バイサイドのつぶやき

日米の株式市場・債券市場・為替相場・マクロ環境をメインに自身の相場観をメモ程度に書いて…

バイサイドのつぶやき

日米の株式市場・債券市場・為替相場・マクロ環境をメインに自身の相場観をメモ程度に書いてます。個人的なものなので、相場観の偏りや書きぶりの雑さはお許しを。 キャリア : 学士/数学 → 23卒/バイサイド

最近の記事

米国のマーケット感

米国マクロ経済指標今週は、米国の重要なマクロ経済指標が連日発表される1週間となった。物価関連指標では、14日発表の消費者物価指数が総じて前回値・市場予想を下回る結果となったことに加え、これを裏付ける形で15日発表の生産者物価指数も弱い結果となった。また同日発表のコア小売売上高は前月比で上昇するなど、個人消費の強さは依然感じられる。16日にはフィラデルフィア連銀製造業指数、鉱工業生産指数が発表されるも、製造関連指標は総じて弱い展開が続いている。17日は住宅関連指標が発表された。

    • 米国ファンダメンタルズとマーケットの展望

      ① 11月1日FOMCを終えて 11月1日に開催されたFOMCでは、「政策金利の据え置き」が決定された。市場では、主因として長期金利の上昇が追加利上げと同等の効果があるとの判断がなされたため、との意見が多数だが、これは政策金利据え置きの"理由"ではなく、長期金利市場への純粋な"牽制"だったのではと考える。長期金利の上昇というマーケットのスポットの要因で金融政策は決まる訳ではなさそうなので、やはり消費者物価や雇用は抑制のトレンドが感じられるもののこれら指標が一定程判断基準とな

      • 日銀の金融政策決定会合を受けて

        昨日10月31日の日銀金融政策決定会合では、YCCの長期上限を、1%"めどに"という文言で若干の修正を行った。これに伴い、毎営業日の連続指し値オペを"適宜の国債買い入れ"に修正。また会見では、消費者物価の見通しについてアップサイドリスク(上振れリスク)について言及。展望レポートでは現消費者物価について、政府によるガソリン・電気・ガス代の負担緩和策の影響で、消費者物価の抑制に寄与したものの、輸入物価上昇がそれを上回る形で総じてプラスと説明し、リスク要因として地政学リスク、海外マ

        • 日経のリークを受けて

          本日10月31日の日銀金融政策決定会合では、YCC再修正の議論なされるとの報道があり、ドル円は円高に反応。(私の予想は外れました…)長期上限の修正が濃厚と見られ、1%という上限が柔軟に変わる見方だ。ただ、そうなると円需要の増加がドル円のボラティリティを増し、また金融政策修正により短期金利にも上昇圧力がかかり、イールド全体としては短期主導のベア・フラット化が見込める。 これが何を今するのか。金融政策修正の影響を考える。 前稿でも書いたが、日本のファンダメンタルズを見ると、イ

          債券のスプレッドについて

          今回から、マーケットに対する考えに加えて、自身が勉強として学んだことをまとめていく。本日は1回目ということで、債券のスプレッドについて簡単にまとめた。 Tスプレッド(Gスプレッド): 社債の利回り-国債利回り Treasury(米国債)に由来し、Tスプレッドと呼ぶ。またGはGovernmentを指し、幅広く国債を指す。 Iスプレッド: 社債の利回り-国債利回り Interpolated spred(補完された)に由来し、Tスプレッドとの違いは、国債利回りを線形補完によって

          債券のスプレッドについて

          来週の日米の金融政策決定会合(11月)についての一考

          来週10月31日(火)と11月2日(木)に、日・米の金融政策が発表される。そこで、今回は両国金融政策について考察する。結論としては、 日本:「金融政策の大幅修正はない」 米国:「政策金利は据え置き」 と考える。 日本: 前稿でも書いたが、日本についてはファンダメンタルズ的には金融政策修正が無難だが、外部要因(海外市場のボラティリティ等)を考慮すると"今"修正する必要はない。特に、今回はFOMCが日銀の決定会合の後、ということもあり、日銀は慎重にならざるをえない。 米国:

          来週の日米の金融政策決定会合(11月)についての一考

          日銀の金融政策修正とドル円についての一考

          今回は、日銀の金融政策修正について一考する。 結論としては、「金融政策修正は近いようで遠い」と考える。ファンダメンタルズに則した金融政策を達成させる場合は、早期の金融政策修正が最良策と考えるが、外部要因を考慮すると、金融政策の修正は現実的でないことが伺える。 ファンダメンタルズを見ると、インフレ率が高水準での推移、潜在成長率はプラスで推移、需給ギャップは供給超過となっており、コストプッシュ型の持続的なインフレ基調は確認できる。加えて、円安構造もインフレ要因となっているもの

          日銀の金融政策修正とドル円についての一考

          週間サマリー(2023.10.09~10.13)

          《米国》 株式市場 (週次) 1週間を通して、上昇基調となった。セクター別では、石油関連セクターがプラスに寄与、テックセクターがマイナスに寄与。利上げ観測の後退がテックセクター中心に好感し米株の上昇圧力となったものの、週後半は利益確定売り等で失速か。 (日次) 週初め9日の米国各種株価指標は上昇した。ハマスとイスラエルの衝突が原油価格を高騰させ、ジェブロンなど石油セクター中心に株価を押し上げた。10日も続伸。利上げ観測の後退が株式市場にプラスに働いたか。11日は、PPIが前

          週間サマリー(2023.10.09~10.13)

