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【感想】IMAX映画『DUNE/デューン 砂の惑星』

グランドシネマサンシャイン池袋の初日初回。
朝5時半起床w
上映開始も7:25という朝早い回だったけどほぼ満席。
一席ずつ空けていた時期を経て朝早くからこれだけの人が映画館に集まったというシチュエーションでもう感無量。

どれだけ言葉を尽くしても僕の語彙力では表現できない圧巻の体験だった。
もちろんストーリーは無いわけでも粗いわけでもない。
ただ、正直導入部分でつまづいた自分でも155分間十分に楽しめるほど、そんなつまづきを瑣末な事象に追いやるほど映像美と音響が凄まじい。
こればかりは配信を待たずに映画館で体験してほしいと強く思う。

そして、なるべくなら本作はぜひIMAXで。
なんだけど、このIMAXという言葉が実は曲者。
まず、IMAXは2つの側面がある。
1. 撮影方式のIMAX
2. 上映方式のIMAX

1はIMAXカメラという通常のカメラとは異なるIMAX専用のカメラで撮影したか否か。
これは映画を撮ってる段階の話なので観客にも映画館にも関与しようがない。
IMDbのTechnical Specificationsを見ることで調べられる。

Camera
 Arri Alexa LF IMAX, Panavision H-Series and Ultra Vista Lenses
 Arri Alexa Mini LF IMAX, Panavision H-Series and Ultra Vista Lenses

こんな感じで『DUNE/デューン 砂の惑星』はIMAXカメラで撮影されていることが分かる。
繰り返すが、これは撮影時の話なので観客にはどうしようもない。
「ふむふむ、IMAXカメラで撮ってるのね」と情報を仕入れるのみだ。

次に2の上映形式について。
日本国内にIMAXを名乗る劇場はいくつもあるのだが、実は本作をフルサイズで上映できるのは池袋と大阪の2箇所しかない。
この辺りは技術的にちゃんと解説しようとすると色々あるのだが、池袋と大阪にあるのがフルIMAX、それ以外はミニIMAXと覚えると映画を普通に観客として見る上ではそこまで困らないと思う。
というか自分もその程度の認識。
(IMAXデジタル、IMAXレーザー、IMAXレーザーGTなど正確にはもっと細かい区分けがあるのだが正直自信が無い)
一応グランドシネマサンシャイン池袋と109シネマズ大阪エキスポシティのサイト上では以下のような説明がされている。

画像1

出典:https://www.cinemasunshine.co.jp/theater/gdcs/news/2554.php
(シネマサンシャインのサイトはPHPで書かれているのか、とITエンジニアの端くれとしてどうでもいいことを考えてしまった)

上の図の「通常スクリーン」と「IMAX」は僕の言葉(繰り返すが世間一般で通じる正確な表現ではない)だと「通常スクリーン」と「フルIMAX」で、その間に「ミニIMAX」がある。
つまり2段階ではなくて3段階。
ミニIMAXは通常スクリーンよりは縦が長くて約20%増ぐらいのイメージ。

は?じゃあミニIMAXの存在意義って何?追加料金払ってるのにまだ上下20%ぐらい切り取られちゃってるの?という話になるが、これがまた曲者で「IMAXカメラで撮影していてもミニIMAXの画角で収まる作品もある。というかそっちが現状は大多数」なのである。
作品の画角は前述のIMDb Technical SpecificationsのAspect Rationの項目を見ると分かる。

Aspect Ratio
 1.43 : 1 (IMAX Laser: some scenes)
 1.78 : 1 (Blu-ray release: some scenes)
 1.90 : 1 (Digital IMAX: some scenes)
 2.39 : 1

1.43 : 1はフルIMAXの画角
1.90 : 1はミニIMAXの画角
2.39 : 1は通常スクリーンの画角

例えば『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』はIMAX撮影だけど画角は1.90 : 1になっている。

Camera
 
Red Komodo IMAX, Leitz Thalia and M 0.8 Lenses
 Red Ranger Monstro IMAX, Leitz Thalia, M 0.8 and Angenieux Optimo Ultra 12x Lenses
 Red Weapon Monstro IMAX, Leitz Thalia and M 0.8 Lenses

Aspect Ratio
 1.90 : 1

※これはこれで「通常スクリーンでも1.90 : 1の画角で上映できるように技術陣が頑張った」から2.39 : 1の記載が無いらしい。

こんな感じで1.43 : 1、1.90 : 1、2.39 : 1の画角に合わせて映画館のスクリーンを決めると良いんじゃないかなと思います。
(まぁこれも僕の自宅から池袋までの交通アクセスが悪いから毎回調べているだけで、池袋が近い人なら毎回フルIMAXで見ても特に困ることは無い気もしますw)

ちなみに本作はデジタル撮影だが、クリストファー・ノーランみたいにフィルムで撮影されるともはや日本には上映環境が無いw
4年前にフィルム上映環境を求めてオーストラリアはメルボルンまで行ったのも今では良い思い出。

いつかシドニーIMAXにも行きたいな。

『DUNE/デューン 砂の惑星』は可能な方は是非フルIMAXで見てほしいなと思います。
とんでもなく巨大なスクリーンにとんでもなく美しい映像が流れます。
音響も素晴らしいです。

ただ、個人的には「2021年間ベスト級!」というほどには興奮できなかった面もあり…

個人の好みであることは大前提として、僕は千鳥・大悟風に言うなら「カット数は思ってる倍!」ぐらいカットを割ってくれる作劇の方が好きなんですね。
パン!パン!パン!とカットが切り替わって物語が速いテンポで進む編集に快楽を感じるというか。
その点、本作はどちらかというと壮大・荘厳な画を一撃ドューンならぬドーンと出す→しばらくそれを見せるというテンポとしては淡々とした作劇なので、そこが個人的には100%好みど真ん中ではなかった。
繰り返しますが、あくまで好みの問題です。

実はこの前週に同じく池袋のIMAXで見たのが『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』
これも時間は短めなもののアバンタイトルのアクションシーンなど一部でIMAX撮影が行われている。
(本来はもっとIMAX撮影をしたかったけど『TENET テネット』と機材を共有していた関係でIMAXカメラを全てノーランに持って行かれちゃって出来なかったという噂は本当なのだろうかw)

映画全体で見ると脚本の粗はまぁあるのだけど、IMAX撮影された冒頭のアクションは本当に良かった!
で、こっちはバイクチェイスやカーチェイスを筆頭に結構テンポよくカットを割る編集になっていて、それを楽しんだ感触がまだ残っている内だったというのもあるのかなぁ…
それに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は前売り券を買ってから公開延期で1年が経過していたので正直自分の中で温度が下がっていて「あれ?始まったら意外と面白いぞ!?」だったけど『DUNE/デューン 砂の惑星』は期待値がかなり高い状態で見たという鑑賞前のハードルの高さも関係あるかも。

ちょっとマイナスなことを書いたまま〆るのはアレなので
1. 映像美と音響が圧巻。唯一無二の映画体験。
2. 出来ることならフルIMAX(IMAXレーザーGT)環境で。
3. 編集は僕の個人的な好みとは少し合わなかった。ただ、だから駄作というわけでは全然ない。
の3点を言いたい事としてこの記事を終えたいと思います。

ちなみに…

仕事はトラブル続きで当日は22時過ぎまで働いてました。

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