シェア
葭本しづき
2024年4月10日 00:48
メジハナ浦にメジハナという場所がある。小さな岬であり岩上の僅かな平地に神社が建っている。名をメジカ神社と称する。平家の姫が鹿にのり流れ着いたという貴種流離譚の由縁をもつ。キビラというその姫は、まもなく息を引き取るらしかった。腹に子を宿していた。地元の産婆によってとりあげられたその子はやがてすくすくとよく育ったという。以後、姫を子宝安産の神として祀ったのが当社のおこりと口碑は伝える。この岬から望
2020年7月22日 22:10
沼とか泥とか、古代人にとっては神を感じるものの中でも大きな領域を占めていたんじゃないか、という気がする。つまり、病(呪い)の源泉であり、作物の生育は良い。水ほど液体的でもなく、土ほど固体的でもない。底があるのかないのかも分からず、足をとられると脱出は困難だ。有るものがそこを潜ると別の状態になる。という風に沼には恵みと煩いが同居している豊かで昏い場所として古代人に印象づけていたん