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大阪生まれ大阪育ち、先生を辞めて飛騨のトマト農家にきました!

こんにちは!まるかじり農園のななです!
拓さんに続き、私もインタビューをしていただいたので、noteにしてもらいました!
これまでのこと、飛騨に来た理由、まるかじり農園での挑戦などお話しています。

まるかじり農園:平澤 奈々 (ひらさわ なな)
大阪大東市生まれ。幼少期〜大学、社会人1年目までを地元大阪で過ごす。教育系の大学を卒業し、小学校の先生としてキャリアをスタート。社会人2年目となる2020年に飛騨に移住。中学校で美術の先生として働くも違和感を抱き、転職を検討していた際「まるかじり農園」代表の妻と知り合い、現在当農園で修行中。トマト染めなどの商品開発も担当。

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まるかじりのナナちゃん Twitter : marukajiri_nana

将来ここに来るだろうと直感した飛騨の地

ーー まずななさんの生い立ちから教えていただけますか?

なな:
漫画を読むことや絵を描くこと、何かを作ることが好きな子でした。
私の母が結構オタク気質で、いろんな漫画を勧められて読んでいたり、小学校3年生の時には鋼の錬金術師のイベントに連れていかれたりとオタク教育を受けていました(笑)

そんな母は中学で美術の先生をしていて、その影響で小さな頃から先生という職業になんとなく興味を持っていました。
進路選択の際には、地元にある教育専門の大学に進学を決め、教員試験にも合格し社会人1年目は地元の小学校で先生をしていました。

ーー 飛騨に来るまではずっと大阪に住んでいたんですね!どういった経緯で飛騨に移住しようと思ったんですか?

なな:
大学に入ってから始めたクロスカントリースキーをきっかけに今の旦那さんと出会い、彼の地元が飛騨だったので、半分押しかけるようにして嫁いできました。

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ーー 同じ大学に通っていたんですか?

なな:
いえ、出会ったのは北海道なんです!
大学3年生のときに北海道で3週間のスキー合宿があり、私はそれに参加していて、ちょうどその時に岐阜県スキー連盟のコーチとして同じゲレンデにいたのが今の旦那さんです。
そこでの出会いをきっかけに付き合い始めました。

そして付き合い始めて半年経ったころ、彼に連れられて始めて飛騨に遊びにきました。
旦那さんの実家(飛騨の結構山奥)に着いた時、「なんやこの最果て感!最高やん!」と猛烈に感動して「将来私はここに来るだろうなぁ」と感じました。

私の地元も旦那の実家ほどではないんですが、自然が多い場所で、小さい頃から自然や植物に触れるのが好きだったんです。
目に映る大地や森の木々がきらきらして、空気がとても心地良くて、一瞬で心を奪われました。

ただ、その時はまだ大学生だったのと、彼は名古屋で消防士を目指していたので、すぐに飛騨に来ることは考えておらず、地元大阪の小学校で先生をするという選択をしました。

移住を決断した社会人1年目

ーー その後、何がきっかけで実際に飛騨に移住する決断をされたんですか?

なな:
大学生の時も学校の先生をしているときも「とにかく真面目に生きないと!」「先生として子供たちのお手本にならないと」と、強迫観念のように思っていました。

そういった自分で自分を縛り付けてしまっていたことで、毎日に苦しくなってしまって。

自分の人生は自分で切り開いていかなきゃと思い立ち「もう、飛騨に行く!行きたい!」と彼に宣言しました。

そうしたら、彼がそれだったら自分も飛騨に戻るよと言ってくれて、2020年の4月に移住してきました。

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先生をしていた時のななさん(大阪のおじいちゃんと)

ーー ななさんの決断と行動力がすごい..!飛騨に来てからすぐに「まるかじり農園」で働き始めたんですか?

なな:
いえ、こっちに来て最初の1年間は美術の常勤講師をしていたんです。
教員採用試験を受けて正規雇用を目指していたんですが、1年間とても忙しくて、慣れない土地で大変なこともあり、せっかく飛騨に来たのに、仕事場と家の往復ばかりで、飛騨の四季やこの大自然を感じながら生活できていないことに“なんのために飛騨にきたのか”と自分自身何がしたいのか、どうなりたいのか振り返ることが増えてきました。


それで、やっぱり私は心からやりたいって思えることをしたい!と、採用試験の1週間前に受験を辞めちゃいました!

ーー え!またしてもすごい決断ですね!その後どうされたんですか?

なな:
本当そうですよね(笑)我ながらびっくりする勢いで辞めました。
振り返ってみると、小さい頃から好きなもののため我が道を行くタイプだったんですよね。

それで採用試験の受験を辞め、そのまま3月末で退職し、ハローワークなどで新たに仕事を探しはじめました。

まるかじり農園との出会い

ーー 農業にも興味はあったんですか?

