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【インド・カシミールへの旅】②旅の基本情報(ベストシーズン、移動手段、有名な観光地など)

2021年9月に、インド・パキスタン国境の州、カシミール地方へ7日間登山の旅に行ってきました。今回は、カシミールに入境するまでの準備や、現地に着いてからの流れなどをシェアします。

カシミールへの行き方

最も便利な交通アクセスは、フライトです。
カシミールの玄関口、スリナガル(Srinagar)空港へは、インドの各都市から定期便が飛んでいます。私はバンガロール→デリー→スリナガル、フライトで移動しました。所要時間は約4時間半でした。

その他、北インドの都市(デリーなど)からは、電車やバスで向かう方法もあります。ラダックからバスで山道を行くルートも、旅人の間では知られているそう。気になる方はチェックしてみてください。

旅行のベストシーズンは?

カシミール地方を観光目的で訪れるなら、夏(4月~6月)、秋(9月~10月)がおすすめです。雨季(7月~8月)は、気温は低くないですが、雨が多いので外出は楽しめないかも。

私が訪れた9月は、州都スリナガルがある平野部は、日中は25℃前後。雨も少なく一日中過ごしやすい気候でした。10月に入り気温が低くなると、色とりどりの紅葉も楽しめるそうです。

9月頃は色とりどりの花が庭園に咲く(筆者撮影)

カシミールの冬は寒く、冬(11月~3月)になると氷点下に達することもあります。
カシミールは、スキーなどウィンタースポーツが出来ることでも有名。
スキー目的で訪れる場合は、冬場に訪れるのも良いでしょう。

滞在日数はどのくらい必要?

旅の目的(観光、登山、スキーetc.)によりますが、
観光目的でカシミールを訪れるならば、1週間~10日間は滞在することをオススメします。

カシミール地方で有名な観光エリアは多数あります。
以下に主要な観光名所を挙げておきます。各エリア間の移動は、車で1時間~数時間ほどかかります。また、自然豊かなカシミールでは、滞在日数を長めに設けて、ゆっくりと滞在するのが良いでしょう。

カシミールで有名な観光エリア


スリナガル(Sringar)

ジャンムー&カシミール州の夏の都
中心部に広がるダル湖でのハウスボート、美しいモスクやムガル庭園が有名。

スリナガル、ダル湖(写真:Unsplash)

グルマルグ(Gulmarg)

スリナガルから50km(車で1時間ほど)の場所にある、北インドでも屈指の
スキー場がある。ヒマラヤの麓でのウィンタースポーツを目的に、インドや世界各国からスキー客が訪れる。

グルマルグのスキー場(写真:Unsplash)

パンポール(Pampore)

カシミールはサフランの生産地として世界的にも有名。サフランは「世界一高級なスパイス」とも言われ、インド料理や中東料理で香り・色付けに使われる。(サフランのスパイスは赤色ですが、煮出しで料理に使うと黄色い色と繊細な香りが出る)
パンポールは、カシミールの中でもサフランの名産地。収穫時期(10月下旬~11月上旬)には、紫色の花であふれるサフラン畑が見られます。

パンポールでのサフラン収穫の様子を捉えた記事↓


空港到着後~現地での移動手段


ここでは私が訪問したときの経験ベースで書きます。カシミールへの渡航を検討しているからは、コロナ対策関連(RT-PCR検査など)、ジャンムー&カシミール州入境への手続きなどは、必ず最新の情報を確認してください。

・空港到着後の手続き

私が訪れた時期(2021年9月)は、カシミール入境に際し、RT-PCR検査の陰性証明が必要でした。

スリナガル空港到着後、RT-PCR検査の陰性証明書を提示しようとしたところ、その日の諸事情により(※1)、空港でRT-PCR検査を再度行いました。名前、出発地などを登録、サンプル採取後、手にスタンプを押してもらい、完了しました。

RT-PCR検査で名前を登録する際、外国人であることは伝えましたが、
外国人用の特別な入境手続きは求められませんでした。

(※1)私がスリナガルに到着した時期に、現地の宗教的リーダーが急逝した直後だったため、混乱を防ぐことを名目に、数日間のネットワーク遮断が行われていました。この空港では、RT-PCR検査陰性証明書の確認に、QRコードを使用して証明書が本物であるか確認しますが、ネットワーク遮断によりQRコードでの確認ができませんでした。そのため空港に到着した人全員に、再度RT-PCR検査を実施していました。

