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企業文化を伝える術とは。社内完結型で制作する社内報100号とともに振り返る

マーケットエンタープライズグループ(以下、MEグループ)は、第14期(2020年6月期)の決算をもって、創業当時から掲げていたビジョンの一つである、売上高100億円超えを達成。前期と比較すると飛躍的な成長を実現したとともに、2期連続で過去最高益を更新しました。

2004年、当時23歳だった代表取締役社長 小林(以下、小林)が100万円を握りしめて創業。2006年に法人化し、14年の間に主軸のビジネスモデルは2度も変わり、常に順調というわけではなく、苦しい時期も経験しました。そうしたなかでも、当社の企業理念「Win Winの関係が築ける商売を展開し商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」にあるように、商売を楽しみながら主体的に挑戦を続けてこられたのは、当社の「企業文化」が生み出したものだと言えます。

その「企業文化」を造成した要因の一つとして、社内メンバー誰もが読む「社内報」の存在は大きいでしょう。社員メンバーだけでなく、アルバイトスタッフにも読まれ、当社に関わる多くの人に愛される社内報。この社内報は年11回発行し、9年間の歴史を積み重ね、本号で100号を迎えました。今回は100号を記念して、事業ではなく企業文化にフォーカスを当て、社員への情報開示や企業文化浸透を担う社内報についてご紹介します。

そもそも社内報とは

社内報制作の目的
社内報は、一般的に社内広報を行うためのツールとして制作された冊子やWeb、映像などの媒体のことで、会社から従業員に向けて情報を発信するツールです。社内報を読むことで、自社のこと知り、理解し、共感して行動を促すことが期待できます。

社員が少ない企業では、お互いのことや社内の動きを把握することは容易ですが、企業規模が大きくなるにつれ、それが難しくなります。この社内報を活用することで、その課題を解決するだけでなく、コミュニケーションを生むきっかけにもなっています。

社内報の価値や役割
従業員が多く在籍する大企業ほど、社員同士のつながりを育み、情報を共有するためのツールとして、社内報に価値を見出しているようです。これは、社内報のコンクールである社内報アワードの応募企業一覧からも見て伺えます。
※社内報アワードについて

更に、ゴールド賞を受賞している企業を表にまとめてみると、ほとんどは数万人の従業員が在籍しており、大企業として長らく日本の経済をけん引しているような企業ばかりでした。社内報制作の専門部署が存在している企業もあり、切り口や発信内容は違えど、社内報が企業成長にとって重要な存在であることが分かります。

2_ゴールド賞受賞企業

※参照:社内報アワード2019 社内報部門/連載・常設企画ーゴールド賞受賞企業

変化する社内報のカタチ
多くの企業で社内報が発行されていますが、紙媒体のものが多く利用されている一方で、近年のDX化に伴い、姿・形が変化しているのも特徴的です。Web・アプリ化する企業もあれば、動画や音声コンテンツとして発信する企業も増えています。なかには、Web社内報と紙媒体の社内報を目的に応じて、使い分けている企業もあるほどです。

当社においては、発行当時から紙媒体にこだわり制作してきました。冊子として配布することで記録性があり、伝達性があると考えているからです。しかし、新型コロナウイルスの影響によるDX化にともない、2020年3月からWeb版でも配信を開始。
これにより全国各地で勤務するメンバーだけでなく、在宅勤務するメンバーにもタイムリーに、同じタイミングで情報を届けることが可能になりました。

マーケットエンタープライズ社内報の歩み

2011年9月に第1号を発行
社員に読まれる社内報の制作がスタートしたのは2011年9月。初めて拠点を開設し、メンバー全員で朝礼ができなくなったタイミングでした。小林は、創業時よりコングロマリットグループを目指しており、そのためには企業理念にある通り、「主体者集団で在り続ける」ことが重要だと考えていました。
主体者として在り続けるためには、会社の方向性や、社内での施策などの情報を一人ひとりが知る必要があり、その手段(情報共有ツール・コミュニケーションツール)として、文字に残る社内報の制作をスタートしました。

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(A3用紙一枚からスタートした社内報vol.1)

方向性を認識するための重要なツール
今でこそ当たり前のように存在している社内報ですが、初めは工数をかけてまで制作する意味があるのかといった意見もありました。制作当時の従業員数は19名。拠点数も少なかったことから、メンバー同士で顔を合わせることや、同じ場所に集まることにコストもパワーもかからなかったためです。
しかし、主体的に働くには情報開示と自らその情報をインプットすることが必要不可欠。どんな声があろうと発行し続ける強い意思を持ち、年11回、歴史を積み重ねてきました。

