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【まさこの観察日記】皆様、本当に会話してますか?会話の”つもり”では脳は〇〇しませんっ!

今日は朝から馬のお仕事@三浦。
都内から三浦までの長い電車の移動中は格好の読書時間💛

ということでひとり静かに本を読んでいることが多いのですが、今日は休日ということもあり、車内がかなり賑やかでご家族連れも多くびっしり満席。

お隣にお座りのご家族は会話から察するに、お嬢さん(中学生ぐらい)、お坊ちゃん(大学受験生)、ママさん(素敵な50代な感じ)という配置で、このママさんの横に私というかなりぎゅっとした横並びで、ついついお話が耳に入ってきてしまいました。


移動中に聞いた会話

ママさんは携帯のゲームに大忙しな中、お隣のお坊ちゃんに話しかけておられます。

ママさん(以下:母)
(息子さんにもたれかかりながら😊)
「ねー、今日の予定ってさ、覚えてる?」

息子さん(以下:息)
「なんかあったっけ・・?」


「あーダメだ!こないだは調子よくて、全消ししたんだよ。ママすごくない?」

(息子さん、ママさんに寄り添われて携帯のゲーム画面を覗きこむ)


「ねえ、どこで降りるんだっけ」


「なんか運転荒くない?」


「って、今日の夕方、大学の進学相談じゃん。あんたがそんなことだから、行くとこないのよ!もう、ちゃんと考えてよね!」😠


「晩御飯どうするの?」


「次降りるよ」

・・といった感じで、会話も多く、ご家族とても仲よさそうで、息子さんもお嬢さんも穏やかでお優しそうだし、一緒に出掛けて、たくさん会話しているママさんと思春期のお子様達との関係もステキ😊💛


ってちょっとまったぁ~!!!!

違う!!会話じゃない!!

会話とは、つながりがある言葉のやりとりであって、たんなる声掛けの応酬!・・ではないっ!

脳科学の研究結果では、脳内の活動を見れば、ちゃんと会話しているか、そうでない「やりとり」かは一目瞭然。

正しく「会話」していると、双方の相互理解状態ではちゃんと脳内が同期していることが観測されたりするのだそう。また、

he analysis also identified a subset of brain regions in which the activity in the listener’s brain preceded the activity in the speaker’s brain, suggesting that the listeners were actively predicting the speaker’s upcoming utterances.

といったように、話し手ではなく、聞き手も会話の先を予測するような脳活動が認められたりして、会話時は、ちゃんと脳が一生懸命活動して「思考」してる状態が観察されます。


話を戻しましょう

先ほどの電車内でのお隣の仲睦まじいご家族のやりとりは、よくよく考えると会話が成立していません・・・🥸

どなたかが尋ねたことについて誰も答えていないまま、ご自身の興味があることを(心に浮かんだことを)それぞれが発話なさっている状態と言えます。

きっと、ママさんにとっては、(怒った口ぶりからも)息子さんの進学問題はご家族にとってとても重要なことなのだと思います。

ただ、もし、本当に大事だと思っておられるのであれば、脳科学的には

「今日の予定ってさ、覚えてる?」

「なんかあったっけ・・?」

(考える間だまって待つ)

(しばらく待っていても、息子さんから、もし出てこなかったとしたら)

「忘れちゃった?大事なことなんだけどな・・。ほら、大学の・・・」

(ヒントを出して予測を待つ)

「もしかして、大学の進路相談か・・」

「そうだよ。でも、進路についてそんな風に忘れちゃえるってことは、あんまり気にしてないの?」

(どう思っているかを探りつつ、母の脳波状態に同調させていく・・)

「気にしていない訳ではなくて心配なんだけど、どうしたらいいか分からないから・・」

「そっか、不安なんだね」

(息子さんの心配を「不安」という言葉で正しく定義して確認。)

「じゃあ、今日、先生とどうしたらいいか相談してみようか」

「そうだね」

・・同期・・

という流れが理想的なのではないかと思うのです。

皆さん、どうでしょう(無理やり同期!(笑))


いえ、まじめな話。語彙力や思考力というのは、脳がちゃんとこういったやりとりや発見を”大事な刺激”として受け取って電気信号をあちこちとやりとりしながら神経系のつながりを強化して、

それこそ脳内でけものみちのような通りにくいつながりではなく、いつもビュンビュン快適に情報をやりとりできる、いわば、たくさんの高速道路を開通することで成長するものです。

特に脳は親しみがある、なじみがある人との会話であればあるほど、同期してしっかりと考える傾向にあるようですので、一番身近な家族がしっかりと会話をするだけでも語彙力や思考力はかなり成長するはず🤔

まして、その話題が新しくていつもわくわくするものであれば脳もどんどんと思考し、吸収して成長していきます😍

家族でしっかりと会話を楽しむことが脳の土台をつくるのにとても大事なんだなと改めて気づかされた午後でした。

会話はキャッチボール!相手のお話をちゃんと受け止めてから(話をしてくれてる最中に違うことを考えない!)次の話題にうつりましょう~

余談

会話時の脳の同期や予測行動はお互いをどれだけよく理解しているかに関係している可能性がある、・・との研究結果もあるのですが、実感値として、たしかに、それはその通りだと思います。

私は息子と長時間、すごく長時間会話をしてきたと思うのですが、(世の中にLINE電話がなかったら我が家は破産です・・)おおよそ、彼が言いたいこと、考えていることが会話の途中でも分かってしまうし彼もまた同じ。

ですので、かなりの行間をすっ飛ばして話していることが多いようです。

\あ~なるほど つまりは〇〇ってことか!👍/

\そうそう!🤗/

なんて、二人はスッキリですが、傍から見ると、話が飛びすぎて、どこがナルホドなんだ~www ちんぷんかんぷーん~🤣🤣🤣とよく言われます。

ああ、あれが会話時の脳の同期と予測だったんだな~と改めて理解。勉強になりました!


参考文献

Brain-to-brain entrainment: EEG interbrain synchronization while speaking and listening, Alejandro Pérez, et.al..Scientific Reports volume 7, Article number: 4190 (2017)

Hasson brings real life into the lab to examine cognitive processing, Ushma Patel, Princeton University, Dec. 5, 2011

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