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週間サマリー(2023.09.18~09.22)

《米国》

株式市場
 1週間を通して、ダウ・SP500共に大幅に下落した。週前半は、各国の中銀金融政策決定会合を控え方向感の欠ける展開となった。週後半は、21日のFOMCにてFF金利誘導目標のレンジを5.25-5.5%に据え置くことを決めたものの、タカ派な姿勢が明確になったことにより、株式市場は大幅下落。また、22日の日銀の金融政策決定会合を経て、早期金融政策修正観測が後退し、米国株式市場は一時小幅に反発するも、米国サービス業購買部協会景気指数が市場予想を下回るなど、市場参加者のリスクセンチメントが悪化したことにより、下落基調で一週間を終えた。セクター別では、ほぼ全てのセクターで下げた。特にストによる工場停止で企業の生産活動が懸念される自動車セクターは前週比で大幅に下げ、また利上げ観測の強まりにより半導体セクターも下げた。
 来週は、先週の下落分を取り戻す形で押し目買いなど入り、再び上昇すると予想。しかし、GDPや個人消費支出等の重要な各種経済統計の発表を控え、ボラティリティの激しい展開になると予想。

債券市場
 1週間を通して、米国債利回りは年限ごとまちまちな動きとなった。週前半は各年限動きの少ない展開となり、週後半はFOMCの政策金利据え置きを受けて金利のピークを意識した投資家により利益確定売りやリバランス売りが入り、幅広い年限で大幅上昇か。その後、短・中期金利は下落。長期金利は高止まる形となった。イールドカーブは、対50日前でベア・フラット化し、景気過熱感がより鮮明に感じられる。また、OIS金利を見ると、2か月後には若干の利上げを、1年後には利下げを織り込む形となった。
 来週も引き続き、各年限で政策金利の高水準での推移を見据えた買いが入り下落すると予想。

《日本》

株式市場
 1週間を通して、日経平均、TOPIXは共に下落した。週前半の株式市場は横ばいであった。週後半21日は、FOMCでの金利据え置きの発表を受けて株式市場は続落も、22日には、日銀の金融政策決定会合にて金融緩和政策の維持を決めたことによる早期利上げ観測の後退に加え、押し目買いなどが入り小幅に反発。セクター別では、総じて下げたものの、円安が好感する形で輸送用機器セクター、日銀の金融政策修正への期待から銀行セクター、リスクセンチメントの悪化による一部ディフェンシブセクターが上げたことにより、下値を限定的にしたか。
 来週は、米国市場の不透明な行先が投資家をリスクオフにし、併せて日銀の金融政策決定会合を無風で通過したことにより安心感が高まり、日本に資金が回帰することで再び上昇すると予想。ファンダメンタルズは良好で、株価上昇圧力は依然高いと見ている。

債券市場
 1週間を通して幅広い年限で日本国債利回りは上昇した。週前半は、 FOMCの利上げ観測の後退により金利高止まりが意識されたことで短期ゾーンでは下落し、中・長期ゾーンではYCC修正等のリスク要因が残る形となり、金融政策決定会合を見極めようと動きの少ない展開となった。週半ばには、短期ゾーンでは下落したものの、週後半には幅広い年限で大幅上昇。FOMCでのタカ派な姿勢や日銀の金融政策持続の姿勢は投資家の売りを誘ったか。イールドカーブは、対50日前でベア・スティープ化し、景気回復への期待が高まってきたものの、依然YCCにより抑制されている10年金利の上値は重い。また、OIS金利を見ると、6か月後の利上げ(マイナス金利政策撤廃)が織り込まれる形となり、長期的な目線では、幅広い年限で国債利回りは上昇基調が続くと予想。
 来週は、日銀の政策決定会合を終えたことで、早期の金融政策修正観測が後退したことにより、一時的な安心感から買いが入り、下落基調を予想。

《ドル円相場》

  1週間を通して、ドル円相場は円安が進行した。週前半から21日にかけては、FOMCのタカ派な姿勢につられドル高となったものの、21日には、日米金利差の拡大を懸念材料とする形で日銀の金融政策の早期修正を見込み、円買いが進み一時147円台前半まで下げた。その後は、日銀金融政策決定会合にて金融政策の持続の姿勢が明確となり、再び円に買いが入り、148円台前半まで値を戻した。依然、上値の重い展開が続いている原因は、ユーロなどの円よりも相対的に投資妙味の薄い通貨に売りなどが入っているためか。
 来週は、日銀の政策決定会合を終えたことで早期の金融政策修正観測が後退したことにより、円売りが今まで以上に加速すると予想。またFOMCがタカ派で終えたことで、日米金利差はさらに意識され、今後も拡大基調にあるか。円安が進み、1ドル150円台も見えてくると予想。

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