文通がやや無理矢理感あるけど総じてよかった『ラストレター』

鑑賞した2020年日本公開映画ランキング:9/12
感動😭:★★★☆☆
哀愁😢:★★★☆☆
笑い😂:★★☆☆☆

懐かしさを感じるいい話だったけど、個人的にはほぼキャストでもったような映画という印象でした。

だって、マシャに、トヨエツに、ミポリンですよ?90年代のトレンディドラマを彩った方々。今の30代40代の人なら、このメンツでごはん5杯はいけちゃうんじゃなかろうか。
(そういえば、あの頃の彼らは20代だったから、まさに今の広瀬すずや新田真剣佑、横浜流星ぐらいの年齢ですね)

【どんな映画?】

簡単に言ってしまえば、ひょんなことから始まった文通をきっかけに、ふたつの世代にまたがる男女の恋愛を描いたラブストーリーです。

裕里(松たか子)の姉が亡くなったところから物語はスタート。たまたま、その姉宛に来ていた同窓会のお知らせを元に、彼女は姉の死を知らせに行くのだけど、会場に着いたら姉と間違われてしまい、あれよあれよと言う間に姉として留まることに(笑)
しかし、自身の初恋の人だった鏡史郎(福山雅治)と再会し、文通を始めることになる。

その手紙を裕里の姪(亡くなった姉の娘)である鮎美(広瀬すず)が読むことで、25年前の姉妹と鏡史郎の恋模様を辿るようになるって流れです。

【感想】

実にロマンチックで感動的でした。昔も鏡史郎(神木隆之介)から手紙を出していたから、現代になっても文通という行為を通じて過去をトレースしているような感覚になり、当時の甘酸っぱくも懐かしい恋愛を思い出して、今なお色褪せることのない想いが残っているってのが心に染みます。

もうあの頃には戻れないけれど、あの青春の日々は確かにそこにあったし、
それらがあったから今の自分があるっていう、誰でも一度は感じるであろう哀愁みたいなのも、この歳になると響きますね。。。

手紙をきっかけに物語が進んでいって、それぞれの気持ちのありようや、姉の死の真相などが明かされていくのは、スマホ全盛期の今からすると、ある意味新鮮に感じます。
昔はこうやって即レスがない時代で、もどかしい気持ちがあったんだろうなって。

ただ、手紙にこだわる理由がやや無理矢理かなって感じました。普通、スマホに戻るでしょって。それに、作中では手紙を待ち焦がれるみたいな描写はなかったから、せっかく手紙にするなら、そういうのも入れると手紙らしさがより出たかなと思います。

そして、配役がちょっとわかりづらいのもこの映画の気になるところ。
現代では松たか子の娘が森七菜、亡くなった姉の娘が広瀬すずなんですが、その松たか子の若い頃を森七菜、亡くなった姉の若い頃を広瀬すずがやってるから、同じキャストが現代ではいとこ、過去では姉妹って関係で、途中かなり混乱します。。。(笑)

あと、不思議に思ったのは、一時期松たか子からも、広瀬すずからも福山雅治に手紙が届いているはずなので、普通は話の内容や届くタイミング、筆跡などから、「これ同じ人じゃなくない?」って気づきそうなものだけど、どうなんだろう。。。

まあ、そういった、ちょっとわかりづらい部分もありましたけど、総じていいお話です。謎に『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督も役者として出てたし(笑)

なお、この映画は岩井俊二監督が1995年に作った『Love Letter』のアンサー映画らしく、確かに少し似ていると思いました。

これも手紙の行き違いから始まるラブストーリーで、トヨエツとミポリンが出ている上に、酒井美紀と柏原崇がまだ未成年で映画初出演っていう(笑)
若い頃の彼らの演技が観られるのは貴重です。


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