モブホストの元担がホストやめたってよ|ホスト通いコラム
元担(もう指名しなくなったホスト)がホストを辞めていた。
正確に言えばホストという職業を捨てたかどうかは分からない。
元担に連絡しようという意図はなかったがLINEで「あの会話なんだっけ」と思ってKW検索したところ、「メンバーがいません」と表示されていたものがあった。
「メンバーがいません」の相手は、間違いなく私がホストにハマったきっかけの元担だった。
元担との出会いは、なんとなく誘われていった初回。
その当時ホスト業界も、暗黙のルールもマナーも何も知らず、3,000円という安価でホストクラブという非日常を味わえることにワクワクしながら足を踏み入れた記憶がある。
初回というシステムも何も知らないまま「ホスト初めてなの!?」とあらゆるホストに言われ、5分ほどの時間で表面的な会話をした。
初回が終わると「また会いたいな」「おはよう」の連絡の嵐。
その中に元担もいたわけである。
元担は「おはよう」とか「初ホストどうだった?楽しめた?」とか、本当に他愛もない会話からスタートしたが、いつの日か電話も日課になった。
そう、元担は私の日常にすっと一部として溶け込んできたのだ。
そうしてホストにハマっていくわけだが、私はあることをきっかけに元担から心が離れてしまった。
それは他のホストに埋もれる、モブたる所以だったのかもしれない。
けれど元担に出会っていなければ、ホストにハマることも別のお店の初回に行ってみようともしなかっただろう。
とはいえ、元担といざ連絡手段がなくなると「どうしたのかな」「幸せに生きているかな」と思う。
世間が思っているほど、ホストはきつい仕事なのかもしれない。
何かと引き換えに生きていたかもしれない。
煌びやかな世界だけでなく出会いと別れ、そんなしょっちゅう起きもしない出来事がぎゅっと詰め込まれているのはホストクラブならではの刺激かもしれない。
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