんのような側面でしたが、今度はゴールデンボンバーとか氣志團みたいな側面もあるって感じでしょうか。なんとも捉えどころがないバンドだなあ。

しかも、MCとかテレビ出演時のトークを聴いていると命様は関西弁と博多弁が混ざっているような口の悪いキャラで、出身地を聞かれても「天界だ」「天界から来た」と言い張ります。
まあ、そういう設定にしたのでしょうけども(笑)

ただ、原口あきまささんがMCの『真夜中のおバカ騒ぎ!』(TOKYO MX)に出演した際、「地元が一緒」とバラされてしまったようです。

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そして開き直った命様は、言ってしまうのです。

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北九州と(笑)
天界という設定は今後どうするのか(笑)

それはさておき、ジグザグも何度かメンバーの入れ替えがあって、今のメンバー構成になっていることも分かってきました。

過去には命様が黒髪だったり、4人だったこともあるようですね。

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なるほど。設定も含め形やスタイルをどんどん変化をさせてきているバンドなのでしょうかね。

さらに調べていくと、驚くべきことが。

命様はジグザグの前にV系バンド『オトイロハ』のボーカルを務めていたということが分かったのです。

いや、変化がすごいな…!

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この真ん中がボーカルの佐々木愛玖(あいく)さん
ホスト顔負けの美しい顔をしてますな。

曲のタイトルも『てるてるちゃん』とか…?

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V系バンドにもアイドル路線みたいなのがあるのでしょうか。よく分かりませんが、もうどんなビジュアルが出てきても、どんなタイトルの曲が出てきても驚かなくなってきました(笑)

さらにオトイロハの前には「Ray℃(レイド)」というバンドのボーカルもやっていたとか。

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うへー、ギラギラしてますねえ。真ん中がのちに愛玖に改名するボーカルの大空(だいすけ)さん

……いやあ、すごいな。

新生WANDSの歌声をふと聴いて「ただ者じゃないな…」と思っただけなのに、次々ととんでもない人だということが分かってきました。(まだ全然分からないことばかりですが)

だって、これが同一人物だっていうんですからねえ。素敵すぎるでしょ。

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「人に歴史あり」と言いますが、この人の歴史は半端ないですね。数時間かけてインタビューしたいくらい。それほど『ジグザグ』というバンドおよび『上原大史』というアーティストの作り出す沼にハマりかけている自分がいます。

2020/10/18 追記:インタビューされている雑誌『ROCK AND READ 091』で様々な疑問が解消されました。詳細はこちらを!
https://note.com/masapikoo/n/n5b7230302ca8

人っていうのはやっぱり、その人の振れ幅の大きさだったり、奥深さだったり、多才さってところに惹かれるものだなあというのを改めて感じた次第。

多才だという以前に歌とギターはしっかり上手いのですが、上原大史さんが出演していたラジオで「物心ついた時から親がギターを弾いていたのでよくマネして弾いていた」「学生時代は声楽科で学んだ」と言っていたので、演奏や歌声に関しては子供のころから土台ができているのでしょうね。納得ですわ。

そんな上原さんが兼任している(という噂の)『ジグザグ』の活動は、今後しっかりチェックしていこうと思います。(過去のキャピキャピした曲はちょっと好みではないし、参拝者として禊に参加する勇気は今のところないけれど……笑)

2022/1/29 追記:初めて禊に参拝した際のレポートを書かせていただいております。詳細はこちらを!
https://note.com/masapikoo/n/nd2bcdc0a5571

ジグザグががっつり喋っているものとしては、たまにインスタ配信をやったりするので要チェックですな。テレビなんかだと鶴瓶さんとももクロの番組「桃色つるべ」での出演回はAmazonプライムビデオでも見れるので何度か見てみようかと。

(龍矢さんと影丸さんの年齢が暴露されていたり、命様がお悩みを吐露していたりと結構衝撃)

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それと、新曲『Requiem』が8月19日に配信リリースされるようなのでこちらもしっかりとチェックしたいと思います。

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あと、先日発表されていましたが「アルバムの発売」「禊の配信」「DVD/Blu-Rayの発売」も控えているようですので楽しみ!

そしてそして、20年ぶりの5期となる新生WANDSの今後にも期待です。
夏には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2020』の出演を予定していたそうですが、この状況で中止に。しかし、公式アプリ「Jフェス」で配信企画『JフェスアプリでROCK IN JAPAN』が開催されるとのこと。

WANDSも8月8日に登場するようですから、しっかりとチェックしてみたいと思います!

いやあ、それにしても深い沼だわー!

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