高坂Θ

「小賢しい」を自覚せねばと思う、こうさかしーたです。好きな分野は歴史で、 中でも、今は…

高坂Θ

「小賢しい」を自覚せねばと思う、こうさかしーたです。好きな分野は歴史で、 中でも、今は亡き橋本治さんの歴史論述が個人的にツボに嵌り、 氏の著作でよく行われていた方法を用いて、私も何か書いてみようと思い立ちました。

最近の記事

小林よしのり氏の「易姓革命」を論破する!

高坂Θです。敢えて題名にて大きく出ました。 掲載誌に投書しようが、当人のSNS等に意見を送ろうが、 小林よしのり氏が聞き入れるとは思えませんから。 易姓の「姓」は「ウジナ・ウヂナ」の事ですよ 「革命」の事は後にして、そもそも「易姓」の用語としての出典は 司馬遷の「史記」の中の「暦書」で、 「王者が姓を易え(違う姓の人物に替わるという意味)  天命を受けると~」と、明記されています。 さて、司馬遷は当たり前ですが紀元前の人物です。 紀元前を生きる人が歴史著述で使う用語は、紀

    • マスクの中の呟き:20220924

      東アジア的な規範体系って言うけど、古代的って言うべきじゃない? 塩野七生さんの「ローマ人の物語」1巻からの要約、つまりは古代ローマやそれに先立つギリシアの事だけど、 国民の義務とは税負担と国家防衛で、直接税として軍役を務めるのが普通。 それを務めてこそ一人前の市民であり、一人前の市民が持つ権利こそが 国政に参加する投票権。軍制=税制=選挙制、だよって。 一人前の義務が果たせない女子供を半人前に見るのは、 東アジアに限った事ではないさね。

      • 歴史的に存在した集団婚約発表。

        高坂Θです。今回は婚姻の前段階、婚約に関する話を。 婚姻を約束するという事は、どういう意味を持っていたのか、を。 父なる天皇、母なる皇后への誓約。壬申の乱から7年が過ぎた、天武天皇8年(679年)の5月6日。 天武天皇と皇后(正確には、后たる鸕野讃良皇女と書くべきですが。 名は「うののさらら」と読みます)揃っての、さらに皇子6人を 引き連れた、吉野行幸における出来事が「日本書紀」に記されています。 6人の皇子を日本書紀での記載順に並べますが、先に読みを。 くさかべ・おおつ・

        • 歴史書に記されている死後離婚。

          高坂Θです。前回は結婚について書いたので、今回は離婚の話を。 普通に疎遠になっての離婚ではなく、夫と死別した後のこと。 一時期よく話題になっていた、姻族関係を終了するという意味の 「死後離婚」が行われた、歴史上の例を紹介します。 当事者女性の意志は考慮されておりません。それは713年、記されている史書は「続日本紀」。 和銅6年11月5日の記事で、前触れも無く、突然の宣告が行われます。 「文武天皇の嬪(ひん)であった石川刀自娘(とじのいらつめ)と、  紀竃門娘(きのかまどのい

        小林よしのり氏の「易姓革命」を論破する!

          歴史上の人物の結婚事情。

          サンプル:藤原不比等 高坂Θです。今回は、過去の時代の結婚形態について書きます。 ご登場頂くのは、超有名人の藤原不比等。 父の鎌足は、藤原という氏を授かった直後に亡くなりましたから、 不比等が実質的な開祖でしょう。開祖の苦労も彼が背負います。 不比等が成人に至るまで659年生まれの不比等。父の鎌足が亡くなるのが669年で、 数え年の11歳。その3年後の壬申の乱では14歳の彼に 何が出来るわけもなく、中臣氏の頃から所縁の有ったであろう 田辺史(たなべのふひと)一族の保護下で

          歴史上の人物の結婚事情。

          歴史で同じ名前は珍しくないけれど。

          高坂Θです。無視できないほどに、公式記録との乖離が見られる 藤原弟貞さんについての検証を続けます。 弟貞さんの履歴については、前回の記事をご参照下さい。 話は出生前に遡って、「尊卑分脈」で父とされる 長親王に関する検証から始めます。 天武天皇皇子・長親王(666頃?~715)母が天智天皇皇女・大江皇女という、当時として屈指の 血筋の尊貴さを備える皇子です。母を同じくする弟が弓削皇子。 そんな生まれの派手さに反して、当人の業績はほぼゼロです。 名誉職の類にも就かず、何かに

          歴史で同じ名前は珍しくないけれど。

          歴史を算数で読む。

          高坂Θです。まずは題名について。 歴史を読むにあたって、教えて頂きました。 どんな有名な歴史上の人物でも、誕生した時点でしっかりと 記録されているのは稀な部類で、大抵が信憑性の低いもの。 それでも年齢を特定できるのは、その人物の事を記した歴史資料に 「享年何歳」という記述が有るから、だと。 今は亡き橋本治さんの著作にて、教えて頂いた事です。 享年でなくとも、年表に記されるような歴史上の出来事の際に 当時何歳であったと書いてある場合も有ります。 あとは算数です。満年齢ではな

          歴史を算数で読む。

          歴史ある一族経営の老舗企業。

          高坂Θです。今回は講談調に書き連ねます。 いつの時代の話でしょうか。とある一族経営の老舗企業。 数多くの分家を従える、本宗家と位置付けられる一家のお話。 その本家の、若き跡取り息子さんには、 姉と妹がそれぞれ一人ずつ居たのでした。 本家の長女として生まれた姉。跡取りの男子とは言え、 弟が姉に逆らえるはずもありません(偏見)。 跡取り息子である弟の周りに、将来の側近にと付けられていた 学友・遊び相手たちをも、さながら家来の如く従えて育ち、 長じて会社に入っても、敬われつつ遠

          歴史ある一族経営の老舗企業。

          歴史は人の営みの積み重ね。

          歴史好きの高坂Θです。 日本史では橋本治さんの歴史論述、中国史では宮城谷昌光さんの 小説が私個人の思考パターン的にベストフィット。 多大に影響を受けて、歴史を題材に自分が思うところを noteに記していこうと思い立ちました。 まずは、小説のプロットみたいなものを。 合理性なき予言。時は西暦で671年、年末の頃。当時の近江京で病床に在る、 天智天皇。その夢枕に立った胡散臭い占い師が語る予言。 「百年の後には、そなたの孫によって、そなたが皇統の祖であると  確立されるだろう」な

          歴史は人の営みの積み重ね。