短編小説「真贋」①
あらすじ女子中学生の遺体が埼玉県の古利根川で発見された。警察の捜査では自殺という見解が示され、このニュースは地方の新聞紙でひっそりと埋もれるはずだった。しかし、亡くなった生徒と同じ中学の同級生である山下香織のある告白によって、いっきに全国区のニュースへと広がっていった。その告白とは、彼女は自殺ではなく、発達障がいを患っていた彼女に対する同級生の悪ふざけが原因だというものだった。その真相の解明を通じて山下香織は問う。人間に感情は必要なのか。はたして同級生の死因は自殺か、あるいは