マロンきよし

吉本3年目のお笑い芸人です。ピンで漫談をやってます。 下手な小説書いてます。 小説のタ…

マロンきよし

吉本3年目のお笑い芸人です。ピンで漫談をやってます。 下手な小説書いてます。 小説のタイトル『タヒチ、カリフォルニア』です。 の他に、日記やきれいごとを書いていきます。 趣味、映画鑑賞、アニメ、漫画、たまに古着。

最近の記事

同居人、倒れる

今、は同期のぬーたそ、ことシングシングの 森主とルーシェアをしている。 ルームシェアというより僕が居候をさせていただいてる。 ルームシェアは格好つけた。反省。 一緒に住み始めたと同時期に僕は近所のイタリアンでアルバイトを始めた。 そんなこんなの11月21日の月曜。 22時にアルバイトを終え、着替えて30分頃、 帰宅をした。 テレビがついている。いつも森主が座っている座椅子の特等席に森主はいない。物音すらしない。 トイレの明かりがついていたので、そっと小さく戸を開

    • 太ってぇカルパス

      悪夢を見た 道をまっすぐ歩いていた 太ってぇカルパスをかじりながら すると前から、自転車に乗った女性 荷台にはチャイルドシート付きの電動式 そのシートにチャイルドは空 多分、そのチャイルドは保育園にいるのだろう 少し端により道をあけ渡す いつものように歩みを進めようと 「ガチンッ」という音がした 嘘であってほしい その自転車に乗った人妻が僕の持っている 太ってぇカルパスにかじりつこうとしてきた させるかよ かじらせるかよ これは僕の太ってぇカルパスさ 僕はこ

      • 最終回.タヒチ、カリフォルニア

        朝目が覚める。もうサッカー部の練習はない。県大会を最後に引退したのだ。だから無理に起き上がる必要もなくなった。毎年そうなんだが、夏休みは少し曜日感覚が鈍っている。スマホを開いて思った。 「あ、」 今日は夏祭りがある。今日か。高校生活で最後の夏祭りだ。しかし、天気予報は曇りマークが出ている。チラッと窓の外を見ると確かに天気は曇っている。また毎年恒例クラスで集まって夏祭りに行くという予定になっているが集合時間は夕方の5時だ。その前に3時くらいにフミとタジマと3人で集まってちょ

        • 13.言い返そう

          振り返ってみたはものの、大島にすら今の自分の顔を見てもらいたくはなかった。 僕は泣いてはいなかった。涙すら出ない状態だった。でも3歳児のような半べそをかいていた。そして何よりかっこ悪い。試合に出れなかったこと。先生に忘れられていたこと。一生懸命を尽くせなかったこと。 「よう。」 と小さく大島に言った。はっきりと声が出ない自分に、さらに情けなさを感じた。 「お疲れ様。」と大島由美は小さく笑顔で返してきた。 その後はお互い何も言わずにゆっくりと帰り道を歩いた。 大島は

        同居人、倒れる

          11.スピードを緩め

          後半戦も必死の攻防が続くが、やや劣勢。 できるだけベンチから応援の声を飛ばす。応援の声を出しつつ、自分を出してくれというアピールを先生に送る。 時間が進むにつれて全体の空気が熱に包まれる。 後半30分、失点。 2−0になった時から次第に熱が冷めていくのが分かった。残された時間はあと15分とロスタイム。 味方陣営全体、みるみるうちに闘争心が衰えていっている。 正直見ていられない。僕はまだ諦めていないし、同じ気持ちのやつも中にはいる。少しの望みに全部をかけたい。 す

          11.スピードを緩め

          10.「ううぅぅぅ、、、

          大会当日、いつもより早く目が覚める。 大会は毎年、市にある総合競技場で行われる。球場や体育館や大きなプールが集まっているところだ。朝9時に現地集合だ。 家を出る前に、家族から軽く 「頑張れ!」 のエールをもらった。自転車で競技場まで向かう。一回戦は山中工業高校とあたる。実力的には全然と言っていいほど向こうの方が上だ。 言葉では確認したりは一切ないが、僕たち3年は最後の大会だ。気合がみなぎる。 しっかりと声を出しながらウォーミングアップを済ませた。そして、スターティ

          10.「ううぅぅぅ、、、

          9.応援

          大会3日前、ベンチ入りは果たすことができた。あとは大会で結果を残すだけ。自分の将来にどんなプラスがあるのかは、まだ分からないが、今この瞬間に対して手を抜かない。 練習もいい感じに指揮が高まっている。この高校に入学した頃のサッカー部とは見違えるようになった。 入学した当初は、練習をサボったり真面目に取り組まない人が複数人いた。その先輩たちは卒業して行ったが。 いわゆる『弱小チーム』だった。だが今は違う。強いチームとは言えないが弱小ではなくなった。それが目に見えての変化なの

          8.おばあちゃん

          おばあちゃんの容体が急変したと家に連絡が入ったのは、サッカー部の練習が休みの日。まだ昼前の11時台。病院からお父さんの携帯電話が鳴った。 「急いで病院に行く支度して!!」 とお母さんに言われて、まだ眠気も冷めきってないまま支度をする。まだ頭がぼーっとするのをなんとか正そうとする。 お父さんの車で、お母さん、弟の裕太と僕で飛び乗るように乗り込み病院まで急いだ。 駐車場について、先に入り口でみんな降ろしてもらう。僕はエレベーターを使わずに階段を駆け上がった。病棟に行ったが

