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Markover 50の観た映画

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Markover 50が観た映画の感想や周辺の思い出を書き残しています。
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#映画コラム

『峠 最後のサムライ』を観る

本日は、先週から公開されている映画『峠 最後のサムライ』(2022)を観ての感想文です。 事前の期待が大き過ぎたかも‥司馬遼太郎の名作『峠』が映画化がされることは、だいぶ以前から知っていました。原作の主人公、長岡藩家老・河井継之助は、非常に興味深い人物ですので、どのように描かれるのかが楽しみで、公開される前から、かなり期待して待っていた映画でした。 原作の『峠』の方は、若い頃に途中挫折して未読了なのですが、昨年の夏、青春18きっぷの旅で新潟県長岡市へ旅行した際に、河井継之

『Fukushima 50』を観る

本日は、映画『Fukushima 50』(2020)の鑑賞メモです。 あの場所の記憶東日本大地震の惨劇には、衝撃を受けました。直接被害を受けていない私ですら、10年経った今でも、あの日起こった出来事の記憶は、完全には癒せない深い傷として体内に残り続けています。 2011年3月11日14:46に東北地方太平洋沖で発生した巨大地震と、その後に各地を襲ってきた津波被害により、多くの死傷者が出ました。大切な人が犠牲になり、自身も被災者になられた方にとっての思いは、私が抱く痛みの

『テスラ エジソンが恐れた天才』を観る

本日は、映画『テスラ エジソンが恐れた天才 Tesla』(2020)の鑑賞記録です。 天才、テスラ私は、二コラ・テスラ(Nikola Tesla 1856/7/10-1943/1/7)に対して、常人の理解を超越したとんでもないことを考え、実現しようとした真の天才、というプラスのイメージを持っています。 テクノロジーにはそれほど明るくないので、彼の発明の偉大さや斬新性、重要性を完全には理解できていません。しかしながら、よく紹介されている写真の印象が強烈ですし、ミステリアスな

『ノマドランド』を観る

本日も映画の鑑賞文です。2021年の米アカデミー賞の最優秀賞3部門(作品賞、監督賞、主演女優賞)を受賞した『ノマドランド Nomadland』です。 『ノマドランド』について昨日(2021/5/7)朝一番の上演回を妻と観て来ました。映画館の予告編で目にした時から観たいと思っていました。米アカデミー賞をはじめ、ベネチア国際映画祭・金獅子賞やトロント国際映画賞・観客賞、米国各地の映画賞を受賞しており、本年公開映画の最高傑作に上げられています。 原作は、ジェシカ・ブルーダーのノ

『東京物語』を観る

本日のnoteは、日本映画の最高傑作と評される『東京物語』の感想文です。 手を出せなかった名作『東京物語』は、黒澤明、溝口健二とともに世界的に評価が高い映画監督、小津安二郎(1903/12/12-1963/12/12)の1953年の作品です。名作中の名作として知っていたものの、なかなか手を出せなかった作品でした。 小津安二郎は、1927年『懺悔の刀』から1962年『秋刀魚の味』までの35年間で54作品(現存するのは37作品)を残しています。庶民の日常的な風景を題材にした「

『スティーブ・ジョブズ』を観る

本日は、2013年公開の映画『スティーブ・ジョブズ Jobs』の鑑賞記です。 もう一つの『スティーブ・ジョブズ』映画この作品の監督は、ジョシュア・マイケル・スターン(Joshua Michael Stern 1961/1/12-)が務め、ジョブズをアシュトン・カッチャー(Ashton Kutcher 1978/2/7-)が演じています。 カッチャーは、顔立ちが非常にジョブズに似ていて、傲岸不遜のふてぶてしい態度やちょっとした表情を見事に再現しています。189㎝の長身を腰を

『AWAKE』を観る

本日は、現在公開中の映画『AWAKE』を観て思ったこと、感じたことを膨らませて考えてみたいと思います。この映画の伝えたかった主題の方向からは多少外れるかもしれません。 映画『AWAKE』の概要監督はこれが初の商業映画となる山田篤宏氏。AI将棋ソフト『AWAKE』と現役プロ棋士の阿久津主税八段が対戦した2015年の電王戦FINAL第5局での実話が下地になっています。 この一戦、僅か21手で『AWAKE』開発者の巨瀬亮一氏が投了を宣言し、先手阿久津八段の勝利に終わったのですが

『鉄道屋』を観る

amazon prime videoで降旗康男監督作品『鉄道屋』(1999年)を観ました。その感想を綴ります。 映画『鉄道屋』について原作は、浅田次郎氏の第117回直木賞(1997年)受賞作品で、大ベストセラー小説です。主人公の鉄道屋(ぽっぽや)一筋の武骨な佐藤乙松を演じるのは、名優 高倉健さんです。 この作品は、第23回(2000年)日本アカデミー賞の優秀作品賞を受賞し、高倉健さんは自身二度目の最優秀主演男優賞を獲得しています。 なぜか観ていなかった映画名作と言われ