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Markover 50 の読んだ本

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Markover 50の読んできた本の読書感想文を収めています。
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記事一覧

『世界は経営でできている』を読む

本日は、岩尾俊兵『世界は経営でできている』(講談社現代では新書2024)の読書感想文です。 売れている一冊本書は、売れているらしい、面白いらしい、という口コミを耳にして、ミーハー気分で購入しました。確かに、ネット上で抜粋記事を目にしていたし、書店に行くと何冊も平積みされていて、人気があるらしいことが伺えました。売れる本には、必ず理由がある筈なので、興味を持って手にしました。ただ、購入したのが確定申告作業をやらなければならなかったり、読書全般への気力が減退していた時期だったの

『チューリップ』を読む

本日は、早逝した米国の詩人・小説家、シルヴィア・プラス(Silvia Plath 1932/10/27-1963/2/11)の死後、1965年に出版された『アリエル Ariel』の中に収められている『チューリップ Tulips』という詩についての所感です。 偶然辿り着いた作品私は、昨日までこの『チューリップ』という詩の存在も、シルヴィア・プラスという米国生まれの女性詩人の存在も知りませんでした。出会いは本当に偶然で、知的好奇心を発揮して縁を紡いていった先に辿り着いた結果です

『サル化する世界』を読む

昨日はお酒の酔いのまわりが酷くて、頭が全然働かず、身体の自由も効かず、部屋に戻って早々にベッドに倒れ込んだ為、またしても『毎日note』の連続投稿記録がストップしてしまいました。また、振り出しに戻るですが、気分一新で進めていこうと思います。本日の内田樹『サル化する世界』(文芸春秋2020)の読書感想文から、再開です。読了しておらず、特定の部分を抜き出しての感想です。 定期的に意見を拝聴する論客著者の内田樹氏(1950/9/30-)の著作はよく読んでおり、自分に許している本の

『仕事の辞め方』を読む

本日は、大阪へ向かう高速バスや息子との電車旅の隙間時間で読み終えた、鈴木おさむ『仕事の辞め方』(幻冬舎2024)の読書感想文です。 潮時で仕事を辞めるのは最高の贅沢放送作家・脚本家として長年一線で活躍してきた鈴木おさむ氏が、2023年10月12日に、2024年3月31日で放送作家業・脚本業を辞めることを発表しました。以来その言動や行動は注目され、最後に手掛けたテレビドラマの仕事は注目されました。本書も売れているようです。 1972年4月5日生まれの鈴木氏は現在51歳で、自

『アイヒマンと日本人』を読む

本日は、山崎雅弘『アイヒマンと日本人』(祥伝社新書2023)の読書感想文です。 日本人が気になる人物本書で取り上げられているオットー・アドルフ・アイヒマン(Otto Adolf Eichmann 1906/3/19-1962/6/1)は、ナチスドイツの親衛隊中佐であり、第二次世界大戦中にナチスによって遂行されたホロコーストの実務遂行において重要な役割を担ったとされる人物です。アイヒマンは、戦争犯罪者としての罪を逃れる為に偽名で潜伏していたアルゼンチンのブエノスアイレスで、1

『日本人の精神と資本主義の倫理』を読む

昨夜の時点では、アクティブな一日にすると意気込んでいましたが、ここ数週間の疲れや睡眠不足もあったのか、起きたら昼前になっていました。その現実に気持ちが萎えてしまい、そのまま家でダラダラ過ごすことに決めました。 ベットに寝転んだままamazon Prime videoで『トップガン・マーヴェリック』を観た後に手にしたのが、先週東京に出た際、神保町の古書街で購入したまま積ん読状態になっていた 波頭亮・茂木健一郎『日本人の精神と資本主義の倫理』(幻冬舎新書2007)です。読み始め

『「肩書きがなくなった自分」をどう生きるか』を読む

本日は、蝶野正洋『「肩書きがなくなった自分」をどう生きるか』(春陽堂書店2023)の読書感想文です。 期待以上に堪能させてもらった一冊本書は、つい最近amazonのkindle版で購入したものです。本書は、著者の蝶野正洋氏がレスラーを引退し、注目を浴びる表舞台から下りてからの生き方や意識していることを綴った書で、大変失礼ながら、期待以上に堪能させてもらった一冊でした。 蝶野氏は、主にアントニオ猪木(1943/2/20-2022/10/1)氏が創設した新日本プロレスで活躍し

