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スウェーデン子育て・保育・教育ワークショップ Part2

スウェーデン在住で保育士・巽朝菜さんをオンラインでお招きし、「スウェーデンの子どもたちの日々の暮らし」と題して、参加者とともに対話的にワークショップを進めました。
Part1では、枝を使って自己紹介や観察をして、自分のものさしを知ることや多様な違いを認めることの大切さを、体験的・対話的に学びました。
さぁ次はどんな学びがあるでしょうか?

小さなものを助ける・次に来るものを信頼する・みんな渡れる
ノルウェーの昔話・絵本「三びきのやぎのがらがらどん」は、皆さんご存じでしょうか?
橋の向こう側の山に渡って草をたくさん食べに行こうと考えた小さなやぎと中くらいのやぎと大きなやぎの3匹のやぎ。みんなの名前は「がらがらどん」。橋を渡っている途中に谷に住むトロル(おに)に出くわしてしまいます。小さいやぎと中くらいのやぎは機転を利かせて橋を渡ることができました。最後の大きくて強いやぎは、トロルに勝負を挑み、トロルを退治します。無事に3匹のやぎは橋を渡ることができ、山でたくさんの草を食べることができました。というお話です。
この絵本の内容はとてもシンプルですが、深堀すると、スウェーデンあるいは北欧の子ども観や価値観が垣間見えることができます。
私が、参加者の皆さんに読み聞かせをした後、グループに分かれて、ディスカッションをしました。
ディスカッションのお題は、「この絵本にどんな価値観があるのか?」
参加者:「最初の小さいやぎと中くらいのやぎは、あとのやぎにあっさり任せちゃうんだ!」、「3匹のやぎも無事に渡れたけど、現実的なところでは、最終的に人間に食べられるでは?」
などいろんな意見がでました。

©三びきのやぎのがらがらどん

朝菜さん:この絵本の価値観には、「小さなものを助ける・次に来るものを信頼する・みんな渡れる」というチームの信頼という価値観があります。逆に、アジア・日本の価値観には、「自己犠牲」の価値観があります。

このがらがらどんで言えば、自己犠牲は、自分が食べられて、他のやぎを助けるということになります。そういう意味では、「任せちゃうんだ!」と思うのは納得です!
小さなやぎを、子どもに例えると、何かに挑戦する際に、まずやらせてみるということが大事だと言えます。さらに、先に小さなやぎを行かせる大きなやぎ(大人・保護者)の器の大きさや小さなやぎ(子ども)への信頼を感じることができます。
日本の場合だと、順番が逆なように思えます。自分が先に行って確かめてから、子どもを渡らせる。そんな心配性な方が多いのではないでしょうか?私もそうですが・・・信頼すること・・改めて考えるきっかけになる絵本です。
また、小さいやぎ・中くらいのやぎ・大きなやぎとそれぞれ役割があり、それを自分なりに果たすとともに、うまくいかなければ抱え込むのではなく、次に任せるという軽いフットワークさも大切だなと感じることができます。
考えれば考えるほど奥が深いがらがらどん!

絵本から多くの価値観を得ることができます

朝菜さんからもう一つ絵本を紹介していただきました。
「長くつ下のピッピ」
この絵本の中のある言葉、
「それは今までやったことがない。だから絶対できるに違いない」
子どもたちは、本来、この価値観を生まれながらにして持っているのではないでしょうか?
Part1で書きましたが、大人・保護者が「ポジティブ」に物事を捉えて、伝えていくことが大事であることをこの言葉から学び取ることができます。

朝菜さん:私の系列園では、1~2歳はいろんなことを発見していく「発見者」、3~4歳は発見したことを知ろうとする「研究者」、5~6歳は自分の考えをやってみようとする「冒険者」と呼んでいます。

子育てをしていて、子どもたちと一緒にいると、まさに当てはまるなと感じます。子どもたちをどのように捉えるか?「子ども観」を垣間見れる言葉だと思います。
私たち大人の先入観・固定概念を、ポジティブに崩して、ポジティブに子どもたちを見れる視点を持ちたいものです。
子どもをどのように捉えるかという視点が少しずつ見えてきました。

Part3へつづく・・・Tack!!

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