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【ネタバレあり】マルチバースの脅威と狂気とエモみが爆発していた『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』

【個人的な評価】

2022年日本公開映画で面白かった順位:2/66
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★★★★★★★
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★

【ジャンル】

マーベル
スーパーヒーロー
アクション

【元になった出来事や原作・過去作など】

・漫画
 『Strange Tales』(1964-)

・映画
 「マーベル・シネマティック・ユニバース」(2008-)

【あらすじ】

元天才外科医にして最強の魔術師ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。時間と空間を変幻自在に操る彼の魔術の中でも、最も危険とされる禁断の呪文によって“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちた狂気の扉が開かれた──。この世界と似た世界がいくつも存在し、自分と同じ姿をした人物も存在する。

ストレンジは変わりつつある世界を元に戻すため、かつてアベンジャーズを脅かすほど強大な力を見せたスカーレット・ウィッチことワンダ(エリザベス・オルセン)に助けを求める。

しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類、そして全宇宙に迫っていた……。

【感想】

「マーベル・シネマティック・ユニバース」第28作目。『ドクター・ストレンジ』シリーズ第2作目。いやー、とんでもない映画でしたね。正直、新規の人には何が何だかって感じだと思いますけど、マーベル作品をずっと追ってきた人にはエモすぎる内容でした。ネタバレで感想を書いていくので、まだ知りたくない方はここでページをそっ閉じしていただければ(笑)

<広がるマルチバースの世界観>

原作ではずっとあったマルチバース設定。映画では前作の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)にて、本格的に導入されましたね。今回の映画ではさらにそれを推し進める内容となっていました。今回鍵を握るのが、新キャラクターのアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)です。ポッと出のキャラクターなので人間なのか宇宙人なのかもよくわかりませんが、マルチバースを行き来できる能力があるんですよ。自分ではうまくその力を制御できないみたいですが、これまで72個の宇宙に行ってきたそうです。普通、どの世界にも自分と同じような存在がいるんですが、彼女に関してはどこにもいないようで。無数にあるマルチバースの中で唯一無二の存在。一体彼女が何者なのか、残念ながら今作では深く掘り下げられていませんでした。

<今回のヴィランはなんと、、、>

そんな彼女に目をつけ、その力を手に入れようとする輩がいます。それが今回のヴィランになるわけなんですが、これがなんと、、、ワンダなんですよ。『ワンダヴィジョン』(2021)で彼女が"スカーレット・ウィッチ"と呼ばれる魔女になったと思うんですが、その設定がそのまま引き継がれています。なので、そのドラマを観ていないとちょっと今回の映画はわかりづらいかもしれません。

ドラマの中でワンダは現実確変の能力を使って、"本来あるはずのない、でも彼女が望んだ世界"が広がっていました。ウエストビューという町ひとつ、そこに住む人々全員の心と空間を操り、夫のヴィジョン(ポール・ベタニー)と2人の子供に恵まれた幸せな家庭を築いています。最後はその理想の世界を諦めて現実を受け入れたかに見えたんですが、、、実は彼女は未練タラタラだったようで、母になりたいという強すぎる願望が狂気に変わり、マルチバースを混沌に陥れてまで、自らの願いを叶えようとします。そんなワンダことスカーレット・ウィッチの野望を阻止するのが、この映画の大きな目的でもあります。

<エモすぎるキャラクターの登場>

スカーレット・ウィッチを止める過程で、ストレンジとチャベスは他の宇宙にも足を踏み入れるのですが、そこでまさかすぎる人たちと対面します。まあ、役者本人が公言しているのでここでも書いちゃいますが、かつて20世紀FOX製作の『X-MEN』シリーズに出てきたプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)が出てくるんですよ。予告のぼやっとした後ろ姿だけで、彼だと見抜いたファンもいたようですが、本当に登場するなんて。。。今回の映画のために『X-MEN』シリーズを復習しておいてよかったと思いました。ファンの方向けに、他にも観ておいた方がいい作品を挙げておきますと、これまでのMCU作品はもちろんのこと、先に挙げた『X-MEN』シリーズ、『ホワット・イフ…?』、そして『ファンタスティック・フォー』シリーズですね。まあ、彼を含めて他のキャラクターもそこまで重要な役どころではないので、別に過去の作品を観ていなくても話自体はわかるんですけど、胸アツ度が全然違います。

<秀逸だったホラー演出>

この映画の最も特徴的だったところは、スーパーヒーロー映画でありながら、ホラー要素が強いところです。さすが、『死霊のはらわた』シリーズを撮ったサム・ライミ監督ですね。マルチバースの脅威と敵の狂気を一番効果的に見せる手法として、ホラー要素を取り入れたのはとてもいい演出でしたし、それをサム・ライミ監督に任せたのも英断だと思いました。彼はトビー・マグワイア版『スパイダーマン』シリーズも監督したので、まさにホラーとスーパーヒーローの両方がわかる人物ですから。

<夢があるマルチバース>

マーベルに限らず、DCも原作ではマルチバースの世界観になっています。これ、すごく夢がある設定だと思いませんか?だって、これまでのスーパーヒーロー映画って、同じヒーローでも何度も作り直されてきて、そのたびに前の作品はなかったことになってましたよね。それを「別の宇宙での出来事」とすることで、再びすべての作品が日の目を浴びる可能性が出てきたんですから。すべてに意味があるってことですよ。

<そんなわけで>

これまでマーベル作品を追ってきた人には絶対観て欲しい作品なのは間違いないです。とはいえ、ここまできちゃうと過去のマーベル作品を観ていない人にはもう何が何だかわからないと思います。完全に新規のお客さんを無視していると思うので(笑)それでも、この壮大な世界観に心奪われますし、MCUで一番の映像革命とも言えるぐらい、ド派手で幻想的なVFXで作られる映像の数々には大興奮です。ハリー・ポッターもびっくりな超絶魔法バトルは圧巻でした。これは映画館で観てこそですよ!そして、ポストクレジットにも注目!まだまだドクター・ストレンジの冒険は続きます。


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