『持たない幸福論』を読む

昨夜降り続いた雪が積もり、朝起きると雪景色になっていました。昼過ぎまで部屋でダラダラした後、雪が収まっているのを確認して、近所のカフェに出掛けて読書に勤しみました。本日の記事は、昨日に引き続き連続の読書感想文で、pha(ファ)『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』(幻冬舎2015)です。 培った常識を打破する為に著者のpha(ファ)氏は、シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人という肩書はあるものの、世間一般的にはニートに属する生き方を貫い

『あの日、選ばれなかった君へ』を読む

今日は、大雪予報を真に受け、一日中部屋に籠もって、のんびりと過ごしました。アクティブに活動しない時の私は、怠惰な世捨て人です。興味を惹かれた動画コンテンツやネット記事を拾っては、ひたすら観続けて一日が終わりました。好意的に言えば、知的エネルギー補給のために、インプット中心の時間を過ごしました。最近、生きる目的を体現する為に出せるアウトプットの源が瘦せ細っている気がしていたので、他人の鋭い意見に触れることで、自分の中の幹を太くする努力をしたよい時間になりました。 本日は、年末

『評価と贈与の経済学』を再読する

本日は、松本へ帰って来る電車の中で再読してまた学ぶことの多かった、内田樹・岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』(徳間文庫カレッジ2015)の読書感想文です。 軽い気持ちで読める本タイトルはかなり仰々しいものの、実際には軽い気持ちで読み進めて、全く問題のない本です。内田樹氏も、岡田斗司夫氏も好きな人物だし、語っている内容には共鳴する部分が多く、再読なのに改めて引き込まれました。 この本のもとになっている対談自体は、2011年9月に行われています。 本日の読書感想文は、【第六章

『人生後半の戦略書』が今年のベスト本

”今年のベスト本” 企画に応募することにします。今年はあまり本を読んでいないものの、ベスト本を一冊選ぶならば躊躇なく、アーサー・C・ブルックス『人生後半の戦略書』(SB Creative2023)を選びます。 人生後半を愉しむために私は2018年10月にnoteを開始する際、『人生後半戦を愉しむ』というテーマを掲げました。50代になったら、(外山滋比古先生に感化された)人生二毛作でいきたい…… 人生前半戦は、会社員という片道切符の電車に飛び乗り、ビジネスマンとして世界を舞台

佐藤愛子氏に学ぶ幸せの極意

今日の松本は寒い一日でした。三度目の信州の冬を受けて立たねばなりませんから、体力は大切です。明日は多少気温の上昇があるようですが、暖かい服装をして、身体が温まる食事を取って、正攻法で挑むことにします。本日は、走り読みしている、佐藤愛子『それでもこの世は悪くなかった』(文春新書2017)の短いあとがきから貰った爽やかな気持ちを忘れないように、記事に残しておきます。 歴戦の勇者、作家・佐藤愛子父に明治・大正期に活躍した作家の佐藤紅緑(1874/7/6-1949/6/3)、兄に詩

『人生後半の戦略書』を再読する

横浜の自宅に帰ってきて夕飯(私の希望でたら鍋)を食べ、ビールとワインを飲んで気持ちよく布団に寝転びながら、この記事を書いています。本日の記事は、アーサー・C・ブルックス 訳=木村千里『人生後半の戦略書』(SB Creative2023)を再読した読書感想文です。 人生後半戦のバイブルの一つこの書は今年2月の発売当時にかなり話題となり、私も存在を知ってから速攻でamazonに注文し、興奮しながら読了しました。僭越ながら、私が人生後半に臨むにあたり考えていた幾つかの秘訣と同じ趣

『大人の流儀6 不運と思うな。』を読む

本日の読書感想文は、伊集院静『大人の流儀6 不運と思うな。』(講談社2016)です。週刊現代に連載していたエッセイ「大人の流儀(a genuine way of life)」シリーズの第6作で、2015年1月3・10日号~2016年6月11号所収分が単行本化されたものです。 奇妙な縁を感じる一冊氏の訃報に接した際、本書を通読中でした。亡くなられる前日の11月23日、息子と長野県内の電車旅に出掛けた際も鞄に入れて持っていき、移動する車両の中や駅での待ち時間に読んでいました。