片羽の鳳凰は青藍の空を恋う 第14話
藍と引き離された皓皓は目隠しをされて何処かに運び込まれ、拘束を解かれたのは、薄暗い牢屋の中でのことだった。
道中聞こえてきた、宛の臣下の話の断片から予想する限り、どうやら此処は皇宮の地下にある牢らしい。
鉄格子の間から周囲の様子を伺うと、六つある独房のうち、人がいるのは皓皓のいる此処だけのようである。
気掛かりなのは藍のことだ。
藍は思惑通りの形で宛と対峙し、間違いを正すことが出来るだろうか。
叶うことならそれを見届けたいが、自力で牢を脱出する術は見付かりそう