見出し画像

せっかくの敵対勢力がふわっとしすぎていて「映画ではなくスペシャルドラマでもよかったのでは」と思った『映画 ネメシス 黄金螺旋の謎』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:52/52
  ストーリー:★★☆☆☆
 キャラクター:★★★☆☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★☆☆☆

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2023年
  製作国:日本
   配給:ワーナー・ブラザース映画
 上映時間:99分
 ジャンル:ミステリー
元ネタなど:テレビドラマ『ネメシス』(2021)

【あらすじ】

人気探偵事務所となった『ネメシス』に異変が起きる。突如、依頼がピタリと止まり経営難に…仕方なく、小さな事務所に移転したアンナ(広瀬すず)、風真(櫻井翔)、そして、社長の栗田(江口洋介)だったが、追いうちをかけるように、アンナは仲間たちが次々に悲惨な死を遂げる悪夢を毎晩見るようになる。時を同じくして、怪しげな行動を取り始める風真…。

そんなある日、アンナの目の前に“窓”と名乗る奇妙な男(佐藤浩市)が現れる。アンナの夢に何度も現れるその男は、ある要求を伝える…。

「私たちが握手をしなければ、夢は一つずつ現実になっていく」。

その予言を阻止するため、行動を開始するアンナ。相棒・風真の怪しい行動を不信に感じたアンナは、かつての敵、天才・菅朋美(橋本環奈)に助けを求める。

アンナは連鎖する悪夢を断ち切る事が出来るのか?風真は本当に裏切ってしまうのか?出演者たちが口々に「難しい脚本」だと称した、何重にも複雑に交錯した物語の先に、本当の裏切り者が姿を現す!

【感想】

以前、テレビドラマ放映時に視聴していたこともあって、映画版も鑑賞。個人的には、ドラマがもう全然ハマれなくて。。。だから、映画も期待はしていなかったんですが、、、まあ映画の方がまだ若干マシだったかな、、、という印象でした。でも、映画じゃなくてスペシャルドラマでよかったんじゃないかっていう気はしましたね(笑)

<そもそもの設定がわかりづらい>

テレビドラマ版も含めてですけど、この作品は話がややこしいんです。一応、推理モノではあるんですが、それがメインなのはドラマでも前半だけで、後半は世界初のゲノム編集ベイビーであるアンナを巡る攻防になっていきます。いきなりそんな話が出てきて「???」って感じなんですけどね。で、映画ではその設定を引き継ぎ、アンナの父親が開発したゲノム編集に関わるデータを手に入れようと目論むやつらと、それに対抗するネメシスの対立で話が進んでいきます。シンプルに強奪しちゃえばいいのに、敵はアンナに人為的に夢を見させて罠にハメていくまわりくどいことをするから、余計に話がわかりづらくなるんですよね。

<敵対勢力がふわっとしすぎている>

しかも、ゲノム編集の関わるデータを求めてる人が個人とかなら対立構造が見えやすいんですけど(テレビドラマ版でいう石黒賢さんのように)、「富裕層」っていうふわっとした形なのも微妙なところです。その不特定多数が、難病の治療や優秀な遺伝子だけを持った子孫を求めているっていうのも、設定としてはわかるんですが、顔が見えないから何ともイメージしづらい。。。その代理人として、佐藤浩市さんが演じる「窓」っていう人物がいるものの、ただの雇われ人だから、何とも言えない立ち位置なんですよねー。彼自身は別にゲノム編集のデータが欲しい訳ではないですから。これがゲームとかなら、その富裕層が例えば7人いて、ひとりひとりぶっ潰していくみたいな流れで目的も明確になりそうですけどね。

<真の裏切り者とは>

ただ、今回の映画の最大のポイントは、“真の裏切り者”が誰かということです。当然ながら意外な人物ではあるんですが、その人物の動機もまたイマイチ掴みづらいんです。「その人なりの正義」という何とも都合のいい言葉で片付けてしまっていましたが、もう少し個人的な想いを表に出した方がキャラクターとしても映えるんじゃないかなとは思いましたね。

<そんなわけで>

テレビドラマ版が好きだったら観てもいいかもしれないなっていう内容ではあります。正直、ドラマがハマらなかった僕は、映画もやっぱりハマれませんでした(笑)けっこうアクションもあって動きのある画だっただけにちょっともったいない感じはしましたね。構成を変えて映画3部作とかにした方が面白くなりそうではあります。それにしても、結局、アンナの「入ります」って何だったんですかね。時空を超えちゃうあの能力が何なのかよくわからないままなのが一番もどかしいです。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?