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仕事で体を壊してしまった先輩の話し

先輩の特徴

私が社会人になって初めて配属された部署の直属の先輩でした。
真面目でキッチリと仕事をこなす人で、自分にも他人にも厳しい方でした。
会社あるいは上司からある程度理不尽な要求があっても、文句を言いつつ仕事をこなす、THE SENPAIと言える方でした。

自分の思っていることはハッキリ言うタイプの先輩で、意見の食い違い等で周りと衝突することもあり、後輩である私はヒヤヒヤする機会も多くありました。

とても賢い方で、先輩の意見は正論であることが多く、上司も対応に苦慮していたほどです。

先輩の本音

そんな先輩でしたが、あまり相談できる人がいなかったのかも知れません。
大きな部署ではなかったため、数少ない後輩で一番年下だった私はよく飲みに連れて行ってもらいました。

普段は厳しい先輩ですが、飲み会の回数を重ねるにつれて“飲み会の場では”とてもフレンドリーに接してくれるようになりました。

お酒が入ると、仕事について先輩が語ってくれました。
・現在の仕事で改善するべきこと
・会社に意見をしてもなかなか聞き入れてもらえないこと
・(先輩の)上司への不満
・お給料に対する不満
などなど、所謂愚痴というやつです。

先輩は職場では真面目に仕事をしていましたが、心の中では思う事や納得できない事が多くあったようでした。

先輩の結婚と私の転職と会社業績の低迷

先輩には私が入社した時から、結婚を考えている相手がいました。
無事に結婚された後、とても楽しそうに仕事をしていました。

そんな中、会社の業績があまり良くないのではないか…。
という噂が社内を飛び交う様になりました。

情報通の私の同期は一番に行動を起こして、転職して行きました。
私も同期の後を追うようにして、転職しました。
先輩と私の関係は良好に続いており、会社が別になっても連絡を取り、飲みに行ったりしていました。

飲み会の場で先輩が教えてくれたことがあります。
どうやら会社の業績に関する噂は本当だったようで、業務内容が急激にブラック化している様でした。
深夜残業は当然になり、上からのプレッシャーは強くなったようです。
責任感の強い先輩は納得できないながらも仕事を続け、結婚していることからも簡単に転職はできない…と考えているようでした。

それからしばらく、先輩から連絡はあるものの飲みに行くなどは出来ない日々が続いていました。

先輩、病に倒れる

久しぶりに先輩に連絡をしてみると、返信はあるものの何だかいつもと違う様子です。
異変を感じながらも話しを聞いてみると、くも膜下出血で倒れてしまったとのことでした。

過労と精神的ストレスが引き金となってしまった事例です。
先輩にも自覚があったようで、いつかこうなるとは思っていたとのこと。

幸いにも業務中だったことですぐに処置が行われ、快復した様でした。
しかしながら、100%以前の様に働くことは難しい様で、転職して体を第一に働いている、とのことでした。

先輩の事例から思う事

やっぱり、“命が一番大事であること”です。
先輩は命が助かり良かったですが、残念ながら命を落としてしまう場合もあるでしょうし、命は落とさなくとも社会復帰が難しくなってしまう場合もあるでしょう。

時間の経過とともに、会社や労働環境が悪化することも十分に考えられます。
そんなとき、自分を守れるのは自分だけです。
守るべきものがあるかもしれませんが、その守るべきものも自分の命があってこそ守れます。

先輩の事例が起こらないように、自分も気を付け、自分の大切な人は守れるようになりたいと思いました。

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