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休職中はサナギの時間

「寝ても寝てもずっと眠い。ずっとぼんやりするの。」

薬の副作用で。逆に何も考えないからいいけど。と付け足したあと

「今は生まれ変わりの時間なのかな」

と旦那にラインを打つ。

すると

「サナギの状態だと思えばいい。ジタバタしてもしょうがない」

と返信がきた。

合わせて

「そーゆー時間って大事」

と言葉も添えてあった。いつも旦那のセンスある言葉に癒される。


今は実家に帰っている。基本的に一人で過ごしている私を心配して実家に帰ってくれば、と親からの打診があったからだ。

でも親はごりごりの昭和なので帰って早々

「鬱は甘え」「お母さんの時はもっと大変だった」「まるのなにが辛いの、恵まれてるじゃない」「お母さんの時代じゃ働けない」「やめたらどうするの」「もう休んだでしょ。早く働きなさい」などなど云々かんぬん。


ザ☆毒親


いや、この歳になると親のことは心底嫌い、とかそーゆー気持ちは消えて、一人間として悪いところは許せているよ。でも今はダメだ。心がやっこいから。自分の親から言われる言葉がダイレクトに刺さってめちゃくちゃ痛かった。

カッとなってすぐに帰ろうと思ったけど、友達との約束もあったし、帰らない。ドアを閉めて部屋に籠る。結婚してからも私の部屋があるのはありがたかった。


窓を開けてふぅ、と息をはく。この部屋はとても落ち着いた。

場所が変わっただけど、やることは一緒だった。


薬を飲んで布団に横になる。YouTubeでカウンセリングのような動画をラジオのように流し、ぼーっと目をつぶる。


予定がない日はずっとこうして心を休めた。

薬を飲み始めた時は眠すぎるのと、体が動かなすぎるのとで、これはまずいんじゃないか、、と思ったものだ。でもなれてきたら、眠さが少しマシになってきて、ネガティブを考えることができないようにぼーっとするので「これはいいぞ」と思った。

横たわりながら考える。


私はサナギだ。


蝶になるまでの期間なのだ。

そう思って私はまたそっと目を閉じた。





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