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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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2019年3月の記事一覧

『本音で生きる』を読む

本日の読書感想文は、堀江貴文『本音で生きる』です。冒頭の数行を読み始めて、思いました。「これ、以前にも読んだな……」と。しかし、今回も最後まで一気に読み切りました。 本書は、数多い堀江貴文さんの著書の中でも、よく売れていると聞きます。堀江さん自身は、「この手のテーマの本は二度と書かない」と宣言されています。2015年発売の本なので、現時点の彼の考え方はここからかなり変化しているのだろうと思います。それでも、時代の流れの感度の低い「ぼぉ~と生きている」私には、現在でも通用する

「信長になれなかった男たち」を読む

本書は、書店で初めてタイトルを見た時から、とても気になっていました。昨日購入し、読み始めたところ、非常に面白くて一気に読了しました。 著者の安部龍太郎氏(1955/6/20-)は、「等伯」で直木賞を受賞されている本格派の作家です。戦国時代モノの著作、特に織田信長関連の作品が多数あります。私は、これまで氏の作品とは縁が無く、本書がファーストコンタクトでした。 本書では、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった戦国時代の覇者の陰にいた魅力的な人物や、悲運の人物が数多く取り上げられ

本を読むことが習慣になるまで

本日のnoteは、私が本を読むようになった経緯を振り返ってみます。 本好きのルーツ親から聞いた所によれば、私は幼少時に本を読むのが好きだったようです。なのですが、私自身には、小学校、中学校、高校と積極的に本を読んでいたという記憶が全然ありません。 小学校時代は、近所や学校の友達と外で遊ぶのに忙しかったし、中学・高校は陸上競技部に入って、部活動中心の生活を送っていました。漢字や文法は得意でしたが、文章読解にはずっと苦手意識があり、国語の成績はぱっとしませんでした。論理的思考

「このままだと、日本に未来はないよね。」を読む。

本日は、ひろゆき『このままだと、日本に未来はないよね。』の読書感想文です。 彼の著作や発信する情報には極力目を通すようにしています。 私もタイトル通りだなあと思っています。オワコン(終わっているコンテンツ)という言葉の意味はつい最近知りましたが、日本という国の、国際社会での地位は急速に落ちていると感じます。 お金も人材も集まらず、先進性では全く注目されなくなっている日本経済は、長期的停滞が続いています。最先端技術の進化するスピードに、私を含めた旧世代の会社人が付いていけ

『肖像画で読み解くイギリス王室の物語』を読む

本日ご紹介する本は、英国王の肖像画から英国史を概観するという面白い試みである、君塚直隆「肖像画で読み解くイギリス王室の物語」です。 17世紀の清教徒革命、名誉革命が起こる以前の英国史には今一つ関心が持てず、これまでにあまり触ってこなかった分野でした。本書は、肖像画に描かれたそれぞれの王の治世の時代を、王の性格や物語を交えて簡潔に概観してあるので、とても読み易く、楽しく読める本でした。各章の主人公は以下の通りです。 第1章 ヘンリ7世(在位1485-1509) 第2章 エリ

イチローから学びたいこと

スポーツ雑誌Numberの最新号はイチロー引退特集でした。先日の引退会見の記憶を蘇らせる為、買い込んで読むことにしました。永久保存版です。 深夜の83分間の引退会見はテレビの生中継で観ていました。彼の絞り出す言葉全てが(自ら脱線したり、まともに答えようのない拙い記者の質問への応答もありましたが)自分の心に刻みつけておきたいと思えるものでした。 イチローの言葉が重く聞こえるのは、彼が飛び抜けた実績を残したアスリートだから、というのは当然あります。でも、根底にある考え方が優れ

『百歳人生を生きるヒント』を読む

本日のご紹介は、青年時代から愛読してきた作家、五木寛之氏の著書『百歳人生を生きるヒント』です。 人生五十年が基本設計織田信長が死の直前に本能寺で舞ったという平敦盛に歌われているように人生五十年を前提に構築されてきた慣習が、随所で見直される世の中になりました。私も既に五十歳の誕生日を迎え、昔なら死んでいるのが普通なのに、大きな不調もなく、元気で暮らしていけるのは誠にありがたいことです。 とはいえ、人生百年は、少なくとも私は勘弁して欲しいと思っています。生きる為の生活費を稼ぐ

『ブチ抜く力』を読む

昨日のホッケーが効いて、予想通り下半身に筋肉痛が残り、階段の上り下りがかなり辛い状況です。昨夜は大阪市内に泊まり、今日の午前中に横浜へ帰る為、伊丹空港へ向かいました。ANAのラウンジが新しくなっていました。 搭乗待ちをしていた所、ラッキーにもプレミアムクラスに空席があるとのアナウンスが流れたので、アップグレードポイントの残りを使って、プレミアムシートを確保しました。使い道がなく消滅やむなしと思っていたので、ラッキーでした。実質の飛行時間1時間未満ですが、サンドイッチとスープ

『60歳の壁』を読む。

今日の読書感想文は、植田統『60歳の壁』です。 著者は50歳目前に弁護士資格取得に挑戦し、金融マンから還暦近くになって弁護士に転身され、60歳を越えた今も現役で活躍されている方です。 精力的に仕事にも向き合い、充実した日々を生きておられるだけに、言葉の数々には説得力があります。会社勤めが長くなると、定年退職後も過去のサラリーマン時代の栄光を引きずる人が多い中、自分を律していくことの重要性を説きます。 決して堅苦しい話をしている訳ではないし、本全体を貫くトーンも意識的に柔