原価計算:計算方法について〜Cost Accounting〜
皆様、こんにちは。Martinです。
Cost Accountingの3種類の計算方法について学んでいこうと思います。
1)Job-Order Costing(個別原価計算)
2)Process Costing(総合原価計算)
3)Standard Cost Accounting(標準原価計算)
上記について学んでいきたいと思います。
原価計算の基礎知識を使用しながら計算を行っていきます。
そのため、もしそちらを読んでから先に進みたい方がおりましたら下にリンクを貼っておきますので是非読んでみて下さい。
第一回目:https://note.com/martin18/n/ne78e57843cb
第二回目:https://note.com/martin18/n/n8d2d5b07d23d
それでは、Job-Order Costingについて学んでいきましょう。
Job-Order Costing(個別原価計算)
Job-Order Costingとは、個別原価計算です、
受注生産形態に対応した原価計算の方法であり、顧客の受注に応じて作成される製造指図書ごとに原価を集計するものであります。
つまり、お客様から注文(受注)があってから生産を始める際に使用される計算方法です。
オーダーメイドの商品の販売を想像して頂ければ結構です。
計算方法
Cost Accountingには、大きく2種類の費用があります。
直接費と間接費です。(前回に解説があります。)
それぞれの原価への生産方法は、
・製造直接費は、実際に発生した原価を各製品に含めます。
つまり、生産している製品にそのまま費用を含めます。
・製造間接費は、一定の基準に従って原価を各製品に含めます。
つまり、基準を設けて工場内等の各製品に含めます。
基準は、企業によって異なる基準を持っていますが例を上げていきたいと思います。
1)価格法:直接材料費や直接労務費などを基準にします。
2)生産数量や重さなどを基準にします。
これらを踏まえて、原価が決定されていきます。
次に、Job-Order Costingの特徴について解説していきます。
特徴
売上の立ち方に特徴があります。受注があったのちに生産に入りますので、売れる保証があって生産を行います。
そのため、一見最初から売上が確定しているように思われますがこれは間違いです。
ステップとして解説していきます。
1)商品が受注される。
2)商品が未完成のとき、Inventory(Work in Process)として計上します。
3)商品が完成・未引渡のとき、Inventory(Finished Goods)として計上します。
4)商品が完成・引渡済のとき、Salesとして計上をします。
お客様に商品が渡って初めて売上が立つということです。
それまでは、お客様のオーダーメイドでも自社の製品とすることになっております。
以上がJob-Order Costingとなります。
Process Costing(総合原価計算)
大量生産を行う際に使用される原価計算
Process Costing
Process Costingとは、総合原価計算と呼ばれます。
大量生産形態に対応した原価計算と方法であり、一定期間に発生した原価を集計し、製品単位あたりの製造原価を計算するものであります。
計算方法
発生原価を直接材料費とそれ以外の原価(加工費)に分類して集計をする。
1)発生時
今までの学習の中で、直接費と間接費がありました。
それを足したものが発生原価となります。
内訳をみてみましょう。
・製造直接費(直接材料費・直接労務費・直接経費)
・製造間接費(間接材料費・間接労務費・間接経費)
これを、Process Costingを使用する場合、計算方法を変更します。
Processing Cost(加工費)という科目を使用します。
加工費=直接労務費+直接経費+製造間接費
そのため、Process Costingの発生原価の内訳は、
・直接材料費
・加工費
上記2点の合計になります。ここでのポイントは、直接材料費と加工費を分けるということです。
さらに、加工費は進捗度によってInventoryの種類が変わります。
そして、内訳を変更しても、発生原価の合計は変わりません。
Job-Order Costingよりもざっくりとした計算方法ですね。
あとは、Job-Order Costingと同様に完成済・引渡済で売上に計上する。完成済・未引渡でInventory(Finished Goods)で計上をする。未完成・未引渡でInventory(Work in Process)で計上をする。
これを抑えれば、Process Costingはマスターです。
少し異なることがありますが、コンセプトは原価計算ですのでしっかり抑えておきましょう。
それでは、次の計算方法へ行ってみましょう。
Standard Cost Accounting(標準原価計算)
Standard Cost Accountingとは、標準原価計算と呼びます。
製品の製造前に標準的な原価を設定し、製造後の原価と比較してその差額を把握することで原価能率を高めていく方法であります。
製造前に、予測の原価を決める。そして、実際に費やした原価と比較することができる。
→これにより、PDCAサイクルを回すことができます。
計算の流れ
大きな流れをステップに分けて解説していきたいと思います。
1)期首時点。標準原価の設定を行う。(Plan)
・大体このくらいで作れるはずという計画。→直接材料費
2)期末時点。実際原価の集計を行う。(Do)
・製造後に結果を算出をする。
3)差額を把握する。(Check)
・PlanよりDoが大きければ、良くない。DoよりPlanが大きければ、良い。
〜計算方法〜
直接材料費
価格差異=(SPーAP)*AQ
数量差異=SP*(SQーAQ)
・SP: Standard Price(標準化価格)
・AP: Actual Price(実際価格)
・SP: Standard Quantity(標準消費量)
・AQ: Actual Quantity(実際消費量)
直接労務費
賃率差異=(SLR ーALR)*AH
時間差異=SLR*(SHーAH)
・SLR: Standard Labor Rate(標準賃率)
・ALR:Actual Labor Rate(実際賃料)
・SH: Standard Hour(標準時間)
・AH: Actual Hour(実際時間)
4)原因を把握する。改善活動を行う。(Action)
・結果(価格の問題か消費量の問題)から分析・改善を行う。
ここから分析をしていく場合は、経済的な要素以外にもたくさんのことを読み取ることができます。
そして、そこから改善をしていくことは各業務を少しずつ良くする効果があります。積み重ねることで大きな成長率へと繋がるかもしれません。
そんな一見小さいようなことですが、Standard Cost Accountingはいずれ大きな成果にも繋ぐことができる一面もあります。
しっかりマスターしておくようにしましょう。
まとめ
以上が原価計算の計算方法の種類別の解説でした。
確かに異なる種類としてですが、根本は全て同じです。
一度理解してしまえば、難しいことは何もありません。
さらに、どの製品に対してどの方法が適切であるかが別れます。製品の特製などをしっかり把握しましょう。
これかも多くのことを学んでいくつもりです。
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それでは。
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