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主に税理士を目指す方にわかりにくい税法(租税法)の用語などを解説するような記事や、税理士受験生に役立つ情報を書いていきたいなと思っています。記事は全て(まだまだ半人前の)個人の意見です。経営学修士。令和4年税理士試験合格。

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課税要件法定主義【やんわり租税法 No.8】

こんにちは。今日も一緒に勉強していきましょう! 個人的な用事に忙殺されていたために、前回から3か月も空いてしまいました。。 今回からは「租税法律主義の内容」について学んでいきたいと思います。租税法律主義についてはNo.1「租税法律主義」で簡単に触れたのですが、もう一歩踏み込んで勉強していこうと思います。 まず、「租税法律主義」を簡単におさらいすると、「国民から税金をとるためには法律が必要」ということでした。 そして、この租税法律主義はさらに枝分かれします。 ・課税要件法定

    • 税法の解釈(入門編)【やんわり租税法 No.7】

      こんにちは、マークです。今日も勉強していきましょう。 前回は税法の解釈(門前編)として、文理解釈について勉強しました。 簡単にまとめると次のような感じでした。 課税は財産権(憲29)の侵害であることから、恣意的課税を排除するために課税には法律の根拠が必要というルールがある(憲84)。 だから、法律の解釈にあたっては法律の規定に「書いてある通り」に解釈するという「文理解釈」により解釈することが租税法律主義の考え方に沿っているということです。 もしこのルールがないと、課税権者によ

      • なぜ税金を払うのか【やんわり租税法 No.6】

        こんにちは、マークです。 前回の投稿から日付が空いてしまいました(せっかく読んでくれている方ごめんなさい)。 独立準備や資格試験の勉強や所属している税理士会の集まりや研修もあり、思うように税法の勉強に時間を振ることができず、反省をするところです。 その理由の一つでもあるのですが、先日、租税教室の講師を依頼され、授業計画を練っていました(授業は後日)。 実は前職は塾講師をしていたので、教えること自体はそこまで不安ではないのですが、なにぶん10数年振りのことなのでややブランクは感

        • 税法の解釈(門前編)【やんわり租税法 No.5】

          こんにちは、大人になるに連れて春が好きになってきました。 おそらく一瞬に感じる春ですので、連休のうちにたくさん外に出ていきたいですね。 さて、前回はやや難解な引用をしてしまったりちょっとタイトルに偽りあり、といった感じになっちゃった気もするので、今回は本旨に即してやんわりいこうと努力します。笑 今回のテーマは「税法の解釈」です。緑のバイブルを開いても序盤に出てくる大切なテーマなので、その入門より前の「門前編」としていっしょに勉強していきましょう。 ところで、「税法」と言っ

        課税要件法定主義【やんわり租税法 No.8】

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          大島訴訟(その2)【やんわり租税法 No.4】

          こんにちは、マークです。 今日も一緒に勉強していきましょう。 さて予告させていただいた通り、前回の続きとして、大島訴訟について学んでいきたいと思います。 今回は大島訴訟で示された「合理性の基準」にスポットを当てて考えていきたいと思います。 ちょっと憲法寄りではありますが、しっかり租税法律主義にまつわるお話です。 まずはおさらいを兼ねて、大島訴訟の判旨の一部を見てみます。 「・・・租税は、今日では、国家の財政需要を充足するという本来の機能に加え、所得の再分配、資源の適正配分、

          大島訴訟(その2)【やんわり租税法 No.4】

          大島訴訟(その1)【やんわり租税法 No.3】

          こんにちは、マークです。今日も一緒に勉強していきましょう。 今回は初の判例を取り上げてお届けするnoteです。 取り上げる判例は大島訴訟(最高裁昭和60年3月27日大法廷判決)と呼ばれる事件です(別名「大嶋訴訟」、「サラリーマン税金訴訟」)。 この判例は税法関連の中でも最も有名な判例の一つです。 争点としては比較的シンプルなものではありますが、No.1で取り上げた租税法律主義やNo.2で取り上げた租税平等主義の考え方も判例の中で示されており、とても興味深い判例なのでじっくり見

          大島訴訟(その1)【やんわり租税法 No.3】

          【税理士試験】ポンコツの受験シーズン(あるベテの一例)

          全く自慢にならないし、できれば黙っておきたいのだが、僕は税理士試験では完全にベテ受験生だった。 実務でも税理士が何をする人かわからないまま税理士事務所に入り、採用されたもんだから簿記を勉強し始めるという、志が地に這ったスタートだった。 売掛金とか買掛金が何なのかすら知らなかった。 本屋で買ったテキストを適当に読んで簿記3級を合格した後、一応税理士試験を受けることにしたのだが、一番簡単だからと言われた財務諸表論が全然受からない。平成19年に就職して、財務諸表論を取ったのは平

          【税理士試験】ポンコツの受験シーズン(あるベテの一例)

          租税平等主義【やんわり租税法 No.2】

          こんにちは、マークです。今日も一緒に勉強しましょう。 今日は「租税平等主義」について考えていきます。租税平等主義は租税公平主義とも呼ばれます。 …えーっと、税法に詳しい方は前回の続きとして「あれ?租税法律主義の“内容”については触れないの」とお思いになるかもですね。 当然触れておきたいところではあるんですが本稿のテーマである「簡単にサクッと」を優先して、シタゴシラエのように目立つ用語を優先してやっていきたいと思います。租税法律主義の内容も、後の回で取り上げていきたいと思います

          租税平等主義【やんわり租税法 No.2】

          租税法律主義【やんわり租税法 No.1】

          こんにちは、マークです。第1回目のテーマは「租税法律主義」です。いっしょに学んでいきましょう。憲法や税法に関心を持った方ならこの言葉を見たことがないとは言わせない、といってもいいくらい有名な原理ですね。 結論からいえば、租税法律主義とは「国民から税金をとるためには法律が必要」という原理です。また、裏を返せば「国民は法律に従って税金を納める義務がある」と言い換えることもできます。前者は憲法84条に、後者は憲法30条にその根拠となる規定があります。 前者は課税権をもっている「

          租税法律主義【やんわり租税法 No.1】

          ゴアイサツ【やんわり租税法 No.0】

          こんにちは、税理士のマークと申します。この業界には15年いますが、去年税理士試験に合格したばかりの駆け出しの税理士です。 さて、このnoteでは「(租)税法をなるべく簡単にサクッとニュアンスだけ感じとる」をテーマに書いていきたいと思います。 法学の分野でいえば民法や刑法と違い、税法は一般的にはあまり知られていない法律です(ここに辿り着いてる時点で読まれている方にとっては多少興味はあると思いますが)。 僕自身法学としての税法に足を突っ込んで5年くらいになりますが、入り口が

          ゴアイサツ【やんわり租税法 No.0】

          【税理士試験】仮計算で解く酒税法の計算問題

          1.酒税法ってどんな試験?特徴と難易度について  ここでは税理士試験における酒税法の一般的な内容について説明していきます。 もし既に酒税法を学習されている方にとってはご存知の内容も多いと思いますので、仮計算についてだけ知りたい方は2.酒税法の仮計算の概要まで読み飛ばしていただいて結構です。  さて、税理士試験の中でも最もボリュームが少ない科目とされる酒税法。受験生の皆様はどんなイメージを持ってらっしゃるでしょうか。一般的に税理士試験の酒税法においては以下のような特徴が挙げ

          【税理士試験】仮計算で解く酒税法の計算問題