こうのとり風土セントラルファームのコロッケを食べて蘇った記憶|畜産の持続可能性と循環
先日、兵庫県豊岡市こうのとり風土セントラルファームの但馬うし経産牛切り落とし肉、モモスライス、牛肉コロッケのセットを購入しました。一口食べたときに、2016年にオランダでこうのとり風土セントラルファームのわたださんから聞いた思いが蘇りました。
持続可能性を考えてオランダ視察へ
2015年にわたださんよりご連絡を頂き、牧場の持続可能性を考えており、機械化や効率化でそれらがどこまで可能かどうかをオランダに見に行きたいとメッセージを頂きました。お互いの興味関心が合致したWagyu Farmさんを訪問することになりました。
メッセージを読み返していると、当時私は半ベジタリアンで牛肉をあまり食べていなかったようです。そして肉類の購入基準は、鶏肉を含めて「歩いた育った(放牧)」と書かれたものだったそうです。
オランダのWagyu Farmとは
わたださんと訪問したオランダのWagyu Farmについては、agritersの「ニッチマーケットを狙い続ける」に以前まとめました。ご興味ある方はご一読を!
訪問時のWagyu Farmの基本となる飼料は、自家栽培または地域の牧草とトウモロコシでした。子実トウモロコシも青刈りトウモロコシも栽培し、天候の関係で地域のトウモロコシが不作の場合にはフランスなど近隣諸国から輸入していました。
エコフィードや飼料の試行錯誤は続く
こうのとり風土セントラルファームは、1970年から続く牧場を2005年にわたださんが継承し、子牛の販売をしています。2016年時から、肥育牛の直接販売も試みており、当時から、牧草、トウモロコシやふすまの配合飼料、ビール粕、コメぬかなどのエコフィードを使用し、飼料の自家または地域での栽培に注力していました。今では豊岡市内のアンテナショップやECサイトでの直接販売も実現されています。
オランダ訪問を受けて、地域で作られた飼料を使うことの大切さを再認識されたそうです。試行錯誤の結果、現在は自給牧草、おから、酒粕、米粉、米ぬかなどの地域のエコフィードを活用しています。
さらに、河川敷で収穫した牧草や田んぼで収穫した藁をえさに、牛ふん堆肥を田んぼに散布して循環させながら牛肉の生産をしています。
その牛肉が入ったおいしいコロッケ
私はある程度色々なコロッケを食べている自負がありますが、こうのとり風土セントラルファームの牛肉コロッケはとてもおいしくて驚きました。
ジャガイモ好きとしてこんなことを言うのもなんですが、お肉が贅沢に入っているコロッケはおいしいですね!ジャガイモもクリーミーでおいしい。家庭調理でここまでつぶすには相当な根気が必要です。
お肉もおいしい!何より、Wagyu farmで赤身肉を食べながら説明してくださった「作りたいお肉」がまさに表現されていることがすごいなーと。
これを書こうと思ったきっかけは、こうのとり風土セントラルファームのコロッケとお肉を口にした瞬間に、2016年夏にオランダでお会いして聞いた思い、豊岡市の牧場へ訪問時に飼料の試行錯誤をしているご様子、わたださんのお嬢さんが浜松市に遊びに来たときに聞いた「好きなこと、やりたいことに向けて頑張っているお父さん、お母さんが楽しそうだ」という話が一気に蘇ってきたからです。宣伝っぽいですが、宣伝ではないです。
目を背けたいことを含めて色々なことが多々起こりますが、おいしいコロッケとお肉を食べて笑顔になれるうちはまだ大丈夫だと思っています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?