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ゲーム史上最も因縁深い2人による世紀の一戦が尊すぎて微動だにできないほど圧倒される『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE 4K REMASTER』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:1/7👑
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2009年
  製作国:日本
   配給:ギャガ
 上映時間:126分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:ゲーム『ファイナルファンタジーVII』(1997)

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
あの戦いから2年。セフィロスがもたらした大破壊から立ち直りつつあった魔晄都市「ミッドガル」を、謎の厄災が襲う。「星痕症候群」と呼ばれるその病は、治療方法も見つからないまま次々と人々を死に至らしめていく。

この病に呼応するかのように現れた新たなる敵。平和と引き換えに大事な仲間達を失い、深い自責の念に心を閉ざしていたクラウドは、眼前に迫った避けようのない戦いを前に思い悩む。

「罪って許されるのか。」

長い葛藤の末、ついに戦いを決意するクラウド。敵の目的は何なのか?なぜ人々が病に倒れるのか?人知を超えた戦いの先に待ち受けていた真実とは―。

【感想】

自分が大好きな『ファイナルファンタジー』シリーズの中でも3本の指に入るぐらい思い入れのある『ファイナルファンタジーVII』。その2年後の世界を描いた映像作品である『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』(2005)の"コンプリート版"かつ"4Kリマスター版"が本作です。それを映画館で観れるなんて感無量ですよ。2005年9月13日にVIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ(当時)で行われた限定上映会に当選したので、オリジナル版は劇場で鑑賞したことはあったんですけどね。2009年に"コンプリート版"が発売され、2021年に"4Kリマスター版"が発売され、今回は2024年2月29日発売予定の『ファイナルファンタジーVII リバース』を記念しての期間限定上映となります。これはファンとして観に行くしかないですよね!!なお、上映劇場が限られているので、コチラよりご確認ください。お近くでやっているといいのですが。

<圧倒的な映像に息を吞む>

2005年に初めて『アドベントチルドレン』を観たとき、まずはその映像の綺麗さに驚きましたよ。超美麗なグラフィックに美形すぎるキャラクター(しかも声までついて!)。初代プレイステーション時代のポリゴン全開だった『FF7』から一気にここまでパワーアップしていることに面食らいましたよね。その圧倒的な映像美は映像技術が進化した今観ても遜色ありません。確かに本作は"コンプリート版"かつ"4Kリマスター版"ということで、映像がさらに綺麗になっているだけでなく、汚れや血といったエフェクトも増えてよりリアルにはなっていますが、あくまでも質感が綺麗になっているだけで、大元の映像は2005年に上映されたもののままです。今から20年近く前のものとは思えないぐらいのクオリティですね。さらに、本作はオリジナル版よりも約30分の追加シーンがあります。『FF7』の世界観を掘り下げる意味でも絶対に観て損はない作品なのです!

<歴史に残したい世紀の一戦>

今回の映画でとにかく一番推したのは、終盤のクラウドとセフィロスの一騎打ちです。これはもう後世にまで語り継ぐべき戦いですよ。世の中には歴史に残したい伝説のバトルシーンが数多くあります。漫画なら、『ドラゴンボール』(1984-1995)の孫悟空 vs フリーザ。アニメなら、『機動武闘伝Gガンダム』(1994-1995)のドモン・カッシュ vs 東方不敗。映画なら、『スター・ウォーズ/エピソード3 シスの復讐』(2005)のアナキン・スカイウォーカー vs オビ=ワン・ケノービ。そして、ゲームなら『FF7』のクラウドとセフィロスの対決だと個人的には思っています。いかに当事者の2人の間に愛や因縁といった特別な絆があるかが重要だと思うんですが、『機動武闘伝Gガンダム』と『スター・ウォーズ/エピソード3 シスの復讐』は、2人が信頼し合っていた師弟関係からの敵対関係という構図でまさにそれに当てはまりますね。クラウドもまた、セフィロスが伝説のソルジャーであるということで強い憧れを抱いていました。なのに、セフィロスが自身の出生の秘密を知ったことで人類すべてを憎むようになり、自らの計画に邪魔なエアリスを殺したことで、クラウドとの因縁がますます強まっていきました。

その2人がさ、超ド派手な斬撃を繰り出し合うわけですよ。クラウドの持つ合体剣という複数の剣を組み合わせたギミック感満載の武器と、セフィロスの持つ正宗というクッソ長い刀身の刀をぶん回しながら。で、後ろで流れる『ADVENT: ONE-WINGED ANGEL – ACC LONG VERSION』(『FF7』のラスボス戦のBGMのアレンジ)がメチャクチャかっこよくて!!興奮以外の感情がありますかって。

しかも、本作の追加シーンで描かれるザックスが涙を誘うんですよ。。。これは『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』(2007)をプレイしていると余計に。。。このシーンでバトルのテンポが悪くなったと感じる人もいるようですが、僕はこれがすごくよかった。だって、クラウドが今こうしていられるのは、彼がザックスの生きた証だから。。。(泣)

<気になるところ>

全体的に大満足なんですが、だからこそ気になってしまう部分はあります。まず、セリフのやり取りがちょっとわかりづらい部分がありました。質問に答えていなかったり、主語がなかったり。別に通じるっちゃ通じるんですけど、「ちょっと自然な会話ではないかな~」と感じてしまうところがチラホラと。個人的には、忘らるる都でのエピソードが特にそうですね。携帯電話を失くしたクラウドを見て、マリンがヴィンセントに「持ってる?」と問いかけるんですが、「携帯」という主語を入れてもよかったんじゃないかと。クラウドも「あれ、携帯がない」みたいに言わないので、いきなり「持ってる?」だけ言われても一瞬何のことかわかりづらいんですよ。

さらに、その後でクラウドが「罪って許されるのか?」とヴィンセントに問いかけたとき、「試したことはない」と答えるシーンがあります。「いや、まずはイエスかノーで返せよ」って思うんですけど(笑)で、その後にクラウドが「試す……?試す……」と自分の中で何かを考えた後、吹っ切れたように戦いに身を投じる決意をするんですが、ここも釈然としません。今までエアリスの死がトラウマになって何もできなかったのに、なんでその一言だけで考えが変わるのかが腑に落ちなくてですね。。。まあ、クラウドは本当に何も行動しなかったので、「とりあえずやってみよう」っていう気持ちになるきっかけとしての「試す」ということなのだと思いますが、態度変容が急すぎるだろって。でも、ここはその問いをヴィンセントに投げたのはよかったですね。なぜなら、ヴィンセントも愛するルクレツィアを守れなかった過去があるので、境遇としてはクラウドとヴィンセントは似ているとも言えるからです。

あと、笑いのツボが僕とは違うしれないなと思うところもあります。レノとルードのやり取りが顕著なんですけど、全体的にシリアスな空気の中で、この2人がセットで唯一のコメディ担当みたいなところがあるんです。でも、全然笑えないんですよね(笑)そこまで笑かそうとしているわけではないんですけど、変にコミカルで逆に不自然に感じてしまって。レノもルードもキュートな人たちではあるんですけど、なんかこの作品ではちょっと空回りというか、無理矢理やらされてる感が否めませんでした。別に真面目でいいのに(笑)

<そんなわけで>

FF7』ファンなら絶対観ておきたい作品です。各配信サイトでも観れますけど、ノンノン、これは映画館で観てこそ!とにかくクラウドとセフィロスの一騎打ちだけでも観る価値ありです!そして、改めてこの物語は、クラウドとザックスとエアリスの3人でまわっているんだなと思いました。切ねぇ。。。最も親しい人と最も愛しい人を亡くしたクラウド。。。


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