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スタジアムを夢を与える場所へ#4 【川崎フロンターレ】

こんばんは。
第4回目となる今回は、Jリーグ開幕戦の会場で多摩川クラシコがあった川崎フロンターレのスタジアムである「等々力陸上競技場」に行って来ました。
待ち遠しかったJリーグ開幕。
また週末にサッカーがある生活が戻り、今年も新たな想いを胸に今シーズンもこの活動を続けていきたいと思います。

ではここからは、実際に来場して学んだこと・感じたことを書いていきたいと思います。

1.来場者の推移

まずは、2015年以降の入場者数の推移のデータ。

J.LeagueDate Site参照
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/

来場者の推移は、コロナ前は22,000人と高い数値を出しながら右肩上がりの傾向。コロナ禍となり来場制限がある中では苦しんではいるが、制限緩和されると徐々に来場者が回復傾向にあり、2021シーズン最後の3節では、平均12,682人と高い来場者を記録。

今回の開幕戦では、17,544人の来場者数だった。
川崎フロンターレにとってこの来場者数は、2020シーズンの開幕戦以来の15,000人以上の来場者となっている。
(明治安田生命J1リーグのホーム戦のみを対象)

順位もここ数年優勝を何度も獲得し、さらに来場者数も増加傾向のある川崎フロンターレがどのような取り組み・ホスピタリティの向上の施策を行っているかをここからは見ていきます。

2.スタジアムホスピタリティ

①スタジアムまでの移動

最寄り駅は、「武蔵小杉駅・武蔵中原駅・新丸子駅」の3つが徒歩でスタジアムに向かうことが出来る。
その他にもバスでスタジアムまで行くことが出来るので、アクセスはしやすいと思いました。

今回私は、武蔵小杉駅から徒歩で向かい、約20分ほどでスタジアムの方に到着しました。
駅についてまず感じたことは、フロンターレカラーに染まった場所だということを感じました。

武蔵小杉駅周辺のフロンターレ装飾

郵便ポストや看板、駅の支柱、バスのカラー(これはたまたまかもしれないです)など至る所にフロンターレがあり、いかにフロンターレが地域に根付いた存在なのかを感じさせられました。

また武蔵小杉駅には、公式グッズショップ「アズーロ・ネロ」& 公式カフェ 「フロカフェ」という施設があり、試合前に立ち寄ることはもちろんのこと、普段から利用できるお洒落なカフェとなっていました。
「風呂(フロ)」をイメージとしたカフェでは、他では味わえない雰囲気と限定のメニュー、そしてグッズショップでは様々な企業とコラボした商品が並んでおり、ここでしか味わえない空間がありました。
中心街でクラブとして常設オフィシャルカフェ・グッズショップを運営出来ることは、クラブの多大なる努力の成果だと感じました

川崎フロンターレオフィシャルグッズ&カフェ
お風呂をイメージとした館内

②スタジアム周辺について

(1)子供たちが来場しやすくなる取り組み
会場に到着し、まず目についたのは、フロンターレカラーに染まった遊具。

スタジアム周辺にある遊具

試合前にこの遊具で遊んでいるお子さんと家族連れの方が多くいました。
家族連れにとって、子供たちが試合前の時間のある時に体を動かせる、楽しめる施設が近くにあるのは、気軽にスタジアムに来場しやすくなる動機にもなると思うし、試合日以外でもフロンターレの存在を感じることが出来るため、クラブが身近な存在に感じることにもつながると思う。
このように遊具にチーム名やマスコットキャラクターがあるクラブはこれまで見たことが無かったので、クラブと地域、施設の関係性の良さを感じた。

また今回は、子供向けのイベント「等々力“スーパー”キッズランド」が開催されており、LOTTEさんとコラボした3つのアトラクションには多くの子供たちが参加していた。
ただスタジアムでサッカーを楽しむだけでなく、小さな成功体験・嬉しさなどを重ねていくことが、子供たちがまた来たくなる動機、そして大人になってもフロンターレを応援したくなることのに繋がると感じさせられた。

子供向けのアトラクション

(2)場外ブースと気づかい
多くのグルメやイベントが行われている場外ブース。
スタジアムの入り口には、会場マップも設置され、場外ブースの配置がどこにあるのかが一目でわかる。
当たり前のことになりつつありますが、大阪から来た私にとっては非常に分かりやすく、初めて来場される方にとって本当にありがたい気づかいだと思います。

場外ブースの会場MAP

試合のキックオフが19:00のナイターゲームだったため、グルメを食べよう思い、オフィシャルパートナーの和幸さんのお弁当を食べることにしました。
購入するとお弁当の入れ物はフロンターレカラーになっており、スタジアムだからこそ味わえる雰囲気を感じました。

和幸さんのお弁当

このお弁当を購入した際、販売を行っている方が、どのお客様に対しても「今日は寒いですが、お体に気をつけてください」や「フロンターレを一緒に応援しましょう」など笑顔でお話をしてくれました。
その姿勢からただ販売を行うだけでなく、クラブ・地域を盛り上げるため、そして来場した方を少しでも気持ちよく楽しんで頂けるように共にスタジアムという空間を作る一員として戦われていることを感じました。
オフィシャルスポンサーだからという訳ではなく、本心からフロンターレを応援したいという想いを感じた瞬間でした。

