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『BARへ行こう。』を読む
本日は、太田和彦『BARへ行こう。』の読書感想文です。
憧れの人、太田和彦氏
私は著者の太田和彦氏(1946/3/3-)の「ぶらり旅」シリーズのファンです。日本や世界のあちこちを旅し、訪れた旅先の粋な酒場で酒を楽しむことを職業として成立させている氏の生き方は、本当に羨ましい限りです。
太田氏と言えば、”居酒屋通”というイメージでしたが、本書以外にもバーに関する著作を多数手掛けておられ、大変なバー通であることを知りました。本書のカバーになっているお店は私もたまに伺う銀座の名店です。
納得しかない、太田氏のバーの流儀
僭越ながら、氏のバーとの関わりや流儀、お好みのカクテルなどは私と共通する部分が多かったです。
● 40歳を過ぎて本格カクテルを出すオーセンティックバーに平然と入れるようになろうと決意した
● バーには一人で行く
● バーでは基本的に二杯飲む
● スタンダードカクテルを好む
● 初めてのバーで一杯目にジントニックを頼む、ジントニックにこだわりがある
● マティーニを滅多に飲まない
● 生ざくろシロップのジャックローズを嗜む
また、以下の記述には100%同意します。
しかしバーの楽しみは酒だけではありません。それは都会の夜、静かにゆっくりと酒だけを愉しんでいる「居心地」にあります。
バーは注文を受けたバーテンダーが「その人のための一杯」を精魂込めて作るのを楽しむところだ。
大人になったら一人でバーに入り、悠々とふるまう。好きな女性を顔なじみのバーに連れてゆき、一杯おごる。たまにはシガーもいい。そうして出たら屋台のカップ酒。これがダンディというものです。
銀座バーについて
氏は「銀座バー」を特別な空間として紹介しています。
銀座のバーが独特であること、その場に集う客人も一流の方々であることはその通りです。私も銀座に好きなバーが数軒あります。氏のあげておられる超有名店は、今の私には敷居が高くてとても行けません。
有名なバーであっても、マナーを守っていれば、初客でも邪険に扱われることは100%ありません。敷居をまたいで、挑戦するだけの価値はあります。
しかし、これまでのバー探訪の経験から、自分が「場違いな存在」と感じた場所は、どんなに素敵な空間でも遠慮した方が賢明である、と学びました。私は「ネイバーフッド・バー」派です。マナーを守るのは大前提ですが、自分自身が心地良く飲めることを一番重視します。
第3章は、代表的なカクテルと艶やかなショートストーリーが楽しめます。昔読んでいたオキシロー氏の著作を思い出しました。お奨めの一冊です。
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