平常時、ネットワークが使える際にもPCR検査の再実施が行われるかどうかは、私の経験上は不明です。


・空港~スリナガル市内までの移動

スリナガル空港に到着後、市内中心部までは、空港出口にあったプリペイドタクシーで移動しました。友人と3人でタクシーに乗り、料金は1台 1500ルピー。市内までの移動時間は、約45分でした。

料金は一定でなく、行き先によって値段交渉に基づいて決まるようでした。当日宿泊予定だった、Airbnbのホストと連絡を取りながら、宿泊先まで向かいました。

・スリナガル市内での移動

スリナガル市内での移動は、基本的にオートリキシャ、またはタクシーになります。Uber や Ola は展開していないようで、流しのリキシャかタクシーにを拾う必要があります。

私たちが観光客らしい見た目だったからか、高めの値段で言われることが多く、値段交渉が必要でした。彼らも生計がかかっているので仕方がないと思うようにしていました。私たちは、宿泊先のAirbnbのホストに、リキシャやタクシーの相場を聞き、それを参考に値段交渉していました。

・Uber/Ola がない都市で移動するコツ
これは個人的なTIPSですが、、
私はリキシャやタクシーに乗り、優良なドライバーに出会ったとき、電話番号を教えてもらい、市内観光や空港移動時に再び乗せてもらうようにしています。宿泊先のホテルや現地の知り合い経由で、車を手配してもらうのも良いでしょう。

宿泊先は?おすすめはハウスボート

スリナガル市内には、観光客向けの多くのホテルがあります。地上のホテルも良いですが、おすすめなのは、ダル湖に浮かぶハウスボートです。

美しい湖上ハウスボートでの滞在は、特別な経験でした。おすすめのハウスボート、滞在レポートについては、こちらの記事にまとめています。

ダル湖に浮かぶハウスボート


気を付けておきたいこと

・寒さ対策


カシミールは、(州都のスリナガルがある)平野部と山間部で気温も天候も大きく異なります。滞在する都市の気候を調べ、高地の山間部に行く場合は、しっかりと防寒対策をしていくことをおススメします。

私が訪れた9月は、平野部のスリナガル市内は25℃前後とですが、山間部では5~10℃くらいでした。

州都スリナガルを囲む山々


・安全対策


前の記事でも述べた通り、カシミール地方は、インド・パキスタンの国境を有しており、インドの中でも政治情勢的に不安定になることがある地域です。私が訪れた当時(2020年9月時点)は、状況は落ち着いていて、街中を歩いていても、治安に大きな不安を抱えるような雰囲気はありませんでした。

一方で、(脅かすつもりは全くありませんが)政治情勢や軍事的衝突がインドの中でも頻繁に起きる地域であることも事実です。滞在中、もし観光地でない場所を訪れる場合は単独で行かず、必ず現地で最新の事情をよく知るローカルの人(ガイドさんなど)に同行してもらうことを強くおすすめします。

脅かすつもりは全くないのですが、、私の滞在していた間、スリナガル地内で、カシミールの治安部隊(警察)が、カシミール独立を求める青年に射撃される事件が起こり、一部通行禁止された地域がありました。

カシミールを知る映画

最後に、カシミールについて知れる映画を紹介します。

Haider (2014)

シェイクスピアの「ハムレット」を基に、舞台をカシミールに移して翻案されたストーリー。原作のハムレット王子にあたる、主人公ハイダルが、失踪した父親のため、そしてカシミールの「自由」を求めて復讐していく様子を描いています。

原案の「ハムレット」のストーリーと、カシミールで実際に続いている失踪者問題、現在も続く分離独立運動を重ねながら、同地域の社会・政治的問題を取り上げています。

銃撃シーンなどははリアリティがある映像で、テーマも重いので、見るには少し心構えが必要ですが、カシミールの政治的課題を知るために、参考になる映画です。

次回の記事では、カシミールでの登山体験についてシェアしていきます。
登山には興味がない、観光情報を知りたい、という方は「観光編」の記事を参照してください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



【インド・カシミールへの旅】記事一覧

①カシミールは安全?
②旅の基本情報(ベストシーズン、移動手段、有名な観光地など)
③登山編~インドの登山ツアーってどんなもの?
④登山編~個性豊かな登山者たち
⑤登山編~電気・シャワー・インターネットなしの7日間
⑥登山編~息をのむ美しい絶景
⑦登山編 ~インドでの登山をオススメする理由3つ
⑧観光編~湖上のハウスボートに泊まる
⑨観光編~スリナガルのおすすめスポット&カシミール料理



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