          8.おばあちゃん

          7.ドンピシャ

          後半開始3分、早々にチャンスが回ってくる。 速いパスワークが上手く繋がり、前線へ抜けた。見方がボールを保持すると、グッと前線に走る。 サイドに振られたボールがゴール前に弧を描いて落ちてきた。思いきり上にジャンプをしたが、僕の位置じゃかすりもしなかった。ポジショニングミス。しかし、後ろに落ちたボールがこぼれ、フミにわたる。 フミは、無我夢中でゴールに向かってボールを蹴り込んだ。ほぼ、ゴールを見ていなかったが、僕でもそうしただろう。 しかし、惜しくもまぐれで体を伸ばしただ

          7.ドンピシャ

          6.前へ、前へ理念

          目覚めは悪くない。今日は、他校との練習試合。目覚めは悪くないし、こういう日に限って神経質になり、お母さんにイライラしているが今日は割と落ち着いている。 みんなよりは早めに朝食を済ませ、今日の集合場所はその相手チームの学校である。余裕を持って早めに家を出た。自転車での道のりは大体、40分くらいだ。朝からカンカン照りにこの距離の移動はちと体力に響く。が、朝一から「やってやるぞ」的なアドレナリンが出ているのか足取りは軽かった。 汗はかく。 コンビニでアクエリを飲む。 着く。

          6.前へ、前へ理念

          5.C .C .レモン

          夏の猛暑の中、大会に向けての追い込み。どうしても先生から背番号を渡されたい。名前を呼ばれたい。 サッカー部に限らず、屋外で練習する部活動での『給水』水分補給は、水ボトルの争奪戦だ。先輩から先にボトルを取れるという年功序列の暗黙のルールがここでも適用されている。 がそれよりももっと適用されるのが実力社会だ。後輩でも実力を誇示している後輩は、そんなのお構いなしにボトルをとり、ボトルの半分の水を体内に入れる。 何も言えない。 しかし、そこに戦士が現れた。中越だ。高校からサッ

          5.C .C .レモン

          4.またお願いします!!

          おばあちゃんが入院した。 「なんで?」 とそこにいた弟の裕太に聞いた。 「なんか、具合がよくないらしいよ。」 ざっくりな返答が返ってきた。とにかく慌ただしい雰囲気に飲まれ不安に駆られた。お母さんに問いただすように聞く。 「大丈夫なの?」 「今から病院に行くから、一緒にきて!」 「分かった!」 家族で車に駆け込み、病院まで向かった。 少し小走りで入院している病棟まで向かう。 病室に入り、手前から3つめのベッドに覆われているカーテンをシャっとめくった。 「お

          4.またお願いします!!

          3.鋭い目つきさ

          うちの高校のサッカー部はそこまで強くない。強くないなりに、練習の質、真剣味は僕が高校1年の頃よりかは出てきている。 僕が1年の頃の先輩たちは正直言って、『敬う』という気持ちは、頑張ろうにも湧いてこなかった。年上だから、自分より体が大きいからという理由でヘコヘコするしかなかった。そうでなかった場合、舐めてかかるのかというとそんな度胸はない。 練習はダラダラするのは当たり前で、顧問の先生もその空気に飲まれている感じだった。なぁなぁになっていた。 私利私欲のために後輩にコキを

          3.鋭い目つきさ

          2.初期のスマホ

          サッカー部にも新一年生が何人か入ってきた。去年もいたような、中学生時代に何かの選抜メンバーに選ばれたみたいな生意気なやつが何人か入ってきたり、去年にはいなかった中学からサッカーを始める初心者が1人入ってきた。 フミと同じだ。生意気なやつのことはどうでもいい。この初心者のことが少し気になっている。名前は中越。見た目は少しぽっちゃりしていて、髪型は坊主がだいぶ伸びた感じの髪型。身長は160くらいで、顔は丸くて雰囲気がコロンっとしている。 コロンっという表現を使ったのはアイスの

          2.初期のスマホ

          最終章.1.心の内の内

          今年の梅雨は例年よりも遅れている。俗に言う異常気象だ。梅雨が遅れるのは気に食わない。早まる感じの、前倒しになる感じの異常気象だとありがたかったのだが。 高校最後の夏がやって来ようとしている。まだセミは鳴いていない。 そして、高校最後の夏の県大会。この夏の大会が終わると、ほとんどの3年生は引退するのが当たり前らしい。 やめるかどうかはまだなんとも言えない。とにかく、目の前の事、つまり夏の大会のレギュラーメンバーに選ばれたい。 もちろん、一緒にやってきたフミも完全に同じ気

          最終章.1.心の内の内

          25.花田さん、作!

          「大島はさ、好きな人みたいな人いるの?」 咄嗟に出た一言が支離滅裂だ。 少し間が空いて、大島が答える。 「うん!」 「へぇ、、、。」 あ、いるんだと、勝手に少し落ち込んだが、そのそぶりを悟られないようにした。 「なんで?どうしたの?」 という大島。それに対してそれ以上は深堀したくないと思った、 「いや、なんでもない!忘れて!」 この「恋愛」という会話の内容をなかったかのように、少し大きめの声でシャットアウトするように返した。 もう、今は「大島には好きな人が

          25.花田さん、作!