拠点やメンバーが増え、サービスも増えた頃には、誰もが当たり前のように読む社内報に変化しました。当時は、当社で導入しているWorkplace(社内SNSツール)のようなコミュニケーションツールはなく、お互いが何をやっているのか、経営陣は何を見てどう考えているのかを知ることができる手段は社内報のみでした。こうした背景もあり、方向性を認識するための重要なツールへと変化を遂げて、社内報を読む文化が浸透していったのです。

完全内製化
創刊当初から社内報は社内メンバーのみで制作しています。当社の場合、社内報に限らず、サービスも含め内製化にこだわっています。外注するよりもスピーディーで、且つPDCAを回しやすく、改善も早いからです。サービスの本質を捉え、内製可能かどうか判断をすることも当社の企業文化の一つであると言えます。

この社内報は長らく1名体制で制作してきましたが、情報量が多くなり、制作のスピードと生産性を向上するため、56号制作時から4名のチーム体制に。現在は5名体制ですが、プロジェクトチームとして制作しているため、社内報に特化した部署は存在しません。それぞれが担当する主担当の仕事の傍らで、時間を作って社内報を制作しています。

▼関連記事:「誰からも読まれる社内報。愛される秘密とは」
100号まで続いている社内報の裏側として、編集部が制作する上で工夫していることや、実際のコンテンツをご紹介しています。

社内報によって生まれる効果

社内報の価値は、数字を持って証明しづらいものです。しかし、社内報があることで会社の方向性を理解し、一致団結できたことは確かで、数々の変化を乗り越えられた要因の一つに社内報があると考えています。
さまざまな挑戦の中で、士気が下がるような苦しい時期もありましたが、そんなときも社内報は存在し、社内の情報を発信し続けました。

当社では、毎年エンゲージメントサーベイを実施しており、2020年に行われたエンゲージメントサーベイの数値は、過去最高の数値を記録しました。こちらにおいても、社内報による企業文化の浸透が起因していると考えています。

最近では、リユース事業を営む大阪拠点でアルバイトスタッフとして勤務していた学生が新卒入社の選考に進んだ際、拠点の休憩室にある社内報を読んでおり、リユース事業以外にも海外の事業にも興味を持ってくれていたことがあります。「こんな人いるんだ」「こんなことやっているんだ」「こんな考えなんだ」と、入社後の早いタイミングで組織の一員になるための一助にもなっています。

100号記念スペシャルコンテンツ

2020年8月発行分で100号を迎えた当社社内報「MEWS!」。100号を記念して、これまでの歴史を振り返り、価値あるものとして理解してもらうべく、さまざまな企画を用意。100号ならではのコンテンツを3つご紹介します。

①直筆の手紙
DX化を推し進めていくとテーマにも掲げた今期。DX化を推進することで能率・効率化し、生産性を生むことが期待できます。しかし、だからといって横のつながり、人とのつながりを簡略化するわけではありません。あえてアナログなアクションで、その想いを届けるべく、特別企画として代表自らがメンバーに向けて直筆の手紙を書きました。

12_社長直筆手紙

(小林が執筆したメンバーへの手紙は1ページ目に掲載)

②100号の表紙を並べる
目視で100冊の歴史を感じられるよう、表紙を並べる企画も実施。これまで積み重ねてきたものが伝わる企画になりました。さまざまな単位で集計してみると、(縦に並べると)約30メートル、総ページ数約1,200ページ、文字数は約100万文字、発行期間3,274日。これらの数字が、これまで積み重ねてきた歴史を物語っています。

13_100冊の表紙ギャラリー

(100になぞって並べた歴代表紙ギャラリー)

③対談企画
1号から制作に関わってきた初代編集長と小林の対談コンテンツを掲載。これにより、社内報が発行された当時の思いや、これまでの歴史を振り返ることができました。

14_対談企画

(社内報100号を記念した初代編集長と小林の対談企画)

時代と共に変化し続ける社内報

幾度も変化を続けてきた、MEグループ。その変化のなかで、企業文化を大切にしながら進めた背景にはこの社内報の存在があります。振り返れば、苦しい時期も、大変な状況もありました。しかし、続けるという強い意志を持って情報を届けたことが、歴史となり、社内報100号という素晴らしいタイミングで目標としていた売上高100億円を達成することができたのだと考えます。

当社は、今後も世の中の変化に合わせて柔軟に変化していきます。情報を共有する文化を大切にしながらも、社内報も時代とともに変化させていきます。

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