なな:
ありました!でも農家さんにも色んな人がいるだろうしなぁといまいち一歩踏み出せずの状態でした。
そんなとき、旦那さんの知り合い経由でgranowaの糸井ナオミさん(カメラマン)がアシスタントを探しているという話を聞き、そこで働かせてもらうことにしたんです。

ただアシスタントの仕事は月に4回ほどだったので、引き続き仕事は探していました。
なおみさんの元で働き始めてから2ヶ月くらいたった頃、なおみさんの家の梅狩りに誘ってもらったんです。
この梅狩りがいくえさんとの出会いです!(いくえさん:まるかじり農園代表の妻兼デザイナー)

その時いくえさんから「うちの旦那がトマト農家やってるよ!」と教えてもらい、とってもときめいてここで働きたいと即決しました。

梅狩り2

いくえさんと出会った梅狩りの様子

ーー 人と人との縁を手繰り寄せて繋がっていく感じがとても素敵ですね!そしてまるかじり農園で働くことになったんですね。まるかじり農園ではどんなことをしているんですか?

なな:
はい、本当に素敵な人たちからいただいたご縁に感謝しています。普通に過ごしていたら絶対出会えなかったですもん!運命的な出会いだなあと思っています。

まるかじり農園では、代表の拓さんのサポートとしてトマトのお世話や収穫、ハウスの準備などをしています。
自分にとっては新しいことばかりで、トマトが育っていく過程の1つ1つに純粋にとても感動しています。

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始めて思った感覚なんですが、夏の暑さがなんだかすごく嬉しかったんです。
自然の中で土とトマトの匂いを嗅いで、汗をかいて、全身で夏の暑さを感じて働いていることにとても喜びを感じました。

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ーー ななさんの表情からすごく喜びとエネルギーが伝わってきます。今、働く中でどんなことを大切にしていますか?

なな:
さっきもお話したんですが、先生をやっていたときは「とにかくちゃんとやらなきゃ」「ちゃんとした人間にならなきゃ」って思ってたんですよね。
それがまるかじり農園で働くようになってからは「目の前のこと全部が楽しい!もっと自分で楽しまなきゃ!」「もっともっと吸収したい!」と思って毎日過ごしているんです。

先生をしていた時は正直なところ、目の前のことに必死で季節を感じられるほど余裕をもって過ごすことはできていませんでした。
だからこそ、それができる今、自然の中にある季節をちゃんと感じて生きないのはもったいない、全力で全身で感じて生きたいと思っています。

これからの目標

ーー 最後に、これから挑戦したいことを教えてもらってもいいですか?

なな:
はい!実は今、トマトの加工品開発に挑戦しているんです!
具体的には、トマトの葉っぱや枝、実で布を染める「トマト染め」です。

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左:トマトの脇芽で染めた色/右:元々の色

大学の授業で草木染めを習ったことがあって、それがすごく楽しくて一時期ハマっていたんです。
ある日、何の気なしに「トマトでも何か染めれないかな?」
といくえさんと話しているときにポロっと言ったら、「それいいじゃん!やってみようよ!」と言ってくださって。
趣味程度のものだったし、私なんかで商品にするレベルのものなんてできるかな、、と不安もあったんですが、いくえさんに後押しされたら、何でもできる気がしてくるんです。

トマト染めと聞くと、赤く染まるんじゃないかと思いますよね?
それが、トマトの赤い成分のリコピンは水に溶けない成分なので染め出そうと思っても赤い色は出てこないんです。なかなか苦戦しています。でも染めることがただただ楽しくて!


0から試行錯誤して作っているので、難しいし上手くいかないこともたくさんですが、こうやって私の好きなことを活かせる場を作ってもらえることが本当に嬉しいので、楽しみながら色々試して商品化できるよう頑張ろう!と奮闘しています。

そして、もう少し先の目標になるんですけど、いずれは旦那さんの実家で私も農家をやりたいと思っています。トマトの他にも果物も作ってみたいな、なんて妄想も膨らませていて。
そして色んな植物や野菜、果物で染め物もやってみたいんです!

そして大阪からいきなり移住して来た私を快く受け入れてくれた、お義父さん、お義母さん、そしてこの地域に恩返しがしたいし、この先この地域に移住してくる人の役に立てるようなことをしたいと思っています!

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ーー ななさんの眩しい笑顔と好きなことに突き進んでいく姿がとっても魅力的でした。お話聞かせていただきありがとうございました!!

【インタビュー&執筆】
みなべさとこ
Twitter:@satopeminako

【撮影】
Mana Kato
Instagram:@kt____mn


サポートいただきありがとうございます! より美味しいトマトとまるかじり農園の日常をお届けできるよう、家族を大切に、日々まわりに感謝し過ごしていきます。