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【インド・カシミールへの旅】⑥登山編~息をのむ美しい絶景

2021年9月に訪れた、カシミール旅行・登山の記録です。
今回は登山中に出会った、美しい絶景について共有します。

絶景が広がるカシミールの山々

インド最北の地、パキスタンとの国境を有するカシミール地方は、
ヒマラヤ山脈やカラコルム山脈が重なり合う、風光明媚な山岳地帯です。
カラコルム山脈は、世界一登頂が難しいとされる K2 (標高8,611m、エベレストに次ぐ世界第2位の高さ)があります。
初心者から上級者まで、多くの人々が登山を目的にカシミールを訪れます。

カシミールで有名な登山ルートは 2つ(Kashmir Grate Lakes/Tarsar Marsar)ありますが、どちらも美しい絶景で知られており、多くの登山者を魅了しています。(詳しくは前回の記事を参照ください)

今回、カシミールの有名な登山コース、Tarsar Marsar を登山してみて、想像を超える美しい美しい絶景に出会いました。写真では伝わりきらないのですが、一部紹介したいと思います。

隣接するラダックとは別世界の風景

インドのラダック(Ladakh)という場所を聞いたことがある人は多いと思います。カシミールとラダックは、地図上では非常に近い距離にあります。

カシミールとラダックは、インド独立以来「ジャンムー・カシミール州」に属していましたが、2019年、同州を分割するかたちでラダックが「連邦直轄領」として別の行政区画となりました。

(写真掲載:MyMapsIndiaより) 

カシミールとラダックは、間にそびえるヒマラヤ山脈を境に、気候風土が全く異なります。ラダックの気候は、年間を通じて雨が少なく乾燥しており、高くそびえる山々は、地面の表層がむき出しの、乾いた大地が広がっています。

ラダックの風景(筆者撮影)

一方で、ヒマラヤ山脈をはさんだカシミールの気候は、雨が降り水源も豊かで、深い緑の森と草原が広がります。カシミールを訪れる1か月前にラダックを訪れていた私は、その風景を距離的に近いのにこれほどにも風景が変わるのか!と驚きました。

カシミール側の山は緑が生い茂る(筆者撮影)

遊牧民の暮らし

カシミールでの登山中はは、現地の人々のサポートが必要不可欠でした。

カシミールの山岳地帯には、チョパン(Chopan)と呼ばれる遊牧民の人々が暮らしています。彼らは、家畜であるヒツジやヤギとともに移動しながら生活し、標高が高く厳しい天候の中でもたくましく生きています。「コタ(Kotha)」と呼ばれる、岩や木で出来た仮設の家に住み、季節によって場所を変えながら生活しています。移動時の荷物の運搬は、彼らが飼育している馬が担います。

チョパン(Chopan)の人々(筆者撮影)

私たち登山グループには、参加者に加えて、現地の遊牧民の人々が10人ほど、そして彼らの馬が常時同行していました。登山ルートは、2輪・4輪車は一切入れないよう道のりでした。テントや食料品、調理用のガスなど、遊牧民の人々が馬を連れて運んでくれました。

登山グループの資材や、遊牧民の人々の荷物を運ぶ馬
水が流れる川も急な崖も、あらゆるところを超えていく(筆者撮影)

また彼らは、登山ルートの最新の状況や天候のことを知り尽くしており、登山中は常に、私たち登山グループにアドバイスをくれました。

そもそも、カシミールの山でキャンプする際には、遊牧民の人々の生活拠点の一部を借りてテントを張ることもあるため、彼らの許可を得ることが暗黙の了解になっているそうです。Indiahikes(登山団体)は、の人々との付き合いも長く、相互に強い信頼関係を築いているようでした。

また、こうして登山グループのサポート(物資運搬やガイドなど)を行うことで、遊牧民の人々にとっても生計の一部にしているそうです。

ヒツジの毛刈りをする山岳民族の人々(筆者撮影)


果てしなく続く山脈

登山中に出会った景色は、どれも目を見張るものでしたが、
最も目に強く焼き付いているのは、どこまでも連なる山脈の風景です。

これまでに見たことがない、雄大で美しい山がどこまでも続いていました。



キャンプの様子
キャンプ場から見た星空


秘境、タルサール湖

今回の登山ルートのメインアトラクションは、ふたつの湖、タルサール湖とマルサール湖でした。
4日目にタルサール湖、5日目にマルサール湖を訪れました。

タルサール湖に到着した当日は、現地では雨が降っていました。
湖のほとりでキャンプをしましたが、そのときの星空は忘れられません。
翌朝、雨があがり浮かびあがった湖の情景は、言葉になりませんでした。

タルサール湖
この湖のほとりでキャンプできる


神秘の湖、マルサール湖

翌日は、登山ルートの最終目的地である、マルサール湖へ。
マルサール湖の周辺は、非常に天候が変わりやすく、太陽が出ていたと思ったら、5分も経たないうちに雨が降り出します。現地の人には「神秘の湖」と言われているそう。

最終目的地ということもあり、湖の淵に着いたら、
登山メンバー全員目をつぶり、手を繋いで一列に。絶景ポイントまで一歩ずつ足を進め、リーダーの合図で全員で絶景を眺めました。

この瞬間、分かち合った達成感と、幻想的な風景は、今でも心に強く残っています。


マルサール湖
天気が変わりやすいので、5分も経たないうちに湖が霧で隠れる


以上、カシミールの美しい風景を抜粋して、シェアさせてもらいました。
私の思い出話のようになってしまい、役に立ったかは分かりませんが、カシミールの美しい自然の情景が少しでも伝われば嬉しいです。


次回は、インドでの登山体験をおすすめしたい理由を書きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



【インド・カシミールへの旅】記事一覧

①カシミールは安全?
②旅の基本情報(ベストシーズン、移動手段、有名な観光地など)
③登山編~インドの登山ツアーってどんなもの?
④登山編~個性豊かな登山者たち
⑤登山編~電気・シャワー・インターネットなしの7日間
⑥登山編~息をのむ美しい絶景
⑦登山編 ~インドでの登山をオススメする理由3つ
⑧観光編~湖上のハウスボートに泊まる
⑨観光編~スリナガルのおすすめスポット&カシミール料理



参考URL:

https://thekashmirimages.com/2019/02/21/chopan-an-untold-story-of-kashmiri-shepherds/




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