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【オーガニック】個人的には否定もしません、特段おすすめもしません
X(旧Twitter)でこんなつぶやきをみました。
そもそも学校給食にとって「オーガニック」は相性が悪いと思います。以下のような観点について、ご検討いただければと思います。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
(長文・連ツイになります) https://t.co/haXvBqRQrd
机上の空論でなく、現場サイドから至極真っ当で現実的な意見を挙げてる方がいるなと目について、ツリーや元リンクを追いかけてみました。
事の発端はとある議員さんのポストで、そのリポストから更に派生した模様。
子どもたちの笑顔と未来はオーガニック給食で守れるんですか?なんで? https://t.co/sqDEk16fBD
— 野口まさし (@masashi_ngsk) April 5, 2024
冒頭に紹介したポストは、このリポストへのアンサーに対する更なる意見だったようです。
続きます。
a. 給食は、何百人という全校生徒が同じメニューを食べるので、大量の食材が必要。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
⇔
有機農業は化成肥料や農薬を使用しないぶん大変な手間がかかるため、大面積での栽培に向かず、少量生産になりがち。
少量生産となると、1校につきいくつの農家さんと契約しないといけないのかしら、ともなりますね。
b. 給食は、1か月前からメニューが決められており、例えば「○月○日に大根〇〇キロ」「ニンジン〇〇キロ」など、必要な食材は変えられない。欠品欠量は許されない。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
⇔
有機農業は肥料や農薬の使用を制限するので、収量が不安定になるのはやむを得ない。
だから1社だけじゃないですもん、納品業者さん。
しかも、それが毎日ときたもんだ。
c. 給食は、大量調理・大量喫食なので衛生面が極めて重要。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
⇔
有機農業は農薬を使用しないので、虫の混入や、食害痕、病痕が残ることがよくある。
本当に厳しい。
家庭での調理とも飲食店とも異なりますからね。
d. 給食は、昼までには確実に完成させなければならないが、調理員の人数は限られているので、作業工程を平準化しなければならない。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
⇔
有機農産物は、肥料や農薬を制限するので、収穫物に大小があるのは当たり前で、見てくれの悪いものも多く含まれる。
標準化された食材を使うから効率よく作業できるのに、都度都度対応してたら間に合わないし(間に合わそうとしたらマンパワーが必要)、例えば虫食い部分が多くてそれを取り除いた分材料が減ると、多めに発注しとかないといけなくなりますね。
皮や芯などを取り除くことが前提なので食品成分表に記載されている廃棄率を見て発注しているわけですが、廃棄率のなかに虫食いは含まれてないですからね、、
![](https://assets.st-note.com/img/1712568538674-cwvOgCVfgn.jpg?width=800)
e. 給食費は、保護者の負担と自治体の予算に拠っているので、不必要に高くなってはならない。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
⇔
有機農産物は現在でも需要は大きく引く手あまたで、販売金額の高いところや納入量の融通が利くなど、給食以外にいくらでも良い販売先がある。
一般家庭でも高価なオーガニック食材を日常的に買い続けることが難しいから、店舗や販路が限定的なわけで。
それを、低予算に抑えたい学校給食に取り入れようとするのは「気持ちはわからんでもないが」としか言いようがありません。
f. 小平市の場合、市内産農産物の給食への納入の需給調整は、農協が行っている。
— 中村利行/農産物直売所 ファームショップ中村園/キウイフルーツ「東京ゴールド」 (@takaogrape1) April 7, 2024
⇔
農協は化学肥料や農薬を供給する役割があり、それによる利益も得ている。一方で肥料や農薬を販売し、他方で有機農業を推進することは、アクセルとブレーキを同時に踏み込むようなもので、経営的にあり得ない。
終
有機農業は確かにいいものかもしれないけれど、だからといって化学肥料や農薬が悪いかといったら、そんな単純な話ではないですよね。
そもそも食べ物に使われる薬品や添加物は、毎日摂り続けても何の害もない量(無毒性量)の1/100を1日の規定量と定められているので、どんどん摂っていいよとは決して言わないですが、ゼロにするほど躍起にならなくてもいいと個人的には考えています。
食の安全性は確かに大切です。
添加物や代替食品(例:バターの代わりにマーガリン)、加工食品を避けたい気持ちもわかりますが、悪に仕立てあげないでほしいです。
金銭的な事情や環境(販売している場所がないなど)によって、それしか選べない方もいるのです。
そして私は、特にオーガニックや無添加にこだわっている管理栄養士ではありません。
大差ない金額で並べられていたら手に取ったりするぐらいだし、色々試して自分に合う(味の好み)&続けられると感じた方を選んでいます。
その代わり、コンビニ食やカップ麺、ファストフードは多用しないように気をつけています。
好きですけどね、カップ麺もファストフードも。
改めてになりますが、食の安全性は大切です。
しかし、あまりがんじがらめにならず“あそび”を持たせて、美味しく楽しい食事の時間が過ごせるのが私の理想で、そのスタンスで食事指導をおこなっています。
もちろん、オーガニックや無添加を否定しているわけではないので、ご安心を。
***
追記(2024.4.9)
オーガニック(有機栽培)も農薬や化学肥料を使った農法も選択肢のひとつですと書かれたnoteがあったので参考に貼り付けておきます。
食事を選ぶ基準はその時々で変わっていいと思います。選ぶ側は、です。
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