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新年度売上目標は○○%増を目指す

昨年の末あたりから新年早々、そして年度末から新しい年度始まりといろいろ他の出版社さんの方とお会いしたり、SNSでのやり取りしていて気になった事が・・・

コロナ渦も過ぎ、人が徐々に動き出し始めた・・・から? 売上目標昨対比120%とか15%増を目指す

え、昨対比115%とか120%を目標に・・・?
これだけ本売れてないのに、何か急に本に回帰したり売れる要因、施策が何か見つかったんですか? と聞きたくなります!
という話題がごく一部、お仲間さん的な内輪話で盛り上がってしまいました。

そこにですね、地元でもそうなんですがお店が何軒も閉店、廃業されている・・・ということは売り場面積減ってるんですよね?

で、どうやって売り上げを伸ばすのか???
まさかのゲリラ的にぶち込んで行くとか…まさかそれはないよね?

いやいや、企業活動で昨対比90%で良いなんてのはありえませんし、ましてやとりあえず100%で行きましょうなど、どれだけやる気ない会社なんですか? って。

売上増やすには、とりあえず本をお店に送るために受注する必要があります。10年、20年前のようにまだ本屋さんがたくさんあるならまだしも、これだけ毎月閉店の話が出るし、本屋さんのない自治体比率もどんどん増えている状況、さてこれは困ったことになりそうな出版社の販促営業。

しかもですね、困ったことに全てではないにしろ大抵は返品可能なんですよね。振り切った話すれば、新刊が届いたその日、『これは絶対に売れない』とか数が多すぎて置けない時、返品しちゃおうっと・・・とも出来るのが少し怖い(するかどうかは別の話です)ですが、するしないは版元は決められないです。

中には昔ながらにお店に来てもらってるから出来る限り在庫置くよ、とか来てもらってるところ中心で売るから…とおっしゃってもらえる事もまだまだありますが…

なので受注数増やせば問題は解決、ではないと思うんですよね

そこに返品も出ないように考えて動け・・・という指示が出るともうどうもこうも

お店でも入荷すれば納品書が付いてきて、翌月には請求されますからそこまでには少しでも売れてなければ、その本に対してはマイナスしか残りませんから、やはり適正数での送品、販売が大事なのかなと思うのですが、なかなかそう簡単では無いのかなと。

『三位一体』そんな言葉、知らんと言わざるを得ないかのような部数を送り込み、結果売れずに返品とか最悪じゃないですか。
その本が半分の数で入荷していれば、その空いたスペースに違う本を置いてもしそれが売れてたら…とか。
そんな事考えたら自社の本置けないとか怒られそうですが、売れない本を押し付けるのもどうなのかなって思うのですが…

お店の数は減っている 出版社は少しでも多くの部数を本屋さんへ送りたい

ここで何が起こるかと言いますと(推測ですし、妄想ですよ)、少しでもたくさん本屋さんへ本を送りたい出版社、つまり送れば送るほど売り上げは立ちます(実際には売れてなくて、店頭に並んだだけ)。

そして本屋さんはどんどん閉店して減っています。

仮に送品する部数が同じとして・・・以前よりも一軒あたりに送られる部数は増えます

ということは取次さんから本屋さんへの請求は大きくなります。
本がどんどん売れてるなら良いんですよ、売れてれば。
今売れてない(のが多い)現状、さてどうしましょうかね?

返品すれば良いって話ですが、ペナルティがあったり返品率が高いっ!とお叱りを受ける事もあるようですね。
返品率高いって、要らない本を送ってるの誰? という話もありますが…。

各出版社、多数が売上目標アップを考えているはず

先ほども書きましたが昨対比マイナス、プラスマイナス0を目指す、目標数値にするのはありえません。

その状況で売上増をするには・・・

  • 既に発売済の本を売伸ばす

  • 新刊の点数を増やす

  • 新刊の部数を増やす

発売済の本を売り伸ばしたいところですが、これってそれぞれのお店で微妙に違ってたりします(それが面白いのですが)。
○○という本、これが同じチェーン店のA店では爆発的に売れているが、B店ではそれほどでは無く、C店では全く売れてなかった・・・ということは良くあります。

売れているA店はイベントとか新刊時のキャンペーンなどで伸ばした結果かもしれませんが、それはデータに反映されない事も多く、結果そこそこ売れているということでチェーン店全部に一斉送品、結果売れていないお店から返品増、返品率悪化ということは良くありました。

新刊の点数増、部数増・・・これはお店の数が減っているところへ、単純に数を増やしてしまうと店舗ごとへの送品点数増、部数増となり、本屋さんの負担増となり、結果返品増にに繋がる気がしてなりません。

返品減は無い事にするならまだしも・・・
返品を減らす…には送品減らすのが一番だと思うので。

何も考えずに送られてくる本への対策ってあるのか?

おそらくこれから先、こんな本今まで来なかったのにとか、この出版社の本見た事ない、急に毎月送られてくる雑誌の部数、アイテムが増えた・・・ということが起るんだろうなと。

そしてそれを何となく並べておくと、どんどん地域、来店されるお客さんに合ったジャンル、アイテムが減り始め、棚が地元のリピーター的なお客さんへの見せ方から離れてしまい、最終的にはガッカリ感を持たれてしまう気がします。
それを避けるためにも、地域的、季節的にこれは合わない、向かない、違う、売れないよねって感じたら外すなりしたほうが良いんじゃないかなと思う次第であります。

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