(3)コンコースでの雰囲気づくり
いざスタジアム内に入ると、ポスターの多さに驚いた。

場内のポスター

新しいグッズ情報やファンクラブ入会の案内、試合日程など幅広い状態が至る所にあった。もちろんこれは情報をお客様に知ってもらうことも目的としてあるが、もう一つの狙いとして雰囲気づくりにも繋がると感じた。
他のスタジアムだと、コンコースはチームカラーを中々出しにくい部分。

そんな中でポスターを多く設置し、チームカラーを出しつつ、情報を伝えるという当たり前のことだけど、そこを突き詰めて行うのは、大切な部分だと感じた。通路もフロンターレカラーなので、応援に来たという気持ちが高まることに繋がっていると感じた。
このポスターを設置することは大変な労力がかかるんだろうなと他のクラブに関わらせて頂いているからこそ、しみじみと感じた・・・

(4)席種の多さ
通常の席以外にも、来場者に合わせた幅広い席種があるのも魅力に感じた。

メインスタンドのバラエティーシート

家族連れが座りやすいファミリーシートでは、通路も他よりも広く荷物を置くスペースもあるため、荷物が多くなってしまう家族連れでも来場しやすくなる。またテーブルもあることで食事もしやすく、遊べるスペースもあるので、安心して試合観戦が行える。

ファミリーシートの様子

その他にも、12~15人ほどでアウトドア感覚で試合を楽しめるパーティーシートやテーブル付きのペアシート、グループの観戦におすすめなグループシートなど、来場者に合わせた席が用意されており、ニーズに合わせた席選びを行うことができる。
サッカーを楽しんでもらうだけでなく、スタジアムという空間を通して非日常体験を提供し、楽しんでもらうための環境作り。その想いがクラブだけでなく、ファン・サポーター、地域に広がることでスタジアムでの様々な環境に繋がっていると感じた。

そして、昨年には等々力陸上球技場が専用スタジアムになる案が出された。

多くのスタジアムが専用スタジアムに変わりつつある中で遂に川崎フロンターレも専用スタジアムに。
どんな空間になるのかが非常に楽しみです。

3.来場して感じたこと

今回来場して感じたことは、「ファン・サポーターとクラブの密接な関係」

私がスタジアムを歩いているとゴール裏周辺でサポーターの方のブースがありました。そこでは、横断幕作成の費用の募金活動と歌詞カードの配布を行っていました。そして必勝だるまの製作費も集めていました。

サポーターの方のブース

この時は、まだ自分は必勝だるまとクラブの関係性をあまり理解していなかったのですが、帰ってから調べるとこの活動の始まりは2011年にまで遡る。
2011年新体制発表会でサポーター有志からチームへ必勝を祈願して寄贈されたものであり、それがここまで脈々と受け継がれてきた。
その中でアクシデントなどもありながらも、クラブと共に歩んできた歴史が詰まったものだと言うことを知りました。

ファン・サポーターとクラブ・地域の方と共に歩んできた「必勝だるま」
そしてこの歴史を選手が理解し、念を入れているシーンも多くあった。
準優勝が何年も続き、クラブの取り組みが批判されることもあった中で、クラブが目指すビジョンに向けて、取り組み続けた地域密着
クラブの方向性を変えず、取り組み続けたことで今のフロンターレがある。
近年は優勝を何度もしているクラブですが、その裏側には苦労の歴史が積み重なり、そんな方たちの想いが詰まったのが「必勝だるま」

その想いをのせて、選手・クラブ・ファン、サポーター・地域の方を繋げ、
「必勝だるま」を通して、共に戦い、勝利に向かって進む。

そして多くの方に楽しんで頂ける場所づくりを関わる全ての方自ら行っている姿は、クラブがどれだけこの地域にとって無くてはならない存在なのかを感じました。


少し余談になりますが、大阪に帰宅後、中々見れずにいた『One Four Kengo The Movie〜憲剛とフロンターレ 偶然を必然に変えた、18年の物語〜』を見に行きました。
この記事を書くには、歴史を知らないといけないと思ったからでした。

伝えたいことは多くありますが、一番クラブを象徴した言葉は、

「勝てない時こそ、私たちの出番」

これにクラブとそこに関わる方々の全てが詰まったものだと思いました。
どんな時でもクラブと共に歩み続けた歴史。
これからも川崎フロンターレは関わる方々にとって無くてはならない存在であり続けると共に更なる進化をすべての方々と歩んでいくことを感じました。

もしこの記事を読んで、まだ映画を見ていない方がいましたら是非見てください。
スポーツ・クラブの本当の価値を知ることが出来る最高の映画です。

4.まとめ

今回、等々力陸上球技場に来場し、自分が想像していた以上に川崎フロンターレが地域に根付き、愛されているクラブだということを感じました。
ファン・サポーターの方のみならず、地域の方・関わる全ての方が応援し、今の川崎フロンターレが成り立っている。

その過程には、クラブスタッフや選手の多大なる努力の積み重ねがあり、それを多くの方が理解しているから、多くの方の拠り所としてクラブが存在する。
川崎フロンターレが目指すクラブのあるべき姿は非常に共感の多いあるべき姿でした。

また多くのことを学ぶために、行かせていただきます!
ありがとうございました!!

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
このnoteでは、今後も定期的にスタジアムホスピタリティについての投稿を行います。
スポーツ業界がより、多くの方に夢を与える場所であり続けるために今後もその力添えになれるよう、取り組んでいきたいと思います🔥

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