          米国金利主成分分析(2023.10.10)

          題の通り、9月米国金利に主成分分析を行ったところ、以上のようになった。最も大きく金利変化に寄与した要因は第一主成分分析のパラレルシフトか。曲率の変化等の要因は、金利の推移に大きく寄与はせず、幅広い年限で金利上昇が観測されたことが分かった。 今回は、デモで簡易な主成分分析を行ったが、今後はこの結果等を定量的に評価するなどして、金利予測を行いたいと思う。 また、近々、主成分分析の具体的な手法等についてはまとめようと思う。

          米国金利主成分分析(2023.10.10)

          週間サマリー(2023.10.02~10.06)

          《米国》 株式市場 (週次) 1週間を通して、若干の上昇基調となった。セクター別では、テックセクターが大幅にプラスに寄与し、銀行やインフラ系のディフェンシブセクターが下げた。強い雇用統計を受けて金利上昇圧力が強まったのにもかかわらず、テック主導の上昇基調で週を終えた。 (日次) 週初め2日から3日は、ダウ工業平均(米国株式市場)は依然リスク要因が多く、米政府機関の閉鎖危機は乗り越えたものの、今後も同事象と併せて利上げが懸念材料となり、引き続きのリスクオフ姿勢は変わらず、下落基

          週間サマリー(2023.10.02~10.06)

          米国株式市場に対する一考(2023.10.09)

          先週6日の米国市場は、上昇基調で終えた。私はこの株式市場の異常な動きに非常に懸念している。先週発表の雇用統計を受け、金利上昇圧力が強まり株式市場にはマイナスに働くのが定説だが、株式市場は上昇した。特に、ダウ工業平均の上昇に大きく寄与したセクターがテックセクターであることも、非常に不可解だ。推測するに、ここには株式市場と債券市場の間での異なった動向の裏にはある1つの共通する見通しが見えてくる。それは、「スタグフレーション」だ。物価は持続的な上昇基調が続くものの景気停滞が引き起こ

          米国株式市場に対する一考(2023.10.09)

          米国マクロ経済定性分析(2023.10.04)

          1.実質GDP米国GDPは拡大基調にある。持続的なプラス値は米国経済の底堅さが意識されるも、上昇幅は小さく米国市場の好感材料とはならないか。 2. 個人消費CPIや小売売上高は若干の上昇基調にあるものの、FRBがデュアルマンデートの一つとして重視するコア個人消費支出物価指数は下落基調にある。総じて、個人消費の過熱感は去ったと考える。 3.労働市場上記米国労働市場から分かることは、「平均時給は高水準で推移する中、失業率が低水準で推移しADP非農業部門雇用者数が落ち着きを取り

          米国マクロ経済定性分析(2023.10.04)

          週間サマリー(2023.09.25~09.29)

          《米国》 株式市場 1週間を通して、米国株式市場は値動きの激しい展開となった。週前半は、米国の高金利が持続するとの見方から、投資家のセンチメントは悪化し、VIX指数は大幅に上昇。テクノロジー銘柄を中心に構成されるNASDAQやダウは大幅下落。日次ベースでは、26日には建築許可件数や新築住宅販売戸数が弱い結果に終わり、住宅市場は落ち着きを取り戻してきていることに加えて消費者信頼感指数も前回値・市場予想共に下回り、個人消費の鈍化が意識され、株価の下押し圧力となったか。加えて27

          週間サマリー(2023.09.25~09.29)

          米国マーケットに対する一考(2023.09.28)

          米国市場は加熱気味か市場参加者は米国市場の加熱気味にようやく気づいたか。現在米国では主要経済統計等に加えて、以下の多くの定性的なリスク要因を抱えていると個人的に考える。 ・原油相場は持続的な上昇傾向にある ・全米自動車労組(UAW)のストライキ ・連邦政府機関が閉鎖する可能性がある ・学生ローンの返済が近い内に再開される ・欧州経済は停滞に見舞われている ・中国の不動産市場の不振 ・金融機関の統制を強めている(SECがウォール街の業務用メッセージを調査している) 米国企業

          米国マーケットに対する一考(2023.09.28)

          週間サマリー(2023.09.18~09.22)

          《米国》株式市場 1週間を通して、ダウ・SP500共に大幅に下落した。週前半は、各国の中銀金融政策決定会合を控え方向感の欠ける展開となった。週後半は、21日のFOMCにてFF金利誘導目標のレンジを5.25-5.5%に据え置くことを決めたものの、タカ派な姿勢が明確になったことにより、株式市場は大幅下落。また、22日の日銀の金融政策決定会合を経て、早期金融政策修正観測が後退し、米国株式市場は一時小幅に反発するも、米国サービス業購買部協会景気指数が市場予想を下回るなど、市場参加者

          週間サマリー(2023.09.18~09.22)

          9月日銀金融政策決定会合に対する予想(2023.09.21)

          明日の日銀政策決定会合は、円安抑制について言及すると予想。内容の強弱は、直前に発表される8月CPIによって大きく左右すると考える。ファンダメンタルズを反映した金融政策は早期の修正が適切だが、インフレターゲティングの金融政策である以上、円安を抑制するための政策変更は考えにくい。 シナリオ① 8月CPI(対前年比)が市場予想を大幅に上回る →最上級の口先介入として、マイナス金利政策の修正をメインに言及をするか。 シナリオ② 8月CPI(対前年比)が市場予想のレンジ内で上回

          9月日銀金融政策決定会合に対する予想(2023.09.21)